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本編・アルバート目線

短編「男の娘メイドっ!」のソール・アルバート目線となっております。

本編・ソール・アルバート目線


僕の名前はソール・アルバート。アルバート家の主人だ。僕は、暇な毎日を過ごしていた。仕事をやって...寝て...の繰り返しだった。あの子と出会う前は──────。


* * *


ある日、たまたま用事の帰りに奴隷館の前を通った。

『そうだな。召使い達が忙しそうに働いてるし、金も余裕だから、奴隷でも買って帰るか。』

と、思ったので奴隷を見てみることにした。

中には、体つきの良い女性が色仕掛けをして、自分を買ってもらおうとしている輩もいたが、残念ながら俺はそんなものは興味が無い。

唯一あるとしたら、「可愛い」がほんの少し好きだ。ほんの少しだぞ?


そうして奴隷館の地上から地下の商品をみに、地下へと降りた。地下の者は、もう売られないだろうと見切りされている者だ。だから地上の者より、痩せ細って、死んだ目をしている者が多かった。そんな所に、僕の好みの人がいる可能性は低いだろうが見る価値はあるんではないかと、地下へ行くことに。


奴隷商人は、

「地上の方がお値段はお高いですが、素晴らしい者が揃っております。地下は、売れ残りですぞ。」

と、高い商品を勧めようとするが、どうでもいい。決めるのは僕だからね。


そうしてある檻の前で止まった。


名前はカミルと言うようだ。痩せ細っていて、女顔。女顔だが、れっきとした男の子らしい。この子に、ワンピース着させたら、可愛いだろうな。今は死んだ目をしているが、それも、ちゃんと生きがいのある目になったらもっと破壊力があるだろうと思った。僕は即決めた。

「これにする。いくらだ?」

すると、奴隷商人は驚いた顔をして

「おちょくるのは辞めてくださいアルバート様。上にはもっといい商品が...」

僕はいらついたので、にっこりと笑い

「これにすると言ったのが聞こえなかったのですか?」

と言うと、奴隷商人はビクビクして

「かしこまりました!!」

と、準備をしに行った。カミルを洗ったりなどするらしい。

その間に僕は、他の奴隷商人にお金を払っておいた。


そうして待合室で待っているとカミルがやっと来た。

カミルはオドオドとしていて、言っては悪いかもしれないが僕の「可愛い」にドストライクだった。

どんな服を買ってあげよう...なんてどんどん妄想が......いけない、いけない。

「カミルこれから宜しくね。」

すると、カミルは頷いてくれた。

いやはや、可愛い。

そうして、僕は軽く自己紹介して、カミルを連れて屋敷へ帰ることにした。


* * *


実はカミルは知らないのだか、帰っている途中、ソールはセバスに、カミルに似合う『メイド服』を頼んでいた。まぁ、要望が凄く、召使いが困ったのは言うまでもない。


* * *


ちなみにセバスは長年僕に仕えてくれてる一番偉い召使いだ。セバスはハキハキと僕に物を言う。まぁ、それで僕が怒らないことを知って、言ってるんだけどね。


そうして、屋敷に着いた後、僕はセバスからカミル専用メイド服を受け取り、それを、目をキラキラさせながらカミルに渡した。

「きっと、カミルに似合うよ!!」

って言うとカミルは驚いていた。それはそうだろう。周りの召使いも、驚きを隠せていなかった。

セバスに至っては呆れ顔だった。


そうしてカミルはメイド服に着替えてくれた。やはり、似合っていた。可愛い。でも、カミルがスカートに慣れていなくソワソワしている姿も可愛いかった。

すると、足や腕から、傷やら痣が見えていた。それも気になった。


「やっぱり、似合うね!でも、この体の傷はどうしたの?」

すると、カミルは自分の腕や足などを確認して、口を開いた。


「この傷や痣は、奴隷商人につけられたものです...。僕は元々売られないだろうと思われていたので、ストレス解消にと奴隷商人が、殴ったりなどしてきまきた...」

なんと!最低なことを!この綺麗な肌に傷を...またこんど奴隷商人をしめておこう。


するとカミルは震え始めた。多分、僕にストレス解消とかで殴られるんではた思っているのだろう。僕は絶対そんなことはしないと自分なりに伝えた。

「よく耐えたね。僕はそんなことしないよ。」

と、僕は微笑みカミルの頭を撫でた。すると、カミルも少し笑顔になった。僕は、表情にださずカミルの笑顔を心のアルバムに収めておりました。(可愛いかったぁぁぁ!)


そうして、カミルにはお屋敷の掃除や、召使いが料理をするのでそれの手伝いなどさせておいた。一応、カミルになにか仕事をと、セバスに言われたので仕事を与えた。別に仕事をしてなくても、僕の近くにいるだけでいいんだけどね!


* * *


ある日、厨房から皿の割れた音がした。そして、厨房に行ってみると、カミルが僕にペコペコ謝ってきた。

「ごめんなさい...皿を割ってしまいました...。」

と、言っているが僕はカミルが怪我をしてないかと気が気でなかった。

「カミル...怪我はないかい?」

すると、カミルが頷いてくれた。これで安心。皿なんていくらでも代わりはあるけど、カミルの代わりなんていないからね。


* * *


そして、ようやくカミルの部屋が出来た!最初は女の子っぽい部屋を作ろうとしたのだが、またここでセバスが、シンプルなデザインに変えていた。恐るべしセバス。

でもね、クローゼットの中は見なかったようだ。実はメイド服やワンピースを数着いれておいたのだ!カミルの反応が気になるなぁ〜!


* * *


部屋のことをカミルに話すと、

「奴隷には部屋など入りません...」

と、丁寧にお断りをされた。しかし!それで折れる僕ではない!

「もう用意しちゃったし使ってくれないと物置になっちゃうなぁ...」

チラチラと見ながら言うとカミルは

「では、有難く使わさせていただきます。」

と言って部屋に早速行った。

クローゼットの中をみたらどんな反応をするのかなぁ〜と妄想しながら僕は、仕事へと戻っていった。


* * *


そうして、何日か経ってある日。その日の夜は雷が鳴っていた。

雷はうるさい。僕は、山積みになった仕事をしていた。カミルがこの部屋で掃除をしてくれているので、それをたまにチラチラみながら、セバスには

「真面目にしてください...ハァ...」

と言われていたのだか、雷が鳴ったと思ったら、カミルが抱きついて来たのだ。なにこの可愛い小動物みたいなの!?可愛すぎる...セバスが呆れ顔をしていたがそんなのは気にしない!

「ご...ごめんなさ...」

と、カミルが僕から離れて謝罪を言い切る前にまた雷が鳴り、カミルが僕に抱きついた。嬉しい気持ちとテンションの高い自分を抑えて、

「カミルは雷が怖いんだね。今日は一緒に寝るかい?」

と、言ってあげるとすぐカミルは頷いた。


あぁ!雷!ありがとう!また是非鳴ってくれ!いつでも歓迎するよ!


なんて思いながら、自分の部屋に戻ろうとするとセバスが僕を止めた。

「お仕事は?」

と、ニコッと言われたが

「明日やる。カミルをほっとけないのでな。」

と、セバスを下がらせた。


そして、カミルと一緒に寝た。それもカミルはメイド服だ。今日の事は一生忘れません...神に誓って...。


* * *


そしてセバスは、黙々と

「明日が楽しみです...」

なんてボソボソと言いながら廊下を歩いたので、ほかの召使いも

「明日は大変だ...」

なんて言っていたのは、カミルとソールは知らなかった。


もちろん次の日、ソールが昨日よりも山積みになった仕事をみて絶望の目をしていたのも、言うまでもない。


* * *


ある日カミルが、休日に辛そうに僕の前に来た。そうしてカミルは口を開いた。

「騙しててごめんなさい。僕は男です...また売られると思ってしまい、言い出せませんでした...どうぞご許し下さい...」と頭を下げるのだ。

えっ?僕カミルを女の子だと思って接してたとカミルは思っていたのか。なーんだ!誤解をといてあげよう!

「 カミル『君』なのは知ってるよ。ただメイド服が似合うから、作業服はメイド服にしたんだよ♪それにメイド服に馴染んでいく姿もとっても見ていて楽しかったしね!今後もよろしく!」

と、生き生きして言ってあげると、カミルがポカーンとしていた。それもかわいい!心のアルバムのページがどんどん増えていく──────。


* * *


そうして毎日が過ぎていく。あの暇な毎日が嘘だったように。

今は毎日が楽しくて仕方ない。だって毎日カミルのメイド服見れるからね!


最近セバスがカミル側についたようだ。前聞いたんだ...セバスが

「メイド服やワンピースだけでは大変でしょう。なにか男性の服を贈りますよ...」

なんて言ってたのだ!!!阻止しなければ!


そうして毎日楽しい日々が過ぎていくのだった──────。

お読み下さった方ありがとうございます!

「男の娘メイドっ!」のソール・アルバート目線のお話でした!

ソールはもうカミルにデレッデレでしたね(笑)

ちなみにセバス推しです(笑)お疲れ様です(笑)

「男の娘メイドっ!」をお読みではない方は「男の娘メイドっ!」を是非読んでみてくださいね!

次の更新は番外編となります。お楽しみに!


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