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27 寒奈への猛攻

パチリと、目が開いた。

そこは知らない天井。体を起こして周りを確認しても、やっぱり知らない場所。

首を傾げ、腕の中に居るクロを撫でる。


「あっれー?」


なんでここに居るのか分からない。散歩の途中だった記憶はあるのに、家に帰った記憶が無い。

とてもいい匂いのするお布団に包まれてすやすやと寝ていたみたいだけど、一体どうやって寝たんだろう。

クロを退けて、ちょっと散策。誰の部屋なのかだけでも知らないとお礼が言えない。

記憶が無いから、きっと散歩の途中で寝てしまったのだろう。そして、親切な誰かに家へと連れ込まれた。布団まで貸してくれるのだからかなり親切な人なのだろう。

当人が居ないことが気がかかりなんだけどね。


「おおー」


洗濯籠があり、中には女性物の服が入っている。少し漁ると下着が見つかった。際どい黒のパンツ。大人の女性なのかな?

パンツと同じ色のブラを掲げるとかなりのサイズである。りっちゃんの下着しか見ないから、こんな大きいの初めて。

ちょっとした感動がある。

お風呂場にも居ないし、トイレにも居ない。玄関を見れば僕の靴しかないから外出中かな?


どうやら、女性に連れ込まれてたみたいだなぁ。


僕を連れ込んでもメリット無いはずなのに、なんでだろう。倒れている人を放っておけなかったのかな?


まぁいいや。とりあえず朝みたいだし。時間だけ確認しないとね。えっと、携帯。携帯は……っと。


「電源落ちてる」


コンセントを探すと、近くに充電器も置いてあるので遠慮なく借りることにする。


ぐ〜。


「お腹空いたなぁ」

「にゃ」


クロが起き上がり伸びをし始める。じーっと僕のことを見つめたかと思えば、膝に登ってまた丸くなった。

安心したような表情で目を閉じているので体を撫でておく。

クロが安心しているなら、危ない人ではないよね。危険を察知したら逃げるように扉の前に移動するだろうし、呑気に寝ているわけないもの。


僕の、クロに対する信頼はとても強い。危険があれば真っ先に行動してくれることを僕は知っている。小さいし、女の子だけど。僕にとってのナイトなのだ。ずっと一緒にいる家族!!


「電源つけられるかな?」


パーセントが五になったので電源を入れる。

なぜか時計が無いから時間分からないし、りっちゃんも心配しているだろうから連絡入れたいしね。充電器に繋ぎながらなら問題ないでしょう!!


「うわ〜これは無理だね」


操作前に表示される時間は、既に学校内に居なければならない時を過ぎている。どんなに急いでも遅刻確定。なら、学校は諦めよう。俊樹連絡入れればいいかな。


「あーこれが、原因かな」


百件を超える着信履歴。メールも一分単位で送られてきている。

どれもりっちゃんだ。相当の心配をかけたのだろう。直近のメールには、「探す。どこ?」とだけ書かれている。それも、深夜三時頃のメールだ。受信中と書いてあるので、もっとたくさんメールを送っているのだろう。


警察までは動いていないと思うけど、これはすっごく謝らないといけないね。

今まで途中で寝ちゃうことなかったのに、なんでだろう?


「にゃー」

「クロのせいなの?」

「にゃ」


短い返事。

そうだと言っているみたいだけど、クロみたいな可憐な猫が僕を眠りに誘うわけないし、気のせいだろう。

きっと疲れが溜まってたんだね。うん。


「お腹空いたなぁご飯どうしよう。お礼もしないとだし、りっちゃんに謝らないとだしー」


うんうん唸っていると、ガチャと音が聞こえた。


「よかった。目が覚めたのですね」

「あれ、寒奈さん?」


入ってきたのは寒奈さん。

ということは、ここは寒奈さんの家?

質素な部屋なんだなぁ。特徴がない部屋に住んでるなんて思わなかったから想像もしなかったや。


「えっと、洗濯籠が……」

「あっちょっと荒らしちゃった」

「~~~〜!!!!」


顔を真っ赤にしてパタパタ暴れている。見ている分には可愛いな〜動画撮っておこう。

俊樹に、送れば喜んでくれるかな?


「何をしているんですか!!」

「寒奈さんの可愛い姿を保存しようかと」

「止めてください」

「はーい。俊樹に送るだけにしとく〜」

「なんでですか!?」


携帯が取り上げられ、電源が落とされる。まだりっちゃんに連絡してないのに酷いなぁ。


ぐ〜。


お腹が、盛大鳴った。

さっきからご飯を催促し続けている。

恩人が寒奈さんであることは分かったけど、ご飯まで集るのは間違っているだろうから、お礼を言って帰ろうかなぁ。


「ご飯。今作りますね」

「え〜と、無理しなくていいよー?」

「わたくしがやりたいだけですよ」


顔を真っ赤にしたままエプロンを手にキッチンへと向かってしまう。

携帯は返されたけど手持ち無沙汰なので、とりあえず押し入れを開けた。


「何してるんですか!?」

「えっ? 物色」

「大人しく座っていてください!!」


即座に戻ってきた寒奈さんの手によって押し入れが閉められる。チラリと見えたのは衣装タンスと数枚の写真くらい。

ちょっとくらいはいいかな。なんて思ったけど、ダメだったかー

仕方ない。電源を入れてりっちゃんに連絡だけ送るとしよう。


「僕は、元気だよー家で、待っててねっと、これでいいかな」


送信〜

さっご飯の時間までのんびり待と〜美味しそうな匂いがすぐにやって来たからすっごく期待出来るね!!


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