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魔法使いの英雄彈〜二人が英雄になるまで〜  作者: 猫田ねここ
第1章 出会い
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第1章 2 【レイナルン魔道学園】

レイナルン魔道学園


「……い」


母さん…?


「…ぱい」


待ってよ。俺はまだ眠いんだ…。


「ハル先輩!!」


「うわぁぁあ!?」


その瞬間ハルは飛び起きた。


「先輩ったらどんだけ爆睡してたんですか?

もう、ずうぅっと先輩のこと呼んでたのに全然起きてくれなかったじゃないですか!」


と、ハルの目の前にぷぅっ、と頬を膨らませた少女がいた。その少女の制服は、涼しげな白色のブラウスに紺のスカートでリボンは赤だった。袖のところに赤の刺繍で、ライラと縫ってある。赤はハルの一個下の三年生であることを示している。ちなみにライラは15歳である。


「ごめんよ、ライラ。ちょっと疲れてて。ところでライラ。今何時かなぁ?」


と、ハルが欠伸を噛み殺しながら言う。ハルの制服は白色のシャツで紺のズボン、ネクタイは青であった。ライラと同様、シャツの袖には、色違いだが、青色の刺繍があり、ハルと縫ってあった。青は、四年生つまり、最上級生を示している。


「おう、ハルおはようさん。今は12時。もう昼休みだぞ。てか、お前今日一時間目から、寝てただろ?もうすぐテストがあるが大丈夫なのか?」


と、ハルの後ろの席に座っていた青年、ハルの親友が声を掛けた。


「あちゃー。やっちまった。トムラ、ノート見せてくんねー?」


「…お前なぁ」


「頼む!今度、晴矢亭のランチ一回奢るから!」


「……。二回な」


「よっしゃきた。恩にきるぜ。トムラ」


「…俺はこんな奴が首席だとは認めない」


「なんか言ったか?」


「なんにもー」


といつものようなやり取りをしつつ、トムラと昼食を食べるべく、食堂に行こうと、ハルは席を立ち上がった。


「ちょっとぉぉ!先輩!私を無視しないでくださいよー!

てゆうか、授業終わってダッシュでここまで来た私のことも考えてくださいよ!」


と、そこでついにライラが根を上げた。三年生の校舎は三階にあり、ハルたち四年生の校舎は渡り廊下を挟んでに二階にある。つまり、少しばかり遠いのである。


「おう、ライラおはよう」


と、ハルはのんきに返す。


「ハル先輩!今日こそは一緒に昼食を食べましょう!」


「うーん。でも、俺トムラと一緒に食べるから…」


と、ハルがそう答えると、ライラはぎっ、とトムラを睨んだ。


「おいおい。同じ先輩でも扱いがずいぶん違うなあ、後輩よ」


「トムラ先輩とハル先輩では存在価値が違います!」


「お前、言っていいことと悪いことがある、ってこと知ってる!?」


また、いつものやり取りがはじまりそうだったので、ハルは苦笑しながら、二人を止めた。


「まあ、取り敢えずライラには悪いけど、俺はトムラと昼食を食べるから。すまんな?」


というと、ライラはまだ納得のいっていないようだったが、素直にうなづいた。


「次は負けませんからね。では失礼します」


と、ライラはトムラと謎の火花を散らしながら教室をでていった。


「さてと、今日のメニューはなにかなー」


とハルがのんびりと言いながら、ハルとトムラは一階にある食堂に向かっていった。



ハルとトムラが食堂に入ると、女子生徒の顔が、一気に輝いた。


「きゃあ、ハル先輩よ。今日はこの食堂で食べるんだ」


「はあー、なんか今日はなんでもできそうだわ」


「やっぱり、カッコいい!」


と、あちこちで声が聞こえる。


ハル達の学園の校舎は二つあり、一つは、ライラ達三年生が使っているレイル校舎、ハル達が使っているレイン校舎である。


レイル校舎は一階が 第一食堂、二階が一年生の教室、三階が三年生の教室、四階が、大図書館となっている。


そして、レイン校舎は一階が第二食堂、二階が四年生の教室、三階が二年生の教室となっている。


他にも、魔法の練習や魔法の授業で使う、魔道場が、二つと、剣技場が一つある。また第一女子寮、第二女子寮と、第一男子寮、第二男子寮、そして、それぞれの寮に食堂や大浴場までついている。


ハルは苦笑いしながら今日のおすすめランチのラアメンをとり、隅っこの方の席に座る。それでも、女子たちは、まだハルにちらちらと視線を向けていた。が、この学園に入学してから3年と少し。ハルはもうそんなことにも慣れてしまっていた。


ハルにこんなにも人気があるのは、ハルがこのレイナルン魔道学園の最上級生にして、魔道、座学、剣術のどれにおいても首席だからである。


「相変わらずの人気っぷりだな。王子様」


と、トムラが皮肉をいうが、


「その言い方はやめろよ。てか、女子たちが騒いでいるのは、俺が首席だからだろ。つまり、興味本位なんだ。だから、別に俺はお前が言う、王子様なんかじゃないぞ」


と、ハルはラアメンをすすりながら言う。ちなみにトムラもラアメンをすすっている。


「お前はそれを素で言ってることに驚きだわー」


「ん、どういうことだ?」


「……。それよりお前明日暇か?」


そう。明日は土曜日なので授業がないのである。


「いや、明日は剣の研磨に行かなければならない。すまんな」


「そっか、そりゃ残念」


「なんかあったのか?」


「いや、来週に剣術のテストがあるだろー?俺あれ苦手なんだよー」


「そーか。じゃ、頑張って」


「なんか他に言うことないの!?」


そこで、授業10分前を知らせる予鈴がなった。ハルとトムラはいそいでラアメンを食べ終えると、小走りになりながら、教室に戻っていった。

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