枕返し
「悠河くん愛してます」
真昼が裸のまま悠河に近寄る
「ちょっと?!真昼さんなんで裸なんですかっ?!」
「ダメ…ですか?」
「ダメですっ!!」
顔を真っ赤にする僕を抱きしめる真昼さん。
「キス…してください」
がばっ!
布団をひっくり返して勢いよく目覚める僕。
真昼さんの…真昼さんのエッチな夢を見てしまった…
顔を真っ赤にしていると
黒蛇が傍に座っていた。
「主よ、勢いよくおきてどうした?スケベな夢でも見たか?笑」
「見てない!!断じて見てない!!」
黒蛇が言いにくそうに口を開く
「主、その…なんぞ山が出来ておるぞ?」
「見るなーっ!!」
起きて居間に行くと、真昼さんが朝食の準備を済ませていた。
真昼さんを見たとたん夢の話を思い出す。
真昼さんの顔が見れない。
「あら、悠河くんおはようございます!」
「お…おはよう」
俯いたまま食卓に着くと急いで朝食を平らげた。
「あら」
真昼さんが近くに寄ってくる。
顔が近いっ!!
「悠河くん…」
夢と現実がシンクロする。
「ご飯粒ついてますよ?」
そう言うと真昼さんは僕のほっぺからご飯粒を取ってぱくりと食べた。
その瞬間
つつつーっと鼻から血を流し僕は倒れてしまった。
次に目覚めたときは僕は部屋で布団に入っていた。
「悠河くん!目が覚めたんですねっ!急に鼻血出して倒れるから心配したんですよ?ちょっと熱っぽいし風邪ですかね?」
「がっ、学校に行かないと…」
「学校にはお休みの連絡を入れてます。今日はゆっくりしててください!」
「…はい」
部屋に独りになる僕の傍らにまた黒蛇が現れた。
「主よ?害はないと思うのだが昨夜に三下の妖が現れてな」
「妖?」
「そいつがな、こう、主の枕をくるりと回して消えおったのだ」
「それだけ?」
「それだけだな…」
「そりゃあ…枕返しだ」
「又助さん!」
ひょいっと塀を飛び越えて僕の部屋に又助さんが現れた。
「こぞう、変な夢でも見んかったか?」
「…みました。」
「スケベなやつな。笑」
「黒蛇!!」
黒蛇を殴ろうとしたがするっと避けられた。
「又助さん、なんとかなりませんかね?」
「三下じゃが、やっかいだからな…おまけに悪戯好きでしつこいときた。」
「変なのに目をつけられたな主よ」
「でも、策はあるにはある」
「本当ですか?」
「ああ、任せとけ!」
自信満々な又助さんにここは一つお願いすることにした。