35 鬼とは
鬼とは。
そう前置きしながら、りっちゃんは頭に手を置いた。どこかに保管していたのか、立派な角が生える。
中指くらいかな? 指より太い程度。美味しそうな角に涎がじゅるり。
それを見たりっちゃんがササッと寒奈さんの後ろに逃げる。舐めたかったのに残念。
「おっ鬼には、二種類居ます。理摩のように、人に紛れている鬼。人の姿を無くした凶鬼です。ですが、今回は鬼のほうですね」
「なんで分かるのー?」
「鬼と凶鬼の違いで分かります。鬼は特殊な力を持ち、凶鬼は特殊な体を持ちます。その体から特異な行動をしたりしますが、基本的には特殊能力を持ち合わせません」
「ふむふむ」
説明は難しいけど、なんか違う。程度には理解した。
でも、疑問。
「特殊な力ってなぁに?」
「色々な力がありますよ。理摩が得意とするのは身体強化ですが、雷を纏ったり炎を出したりすることも出来ます」
実演してくれる。
タネなんてまるでないのに、雷が弾けて炎が生まれる。
それを目前にしながらおお〜と目を輝かせる。幽霊を見る眼や地獄耳とは違い目視で分かる力に気分が高揚する。何だか盛り上がってきた〜
「触っていい? 触りたいなー」
「ぜっっったいに駄目です。怪我じゃ済みませんから」
手を捻るだけで消え失せる。
あーあーと残念になりながらその手を見つめ……ペロリと舐める。
「ひゃん」
「美味しい」
「やめてください」
少し嬉しそうな気がするけど気のせいかな?
ピリリとするかと思ったけどそんなことは無い。いつものりっちゃんと同じ味。角に手を伸ばすが、バッと素早い動きで避けられる。
「角は、駄目です」
「絶対舐めるからね〜」
心に誓う。
りっちゃんが油断している時に角に攻撃を仕掛ける。これは決定事項だ〜
ギラッギラに瞳を輝かせて角を狙う。
「そっそんなことよりも。先に話すことがあるのでは?」
「えっ?」
「はい。今回の犯人。その目的ですね」
「そうです。予測は、ついているのですか?」
「多分。理摩です。連れ戻すため、じゃないでしょうか?」
りっちゃんを連れ戻す?
前に会った時はそんなつもりない。みたいに言っていたはずだけど……あれ? 僕の記憶違いかな?
「どゆこと?」
「色々事情があるのですよ」
「それが、聞きたいな〜」
もしかしたら力になれるかもしれない。なれないかもしれないけど知っておきたいとは思う。
りっちゃんたちは顔を見合わせるけどフルフルと首を横に振るだけ。話す気は無いのかぁ〜
クロも答える気は無さそうだしなーおっきな欠伸をして丸くなってる。しばらく寝るのかもかぁ
「鬼のことは分かってもりっちゃんのことは全くだなぁ」
「それでいいのです」
「はい。大先輩は知る必要ありません」
シクシクシクシクシク。
クロの隣で丸くなりながら涙を流す。
みんな酷いよ〜僕の知らないところで楽しんでる。僕も参加したいな〜




