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魔法使いの英雄彈〜二人が英雄になるまで〜  作者: 猫田ねここ
第1章 出会い
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第1章 25【ルミスVSトムラ】

ルミスVSトムラ


「はよっす、トムラ」


「おはよう、トムラさん」


「おう、はよーっす……あ、アリス!?」


トムラが顔を上げると、朝食の乗ったお盆を持ったハルとアリスが立っていた。


「うん、おはよう。トムラさん、ここいいかな?」


アリスはトムラの向かいの席を見ながら聞く。


「全然問題ないです!!」


ハルとアリスは朝の特訓をした後、軽くシャワーを浴び、制服に着替えてから2人で食堂に来ていた。


アリスはトムラの向かいに、ハルはトムラの隣に座る。


「お、おいハル。アリスと一緒ってどういうことだよ?」


トムラはハルが座るなりヒソヒソと聞いた。


「あぁ、朝のジョギングの時にばったり会ってな。一緒に魔法の練習してたんだ。で、ついでに一緒に朝食食べよっか、てなって」


「な、なるほど」


トムラがアリスをちらりと見ると、アリスは朝食のクロワッサンをハムハムと食べていた。


「あ、ほむらはんってたひかえーふらふはったよね?(トムラさんって確かAクラスだったよね?)」


アリスがクロワッサンを頬張りながら言う。


「アーリース。飲み込んでから言えよー」


ハルが笑いをこらえながら言う。トムラはそんなアリスを見て少し驚いているようだった。


「えっと…あ、ああ。あと、トムラでいいぞ。よろしくな」


「うん、私はアリス。これからよろしくお願いします」


アリスはクロワッサンを飲み込んでから言った。


「な、なあ。アリスって実はちょっと幼いとこあることねぇ?」


「それな」


ハルとトムラがヒソヒソと話す。


「???」


アリスはそんな光景を不思議そうに見ていた。と、その時


「アリス、そいつにそんなに丁寧にしなくてもいいのですの」


「げっ、ルミス!」


「御機嫌よう、トムラ」


ハルたちが顔を上げると、それぞれ朝食の乗ったお盆を持ったルミスとミィリアが立っていた。


ルミスはトムラに冷たく言うとアリスの隣に座った。だが、ルミスは座った途端、トムラを睨みつける。トムラもあまり、いい顔はしていなかった。


トムラとルミスの間に火花がバチバチと散っていた。


「おはよう、アリス」


「ミィリア、おはよう」


ルミスと一緒に来ていたミィリアがハルたちに挨拶をしてから、ルミスとは逆の方のアリスの隣の席に座る。


「ねぇねぇ、ミィリア。トムラとルミスって仲悪いの?」


アリスはミィリアが座った途端すぐさま聞いた。


「…ええ。アリスは3ヶ月に一度、剣も魔法も使用可の大会があること知ってる?」


「ううん」


アリスは首を振る。


「そっか。まぁ、この学園ではそういう大会があるんだけど、成績はハルがいつも首席なのよ」


「うん。それは知ってる」


「でね、次席、2位は誰だと思う?」


「!もしかして、トムラかルミス…?」


「そういうこと。いつもどっちかが次席なの。ちなみにこの前の大会ではトムラが次席だったのよ。だから…」


「仲が悪いんだ…」


アリスは納得した。


アリスとミィリアがしゃべっている間にトムラとルミスの火花は大きくなり、遂には口論になっていた。


ハルは何知らぬ顔で朝食を食べている。おそらくこれはいつものことなのだろう。


「何?私に勝ったからといって調子に乗るんじゃないですの。バカ」


「はぁ?誰が調子に乗ってんだよ。てか、バカって言うな、バカ!」


「な、私をバカにするとは…。失礼ですの!」


「はぁ、お前がバカにしたんじゃねえか」


「あなたがバカにしたのですの!」


「いつ?何時何分何秒だよこのやろ!?」


2人ともバカであった。


ハル、アリス、ミィリアは呆れてさっさと朝食を食べると2人を置いて食堂を出ていった。





「なんか、ルミスの印象変わるかもー」


それから3人は部屋に戻りつつ話していた。


「あはは」


「確かにな」


3人が歩いていると、シーナとシャルロットに会った。2人ともまだ起きたばかりのようで、シーナなんかは寝癖までついていた。


「おはようかな、アリス、ミィリア。それからハルも」


「おはおっはー。アリス、ミィミィ、ハル」


「お、ぷくく、おはよっ」


「おう、おはようっ」


「シーナ、その呼び方やめてよー。2人笑ってるし」


アリスとハルは笑いをこらえていた。


「ミィミィって、小さな、子供、みたいっ」


「アリス、心の声、声に出てるから!」


ハルとシャルロットが同時に突っ込む。


アリスは笑いが収まってからシーナとシャルロットに質問した。


「そういえば、2人は朝食もう食べたの?」


「あぁー、私たち起きるの遅いかな。だから、ミィリア達とは別々で食べてるかな」


「そうなんだ」


3人はシーナと、シャルロットと少し話すと学園にいく準備をするため、それぞれの部屋に戻っていった。


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