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番外編・笑顔の悪魔

カミルを奴隷館で買った次の日の話。


カミルを買った次の日、ソールは仕事をいつもよりも早く終わらせていた。

「ソール様、珍しいですね。こんなに早く仕事を終わらせるなんて。」

と、コーヒーを机に置きながら、セバスが言った。

「まぁ、今日は用事があるからね。それも大切な。」


そう。ソールは、用事のために仕事をいつもより早く終わらせたのだ──────。


「セバス。出かけてくるから、カミルの事よろしく。」

そう言って、屋敷を出た。そして向かう先は奴隷館だ。

また奴隷を買う訳ではない。『クレーム』を言いに行くのだ。

まぁ、クレームの内容なんて察してる人はいるだろう。


* * *


奴隷館に着くと奴隷商人がやって来た。

「いらっしゃいませ!アルバート様!今回はどんな奴隷にしましょうか!?」

そう、ニコニコしながら奴隷商人は言った。

「今回は奴隷館の最高責任者に用があって来た。今すぐ会えるかな?」

ソールは、笑顔で言った。

すると、奴隷商人は大きな買い物をすると思ったのか知らないが、ニヤニヤして、

「もちろん。」

と商人は言った。



地味にソールがこの時、少しニヤリとしたことに奴隷商人は、少したりとも気づかなかった──────。



* * *


そうして、最高責任者がやって来た。その見た目は、『豚』が1番お似合いだろう容姿であった。

「奴隷館の最高責任者、トロール・ホッグと申します。今回はどのような件で?」

と、最高責任者のホッグはニヤニヤして言う。

「今回はクレームを言いに来たのだが、カミルが傷や痣だらけなのはどういうことだい?」

ソールは、ホッグの表情にイライラした気持ちを抑えて言うと、ホッグはソールの気持ちに気付かず、なるほどと、頷いて口を開いた。

「商品交換ですな。オススメなのはこの者たちだ。この者たちは全員処女ですぞ!今ならお買い得ですぞ!」

そう言うと、後ろの扉から、体つきの良い女性が5人ほど入ってきた。

ホッグは理解力がないのだろうか。

ソールは呆れた。

「商品交換など、望んでいない。カミルに暴力...君たちから言えば商品だね。そんな彼らに暴力を振るうのかい?馬鹿には分からないかな?」

分からないようなので、丁寧に、そしてほんの少し馬鹿にしながら説明してやった。

カミルの綺麗な肌に傷や痣をつけるのは、ソールにとっては、重い罪であるからだ。

「そんな報告は来ておりませんので...気のせいではないでしょうか?」

ホッグはもっとニヤニヤしながら言った。もっとも、ソールの耳には、ホッグがブヒブヒ鳴いているようにしか聞こえなかった。

「そうか。チャンスはあげたのにな。どうなっても知らないよ?」

とソールはボソッと誰にも聞こえないような声で言った。

そうだ。ここで過ちに気づき、謝って2度と奴隷に暴力を、振るわないと約束していれば、イラつくけれど許してやろうと思っていたのだ。

「セバス。」

そう呼ぶと、セバスが現れた。

屋敷にいるんでは?と思うだろうが、彼は有能なので、行動の先読みをしていたのだ。

薄々呼ばれるのではないかと。

「呼ぶと思いましたよ...」

そう小さな声でセバスは呟いたが、ソールにだけは聞こえた。


そうして、周りの者に聞こえる様な声で、ソールは笑顔で、セバスに命令した。

「ではこの奴隷館では、客に失礼な態度をしてくると広めておいてくれ。あ、そうだ。ホッグの頭に懸賞金をかけておいて。」

と、笑顔でセバスに伝えていると、ホッグが顔を真っ青に震えながら口を開いた。

「なにをなさって......」

ホッグは、薄々気づき始めたのだ。


このままでは、自分が賞金首になり、命が狙われること。


奴隷館が潰れること。


アルバート家は、この国で王族の次に権力があるのではないか...と噂されるぐらい、有名なので、ソールにはそれが可能であること。


そして自分の犯してしまった罪を。


「すいません!!2度と奴隷に暴力はいたしませんので!どうか、どうか!お静まりください!!」

そうして、ホッグは土下座をした。そして周りの真っ青な商人たちも察したのか、土下座をし始めた。ちなみに女性奴隷は、震えていた。

それを冷たい目でソールはみていた。そしてため息をつきながら、

「2度としないでね?したらどうなるかわかるよね?死ぬよりも辛いことしてあげるからさ!あと、カミルに頭下げに行けよ?」

最後はキツめに言っておいた。これで、やっと満足したのかソールはセバスと共に屋敷へ帰っていった。ホッグと奴隷商人はやっと緊張がとけ、その場に崩れ落ちた。


* * *


このことが効いたのか、それ以来、奴隷商人やホッグは全く奴隷に暴力を振るわなくなった。奴隷も健康であった。もちろん、どの奴隷も。

ホッグに至っては、少し痩せた。まぁ他にも、少し性格が良くなって、『客は神様だ』が、口癖になった。ちなみに、ソール・アルバートことを裏では『笑顔の悪魔』と呼ばれていた...


そして、暗黙のルールが同時にできた。



『アルバート家を敵に回してはいけない』と─────。



番外編どうでしたか?

ふと、この話を思いついたので書いてみました。

ソールさんのカミル愛は凄いです(笑)

死よりも辛いことって何でしょうかね...考えない方がいいかもしれませんね(笑)

あと、セバスはとても有能だったり...色々設定が、この話では書かれています。

今回もセバスさんお疲れ様です(笑)


カミル目線の短編「男の娘メイドっ!」も是非読んでみてくださいね!こちらからどうぞ!http://ncode.syosetu.com/n4130dw/


では、またの機会に!


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