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24 猫又再び

「んーいい夜だなぁ」

「にゃー」


今日も今日とて夜散歩。クロの後ろをついて回ってのんびりとした時間を過ごすのだ。


人通りが少なく。また他の猫を襲っているので、猫又(仮)に会える可能性が高い。ゲームのガチャ画面ならば虹でなくとも赤画面であろう。俊樹がたまに回しているのを横で見るのでよく知っている。

欲しいのが手に入らなくて咆哮を上げるのはガチャのお決まりなのだろう。最高レアの排出率が六%でも高いと笑う姿を見ていると将来に不安を覚える。

半分の確率でも失敗する世の中なのに、二桁無い確率で喜べるならギャンブラーになってしまうのではないかと言う不安。

パチンコとかなら、もっと当たる確率高いって聞くしね。


「でも、当たらないからギャンブルなんだろうなぁ」


パチンコの六十%はほぼハズレなんて耳にすることもあるし、人生上手くは回らない。


さてさて、ゲームやギャンブルの話は置いといて、周りから人が居なくなったスペシャルタイムに目を向けることにしよう。クロが僕の腕に収まってしばらく歩いていたら誰も居ない空間に侵入していた。


またまた結界かな?


どうして僕に効かないのか分からないけど、これは猫又チャンスである。今度こそモフモフタイムを決行しなければ……


「にゃ」

「むぎゅ」


肉球で唇を押さえられた。

身を翻して器用に手を伸ばすなんてどこで覚えた技術なのだろうか?

クロって色々な技を持っていて驚かされてばかりだ。ただの猫ではないのかもしれないと思えてならない。


「にゃーーーー!!」

「鳴き声だ〜」


どこからか聞こえる鳴き声目掛けて突撃する。

どこどこ?

どこで遊んでいるのかなぁ?


「ねっこまったちゃーん」

「にゃ!」


ピシパシと尻尾で抗議を受ける。

どうやら気分を害したらしい。なんでなのか不思議でならない。クロのことは大好きなのになぁ。他の猫に取られるとでも思っているのかな?

最終的にはクロの所に戻るのに……


「にゃ」

「うぎゅー」


グリグリと頭を頬に擦り付けて来る。

クロが何を思ってやっているのか、本当に検討がつかない。離そうとしても離れないし……怒っているわけでもなさそう。機嫌が悪い時に抱っこしてたら思いっきり暴れるからなぁ。

甘えてるのかな?

うーん。分かんない。クロの言葉が解ればいいのになぁ。


「ここかな?」


辿り着いた場所には誰も居ない。

ハズレなのだろうか?


「うーん。クロはどう思う?」

「にゃ」


グリグリ攻撃が落ち着いたのか、どこかを前足で指している。トコトコとそっちに向かって歩けば、クロと同じくらいの猫が丸まっていた。

尻尾が二本あるその猫は、怪我をしているのか血塗れであった。


「うわ! 大丈夫なの?」

「にゃ」


ピョンと腕から飛び降り、丸くなっている猫を転がす。

お腹から切り開かれていた。

これでは、もう……


「モフモフタイムがぁ……」


まさか、こんなことになるなんて……息はしているみたいだけど、明らかな致命傷。もう生きられる時間はない。

こんな酷いことをするなんて……


「杏さんだろうなぁ」


思いつくのは一人しか居ない。

可能不可能は別にして、杏さんと猫又(仮)何らかの敵対関係にあるのであろう事は、この前の夜散歩で理解していた。

だけど……どうして?


「クロ。埋めてあげよっか」

「にゃにゃにゃ」


何故か首を横に振られる。

クロを埋める訳でもないのになぜ?


「どうしたの?」

「にゃ」


腕の中に戻ってくる。

あー血が着いた〜りっちゃん怒るかもなぁ。

どうしよう?


「にゃにゃ」


パンパンと血の着いた前足で胸元を叩いてくる。

どんどん広がっちゃうなぁ〜なんて言い訳しよう。


「にゃ!」

「んっ?」


前足が指す方に視線を向ければ、そこにはこの前のように杏さんが立っていた。

その後ろには……猫又(仮)が大量だなぁ。

なんだか襲われているみたいだけど、善戦しているのかな?

十数匹が襲っているけどいなしてるし……でも、なんでクロが慌ててるんだろう?

分からないことだらけだなぁ。


「寒奈さんなら分かるのかな?」

「えっと、お呼びですか?」

「おお! 居たんだ〜」

「いえ、今来ました。杏様も」

「大丈夫なの?」

「もちろんです。ですが、味方であろうと気にせず攻撃するあの猫たちのせいで攻めあぐねています」

「どういうこと?」


杏さんが全ての攻撃を避けているのには何か理由があるの?


「出来る限り保護しようとしているのです。ですけど、それを他の猫が許さないのです」

「ふーん」


じゃあ、そこの猫又(仮)を傷つけたのは杏さんじゃないんだね。それを聞いて安心したぁ。

優しくていい人なんだね!


「それで、この状況をどう収拾するの?」

「それは……」


困っているようだ。

困っていないのであればなんとかしているわけだし当然と言えば当然か。

クロには何か手がないかな?


「クロ〜何か手はない?」

「にゃー」


やれやれと言うように首を振ると、


「あれ〜?」


体から力が抜ける。意識が保てなくなる。

お休みなさい。

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