グミグミグ、グミグミ
しりとりも終わり、バスは暇になりかけた頃、少女はお菓子を食べだした……
しりとりは惨敗に終わり、急激に吐き気が襲ってきた。
「はい、グミだよ」
「ありがとう」
謎の少女からグミを貰ったわけだが、これは、もしかして、世界一不味いと言われるグミではないか?
色もまるでタイヤのゴムみたいにどす黒い。
こんな時に食ったら確実に吐いてしまう。
しかし、俺を友達と認めた証にくれたのかもしれなかった。
普段なら、バスの中で飲食をしている時点で、切れたくなるレベルなのだ。
しかし、俺は今、食べなければならない状況まで来ている。
俺は黒い物体を口へ運んだ。
非常に弾力性があり、ほぼ、ゴムである。
「わはは、食べてるー」
耳を疑った。少女が発した言葉は、今まで散々俺を虐げて来た女子たちのそれであった!
冷静を取り戻すのに一呼吸おいた。
「お前、これ、本当にゴムなの?」
「ん?」
と間抜けな返事を見せてから、少女は黒いゴムを口に頬張っていた。
「んー、やっぱおいしい」
可笑しな話だ。これが美味しいわけがない。
「君ももう一ついる?」
少女はありえないことを言っている。
これは、どう断るべきか?
「んー、でも俺は他のが食べてみたいかな?」
「いーよー、はい」
そういって渡されたのは、芋虫だった。
いや、よく観察すると、芋虫ではなかった。
吐き気も収まってきたことだし、食べてみることにした。
……んーん、無駄に芋虫だ。中身からじゅるじゅると液体が溢れでる。
しかし、うまい、悔しい事にうまい。
「もうすぐトイレ休憩です」
そう、担任の緩そうな女の先生が告げた。
「あっ、それ本当に芋虫だよ。
「おい、こら」
もう限界だった。芋虫を美味しく感じた自分に。
急いで、トイレに急いだ。
何事もなかったようにバスへ戻ると、少女が慰めてくれた。
「しかし、なんで芋虫を?」
「清めの塩みたいなものかな?」
おいここで霊能者養成所要素絡めんなよ……
バスは、無事に?ホテルへ着いたのだった
今回もバス内の描写でした。漸く、次回、合宿編です。
プロットなしで行き当たりばったりなので、おち?を付けるべく、吐かせました。
因みに、本戸と少女以外、が登場しないのは、寝てたという事にしてください……