あたらない
文を書き慣れていないため拙いです。
ご了承ください。
男は一大決心を固める。
生きてきて27年。
かつてこれほどまでに熱くなる展開があったであろうか。
コンビニの前に男は立っている。
腕時計は8時42分を示す。
会社にはもうどうしたって間に合わない。
ならばコンビニでアイスを食べよう。
挑戦しよう。
どこから聞こえるかわからないがセミの鳴く声がする。
暑い。
体中から汗がこぼれ出てくる。
ハンカチでぬぐっても汗は止まらない。
いつもなら不快になる汗もアイスを食べると考えれば別になんてことはない。
会社のことも。
スーツの中のワイシャツはぐっしょり濡れている。
男は行動に移す。
男はコンビニに入る。
涼しい。
空調の効いたコンビニで男は生き返る感覚だった。
男に迷いはなかった。
レジの前に立ち一言。
「あたりつきアイスを1つください」
店員は笑顔で男にアイスを手渡した。
男はアイスを貰ってコンビニを出る。
外でアイスを食べる男。
周りの人々はその光景に見とれていた。
男は暑い中、アイスを堪能している。
アイスは夏の暑さに溶けはじめる。
男は流れるアイスを舌で受け止める。
男の周りはアイスにつられた野次馬で溢れている。
男はアイスを食べ終えた。
そしてその場に倒れ込む。
人々はその場を去る。
男を見ようと立ち止まる人はいない。
みんな夏の暑さを思い出したのだ。
どこからともなく車が来た。
男を乗せた車は陽炎の中に消えた。
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