髪は女の武器
婀弥:・・・
婀弥がいつも通り、制服を着たまま あぐらで座りながら携帯をかまっている
蕾芽:うわっ、おいアヤ
婀弥:なんだよ?
蕾芽:キモい
婀弥:はぁー?いきなり何を言い出すんだ貴様っ
蕾芽:本当にキモいもん、釵惠ちゃんを見習えや
婀弥:釵惠いないじゃん
蕾芽:あれ?さっきまでいたのに。婀弥ネェちゃんも部屋着 着なよ、それなら あぐらで座ってもいいからさー
婀弥:だまっとけや、うるせーなっ。次しゃべったら釵惠に殴ってもらうから
蕾芽:イヤだ
婀弥:あっ、しゃべったな?
蕾芽:いやいや、今のは違うだろ?
婀弥:しゃべるな言うたやろ?サエー
蕾芽:おいっ、やめろってー
釵惠:呼んだ?
蕾芽:呼んでない呼んでないっ、用ないから
婀弥:このバカを殴って
釵惠:よーし
蕾芽:やめろってマジで
釵惠:まぁ殴らないけど。もう、ライガ何したの?
婀弥:うぜーもん こいつ
釵惠:ほっときゃいいでしょ?お互いに
そう言いながら釵惠が髪をほどいて、頭を左右に振った
フォンッ
蕾芽:痛いっ、おいサエっ、髪が当たったわっ
釵惠:あらごめんねー
婀弥:そうか、その手があった。私もやろう
婀弥も髪をほどき
パシッ
蕾芽:痛ぇよバカ、やめろお前も
婀弥:え、痛い?
蕾芽:痛くないけど、うっとうしい
釵惠:やられる側はうっとうしいよね?
蕾芽:分かってるならやるなやっ。ちっ、もういい
母の方へ逃げる。だが母も髪をほどいた
ファンッ
蕾芽:うぎっ。痛い、うぅ、もうやだあ
雪蘭:お、蕾芽どうした?ごめん、痛かった?泣いてんのか?
蕾芽:もーっ、うっとうしい
雪蘭:お母さん わざとやったんじゃないからね?
蕾芽:うん、分かってるけど。
釵惠:ライガ、もうやらないから
蕾芽:本当に?
振り向いた瞬間またやられた
釵惠:はははは
婀弥:ナイス釵惠
蕾芽:ちっ、お前らマジでキレるぞ?
雪蘭:婀弥っ、釵惠っ、もうやめなさいよ?人が嫌がることをしないのっ
婀弥:はーい
釵惠:ごめーんね
蕾芽:あー、本当にっ
透希:蕾芽
蕾芽:あ?
透希:気持ち分かるぞ、お父さんも子供の頃姉にいじられたから
蕾芽:お父さんのお姉さんに?小雪さんにか
透希:そうそう。小雪さんにはよく いじられたぞ。でも、紅麻さんが助けてくれたから良かったけど
蕾芽:そうだよね、お父さんは そうやってかばってくれる兄貴がいたからいいよね?オレには意地悪な姉が2人だから、シンデレラの男版かよって
釵惠:誰が意地悪な姉だ?
婀弥:お前 蹴るぞ?
透希:こらー、ダメだぞっ?
蕾芽:ほら、今やるとお父さんに怒られるぞー?無力な貴様らには何も出来まいっ
透希:蕾芽もそうやって お姉ちゃんたちを挑発にのせないっ
婀弥:まぁ乗らないけどね、そんなガキ相手にこっちも本気にならんし
蕾芽:あーっ?
透希:はい、終わり終わり。ケンカしないよ?
蕾芽:くそっ、おめぇらは
透希:そこでもう何も言わないっ
蕾芽:はい
婀弥:ふんっ、風呂 入ってくる
透希:全く、仲良くしなさいよ?
蕾芽:うん。つーか、釵惠ちゃんっ
釵惠:あ?
蕾芽:あんたが最初に髪でバーンってやるから悪いんだぞ?
釵惠:悪かったよ、謝るからさー
蕾芽:よろしいっ