過去に飛ばされ3
透希:てめぇ、今すぐ小雪を離せ
蕾芽:何でこんなことするんだ?
婀弥:あんた誰なの?私らと関係あるの?
美樹:いいだろう、教えてやる。まずオレは、山沢美樹[やまざわびじゅ]。未来人だ
蕾芽:なに?
婀弥:いつの人間よっ?
美樹:まったく、婀弥さんは昔からよく質問してくる人だな
婀弥:ん?何で私を知ってるの?
蕾芽:答えろ
美樹:オレを倒したらな
蕾芽:なんだと?他人を勝手に時空へ飛ばしといて偉そうにするなっ
透希:婀弥、蕾芽、ここは戦うしかないみたいだ。売られた喧嘩は買うぜ
蕾芽:おう、お父さんは喧嘩の拳、オレたちは拳法で
婀弥:うん、やりましょ
親子3人対、未来人 美樹。3対1だが、内木親子は決して余裕の姿を見せない
透希:オラッ
蕾芽:ホワチャーッ
婀弥:イヤァーッ
透希が美樹の右腕に拳をぶちこんだ
透希:ぐあっ、何だ、こいつ腕に何か入れていやがる
蕾芽:あぁ、鋼鉄の鎧みたいな
婀弥:いったーいっ、体中が硬いよ
美樹:オレは、あんたら みたいに真っ向から飛びかかってくる時代の人じゃないんでね。ちゃんと防御してあるのさ
透希:くっ、美樹とか言ったな、お前が婀弥たちをこの時代に飛ばしたのか?なぜだ?一体 何がしたい?
美樹:いやー、大したことじゃないさ。ただ、婀弥さんは容伽さんが好きで、ライさんは小雪さんが好きだって言ってたから。自分らと同じくらいの年齢の時代へ行けば、恋でもするのかなー?なんて思ってな
婀弥:そんなことのために私らを?
美樹:歴史が変わればおもしろいだろ?けど、オレの思い通りにならなかった。だから、これから小雪を未来へ連れていく。そしてオレと、この小雪とで子孫を残すのだ
小雪:いや、いやよっ
透希:小雪っ。やめろ美樹
蕾芽:そうだぞ、小雪さんには手を出すな
美樹:んー、それなら
美樹は、小さなナイフを2本 地面に投げた
美樹:婀弥さん、ライさん、自殺しろ。そうしたらこの女を離す
婀弥:はっ
蕾芽:な、なに?
透希:てめぇ、本気で言ってるのか?こいつらは、オレの
美樹:娘と息子だろ?知ってるよ。けど大丈夫、2人 消えたってあと1人いるんだから。うるさい娘さんがねー
透希:婀弥、ライ、絶対そいつの言う通りにするなよ?
美樹:好きにすれば?けど、オレも好きにしちゃうよ?
美樹は、電流式の鞭のような物を持った。そいつで小雪を打った
バシッ、ジカッ、ズズズッ
小雪:うああああーっっ、ぐーっ
バチッ、ビカッ、パチパチッ
小雪:あぁぁぁんっ、あ、はぁ、はぁ
蕾芽:小雪さんっ
透希:姉ちゃんっ
美樹:へっ、けいれん しちゃってるけど、いいのー?
婀弥と蕾芽は、ナイフを手に持った
透希:やめろっ、お前ら、死ぬなよっ?
蕾芽:小雪さんが、苦しむとこ見たくないっ
蕾芽が泣きながら言う
婀弥:ねえ、私らが死んだら、2042年はどうなるの?
美樹:あんたらの存在はないことになる。だから、死ねば みんなの記憶にあんたらは無いぜ
婀弥:じゃあ、いいか
蕾芽:あぁ、悲しむ人もいないし
透希:おい、お前たち、やめろっ、そんなことしたらオレが許さないぞ?
ここで、小雪が口を開いた
小雪:あ、あやさん、らいが、くん。やめなさい、私が、未来へ行くから
蕾芽:え?
小雪:私が未来へ行けば、誰も死ぬことはないんでしょ?それなら、私が行くから
透希:お、お姉ちゃん
美樹:ふん、決まりだな。小雪さん自ら未来へ行く決心をしたぞ、ははは
透希:ま、待て、待ってくれ
小雪は拘束されたまま美樹と未来へ飛び立ってしまった
蕾芽:はぁ、小雪さんっ
婀弥:うっ、うう
透希:うわぁーっ、こゆきーっ
3人が声を出して泣いていると、再び美樹が現れた
美樹:ぬわあーっ
バゴッ
美樹は、何者かに殴り飛ばされたようだ
小雪:とーきーっ
透希:はっ、姉ちゃんっ
小雪は助かった
美樹:ちくしょう、見つかってしまったか
蕾芽:な、なんだ?
婀弥:ん?あの人がやったの?
そこには、拳法の構えをした40代くらいの女性がいた。
透希:あの鋼鉄を飛ばしたのか?しかも素手で
蕾芽:一体 何者だ?
美樹:ぐっ
美樹は、地面に落ちてたナイフを拾い、女性目掛けて 刺そうとした
婀弥:危ないっ
だが女性は余裕で避け、そしてホチャーッと美樹を軽く地面に蹴りつけた
美樹:ううっ
蕾芽:なぁ、婀弥ネェ、あの人 誰かに似た動きしてるよね?
婀弥:うん。あの動き、あの掛け声
美樹:ふっ、そうさ、この人は あんたらの姉弟、内木釵惠だっ。そしてオレの母親さ
婀弥:えーっ?
蕾芽:釵惠ネェっ?
釵惠:ちっ、ネタバレかい、バカ息子がっ
小雪:んー?
透希:さえ?
釵惠:まったく、他の時代の人にも迷惑かけて、お前はもう記憶消去正所へ連れていくからね
美樹:えっ、そこはイヤだ、時空間移動の仕方が素人レベルになっちまうっ
釵惠:悪用した罰よ。美樹も、蘭[ラン]くんと好子[ヨシ]くんみたいに いい使い方するならいいけど、そうじゃないでしょ?小雪の祖母ちゃんを誘拐して、婀弥さんとライさんまで殺そうとしてっ
釵惠は美樹の背中を強く踏みつけた。それによって、鋼鉄の鎧が壊れた
美樹:ぐあっ、もっと強い鎧を作らねば
釵惠:そんな物より、拳法で自分の身を守れ
美樹:嫌だね、オレは武術なんかより科学で自分を強くする
釵惠:勝手にしろっ
ドンッ
美樹:ふあっ、あっ
釵惠が美樹を気絶させた
釵惠:本当に、私の息子が迷惑かけましたっ
透希:いや、ありがとうな
小雪:ありがとう、釵惠さん
釵惠:いいえ、小雪さん、お父さん
婀弥と蕾芽が無言のまま未来の釵惠を見る
釵惠:ネェさん、蕾芽
婀弥:本当に、釵惠なんだね
蕾芽:ネェちゃん苦労してんだな
釵惠:うん、私の子も あなたたちの息子みたいになってくれればいいのに
婀弥:私にも息子がいるの?
蕾芽:オレにもか?
未来では婀弥、釵惠、蕾芽、3人とも1児の親になるという
蕾芽:そうなんだな
透希:そうか、じゃあそこにいる美樹は、オレの孫なのか
釵惠:そう。18になってもバカな男よ
小雪:あら、私と同じなんだ
釵惠がうなずいてから言った
釵惠:さて、ネェさん、蕾芽、元の時代に帰ろうか
蕾芽:よし
婀弥:うん
2015年の沙麻李亜から、2042年の金多楼へ帰る
釵惠:じゃあ行くよ
透希:待って。3人とも、もう一度よく顔を見せてくれ
釵惠:お父さん、そんなことしても、いや、何でもない
親子4人、よく見つめあう
透希:婀弥、まだ20代なんだから、体を大事にしろよ?タバコ吸いすぎ注意な?
婀弥:はい、お父さん
透希:釵惠、苦労も多いだろうが、孫を頼むぞ?お前はオレの娘なんだからできるよな?
釵惠:大丈夫よ、お父さん
透希:蕾芽、お前はオレにとって最高の息子であり、ダチだ。元の時代でも、家族みんなを大事にな。
蕾芽:おう、お父さん
17歳の父が21歳の娘、40代の娘、高校生の息子に過去からのメッセージを伝えた。
そして、2024年に到着
婀弥:あー、帰ってきたんだ
蕾芽:帰ってきちゃったね
帰宅
蕾芽:みんなに何て言う?
婀弥:さーね、信じてくれるか分かんないけど
釵惠:おかえり、雪 降ってたアルか?
蕾芽:いや、降ってないぜ、それより
みんなに話した
蕾芽:本当だってば、過去に行ったんだよ
婀弥:そうそう、沙麻李亜に
雪蘭:そうか、それはおもしろい話しだね
婀弥:本当だって
透希:お父さんの高校時代かー
釵惠:私の息子がそんな悪いやつなんて、絶対イヤ
蕾芽:そういえば、未来の釵惠ネェはしゃべり方 普通だったな
いろいろ話して、次の日
蕾芽:あー、今日も寒いな
透希:また出掛けるのか?
蕾芽:そう。今日はネックレスどれにしようかな?
透希:あれ?これお父さんのじゃないか?
蕾芽:え、そうだっけ
透希:そうだよ、お父さんが蕾芽ぐらいの時に小雪さんにもらったやつだ。知らない間に蕾芽にあげてたんだな
蕾芽:本当?いつもらったんだろう。まぁいいや、行ってくる
蕾芽は出掛けた
釵惠:ネェちゃん、昼から酒 飲んじゃって
婀弥:うまいよ
釵惠:昨日も飲んでたっけ?
婀弥:昨日のことなんて覚えてないよ、記憶が吹っ飛んじまった
婀弥と蕾芽は、過去へ行った時のことを忘れた。これは、未来の釵惠が施したものだった
釵惠:過去の人間と未来の人間が対面することは、基本的にはご法度。それだけで歴史が変わるから。過去に行った人間が時空間移動で現代に戻ったり、または現代から未来人が元の時代に帰った後には必ず それと接触した者の中からその記憶は消える。自動でそうなる。全ては歴史を変えないため。
記憶は消えても、時空間を移動した証拠は残る
蕾芽:本当に、いつもらったんだろうな?このネックレス




