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魔法使いの英雄彈〜二人が英雄になるまで〜  作者: 猫田ねここ
第1章 出会い
21/33

第1章 20 【夕食】

夕食


「えーっと、325、325、あったあった」


ハルとアリスは荷物を持ってアリスの部屋に来ていた。


アリスの部屋はロビーに一番近い、女子寮の一番端の部屋であった。


「私、女子寮と男子寮って建物ごと分かれているんだと思ってた」


「ははは、俺も最初おんなじこと思ったわ」


女子寮から見ると、男子寮はロビーを挟んで向かい側にあった。


「ここは、第二女子寮。で、ロビーを挟んで向こう側が、第二男子寮。1階、2階が、1年生。3階、4階が俺たち4年生の寮だ」


「じゃあ、さっき通った第一女子寮と、第一男子寮は2、3年生が使ってるんだ?」


「そゆこと」


2人は立ち話もあれなので、早速アリスの部屋に入った。


「おじゃましまーす。わぁ、結構広い!」


そう言うアリスの目は心なしかキラキラとしていた。


「えーっと、歓喜に浸るのは後にして、いろいろ説明するぞ?」


「あ、ごめん。ついつい…」


そして、ハルはアリスに大体の部屋の設備の使い方を説明した。


「それで、1階に食堂が2つ。これはどっちも使っていいぞ。あと、風呂場は2階な。食事も風呂も、自分の部屋で済ませてもオッケー」


「ありがとう。あ、あと、ハルの部屋番号教えて」


「えっと、302だから、ロビーから数えて2番目の部屋だ。結構近いぞ」


「!良かった。ちょっと安心した」


その途端、アリスの顔がほころんだ。


「うし、そろそろ夕食の時間だ。一緒食べに行くか?」


「あ、うん。ちょっと待って。荷物置いてく!」


アリスは慌てて荷物を置きに部屋の奥へ入っていった。


その顔が嬉しそうに笑っているのを見て、ハルはとても安心した。最初のアリスはあまり表情に変化がなく、暗かったので、少し心配していたのだ。


「ごめん、お待たせ」


「よし、じゃ、行こう」


そうして、ハルとアリスは食堂に向かっていった。




ハルとアリスが食堂に入った途端ざわめきが起こった。


「えっ、あの噂本当だったの!?」


「めっちゃ美人じゃん、俺好みかも!?」


「かわいいー!」


と、あちこちで話し声が聞こえる。


「えっと…、夕食部屋で食べよっか?俺作るぞ?」


「うーん、ハルの手料理食べてみたいけど、食堂に入ったのに食べずに出て行くの変かも…」


「それもそうだな…」


ハルとアリスは窓際の方の席を取ると、夕食のメニューを見にいった。


その間にも生徒がチラチラとアリスに視線を向けていた。


「えっと…なんか嫌いなもんとかある?」


「ううん、特には。ハルと同じのでいいよ。」


「そっか。じゃあ、エビフーライ定食2つで」


ハルはアリスの分も一緒に注文した。


「はいよ、ちょっと待っててね」


食堂の従業員も、アリスのことを好奇の目で見ていた。


そして、しばらく待っていると、エビフーライ定食が2つ出て来た。


「はいよ」


「ありがとうございます」


「あ、ありがとうございます」


アリスもハルに習ってお礼を言うと、お盆に乗った定食を持って席に戻った。


「ねぇ、ハル。今思ったんだけど、お金はいいの?まだ、払ってなかったよね?」


「ん、食堂のご飯は何食べても無料だ。それに、生徒は1ヶ月ごとに決まった額のお金が支給されるから、生活に問題ないしな」


「すごい!なんか、夢のような学園」


「その分、この学園卒業したら、国の為に働けってことさ。さてと、いただきます」


「いただきます」


ハルはまず、エビフーライに。アリスは白いお米に手をつけた。


「んー、美味しい。炊きたてっておいしい」


「だろだろ?」


「私こんなご飯久しぶりー」


アリスがとてもおいしそうに食べるので、ハルまで嬉しくなった。


「ハルはいつも、自分で作って食べてるの?」


「うーん、朝ごはんはいつも作ってるかな。でも、昼と夜は大抵食堂で食べてる。ほとんどの生徒は食堂でご飯食べてるし」


「そうなんだ。私、ここのご飯気に入っちゃった」


そんなことを話しているうちに、2人とも、夕食を、食べきってしまった。


「ごっそさん」


「ごちそうさまでした」


アリスはちょこんと、手を合わせていった。その姿が可愛らしかった。


「さて、部屋に戻るか。学園の案内はまた明日な」


「うん」


2人はそう言うと、お盆を片付けに行った。


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