60/62
エピローグ 理摩
目を開く。
広い部屋を見回し、一人分にしては大きすぎるベッドの上でボーッとする。
「理摩は、何を?」
夢を見ていた気がする。
とても素敵な恋の夢。届くことが無いと分かりながらも、必死に手を伸ばし続けたはずの世界があった気がする。
「あれ?」
零れる涙。何度も拭い、止めようとしても止まらない涙。なんで、なんでと目を擦る。
タオルを取りに行こうと部屋を出た。広い。一人暮らしをするにはあまりにも広い部屋。
どうしてこんな場所に住んでいるのか分からないままに、洗面所で顔を洗う。
一人暮らしのはずなのに、二人分の歯ブラシが並んだ洗面所。飼ってもいないはずなのに置いてある猫用品。
「どう、して?」




