黒蛇
「亮二…待ってくれ。」
「悠河か、まだ何かあんのか?」
僕は手に持ったモノをモヤに突き立てる!
『ぎゃあああ!小童めがなにをした?』
悪霊が苦しみ出した。僕が持っていたのはセセラギ様の牙だった。天に帰る前に譲り受けていたのだ。
モヤは次第に形を成し、蛇の下半身に女性の上半身を持つ化け物となった。
「なんだコイツは!?」
亮二にも見えているようだった。
ニタァと笑う化け物は亮二に襲い掛かる。
避けきれず脇腹に深傷を負う亮二。辺りに血溜まりができた。
「亮二!!」
「…悠河…逃げろ」
「逃げない…お前を置いていけない!」
化け物の口が裂け鋭い牙が剥き出しになる。
凄い勢いでこちらに向かってくる。
その牙が僕に届こうとした時、ミサンガが青い光を放って引きちぎれ、あまりの光に目が眩み化け物は怯んだ。
「…ミサンガが守ってくれたのか?」
「たわけ、俺が助けたんだよ」
目を開くとそこには黒い着物を纏った侍が立っていた。
左目に傷痕があり、右手には黒光りする刀を持っている。
僕は一目でわかった。
「お前…お前は…黒蛇」
黒蛇は右手の刀を鞘に収めると化け物に対して構える。
一瞬の出来事だった
化け物は粉々に切り刻まれ、肉片が散らばる。
黒蛇はその落ちた腕を拾いあげると徐に喰らいついた。
「満たされねぇ…」
そういうと黒蛇は姿を消した。
「亮二ーっ!」
僕は亮二に駆け寄った。
「悠河、あの化け物は?」
「もういないよ!しっかりして」
「はは、もう目が霞んできやがった。悠河…お前に会えてよかったよ…」
「亮二、そんなこと言うな。まだ間に合う!もうしゃべるな」
「悠河、ありがとう。」
ガクッ…亮二の身体から力が抜ける
「亮二っ!亮二ーっ!」
zzzzZZZZ
「…寝てる?」
亮二はぐっすりと寝ていた。
「今回は私の出番はなさそうですね。」
「真昼さん!?いたんですか?」
振り向くと後ろに真昼さんが立っていた。
「ええ、悠河くんのかっこいい勇姿見させて貰いました!笑 救急車も呼んでありますからとりあえず亮二くんの応急処置をしましょう。」
僕たちは救急車が到着すると、病院へと向かった。




