姉には勝てない
土曜日。婀弥、釵惠、蕾芽が家にたまった段ボールを片付けている。
蕾芽:まだあるかい?
婀弥:たくさんあるよ
釵惠:もう、いやになるわ
潰して、重ねて、縛っての繰り返し
釵惠:何でこんな大量にあるわけ?
蕾芽:そりゃ、お母さんがエコバック持たずに買い物 行くからだよ。全部 段ボールに入れて持ってくるもん
婀弥:袋を5円で買うこともしないし
蕾芽:だからオレたちが段ボール処理してんだよな
釵惠:こんだけ段ボールがある家って私らの家だけだヨ
婀弥:絶対そうだよ
蕾芽:疲れるぜ
3人が疲れてる時、蕾芽が持ってる段ボールが床に こすれてブゥッと変な音が鳴った
婀弥:うわっ、蕾芽が屁こいた
蕾芽:違うわっ
釵惠:もう何してんの?
蕾芽:段ボールの音だろ今のはっ
婀弥:聞いちゃったー、蕾芽のおなら
釵惠:ははは、めっちゃ聞こえたヨ
蕾芽:おめぇら、調子こくなよ?
釵惠:調子こくなよ?って、お前 屁こいて何 言ってんの?
蕾芽:してないって言ってるだろー?
婀弥:くっさ、あんまり動かないで
蕾芽:あやーっ
釵惠:ちょっ、においが舞うから
蕾芽:さえっ、てめぇもか?
冗談はここまでにして
蕾芽:まったく、無駄な体力 使っちまったよ
婀弥:うっふふふ、おもしろい
蕾芽:笑ってんじゃねーっ、言い出しっぺ お前だろが婀弥
釵惠:言い出しっぺ。すかしっ屁じゃなくてよかったアル
蕾芽:お前、まだ言うか?
婀弥:口 動かさんと、手 動かせバカタレ
蕾芽:くっーっ
釵惠:ほれ、力むと本当に出ちゃうヨ?
蕾芽:うるさーい。また段ボールが鳴ったら今度は釵惠ネェが屁したことにしてやるっ
釵惠:もう、いいから早く片付けなさいヨ。下らんことで騒ぐなって
蕾芽:う、うー、うっとうしい。本当に、何だよ こいつらボケっ
婀弥:早くやれ
蕾芽:こーのアマ、今に見とれよ
潰した段ボールを婀弥が縛る。段ボールを足で踏みながら縛ると、尻が突き上がる。潰す前の段ボールで、そこを狙い打つ
蕾芽:オラっ
バコッ
婀弥:痛いっ、お前、段ボールの角でっ
釵惠:あーあ、大丈夫かい?お尻
蕾芽:はー、スカッとしたぜ
婀弥:痛いわー、何のお仕置きだこれは?
蕾芽:分かるだろ?
婀弥:釵惠にもやれよ
釵惠が蕾芽をにらむ
蕾芽:い、いや、釵惠ちゃんは怒ると怖いからやらない
釵惠:よろしい
婀弥:何だよ、じゃあ私は怖くないのかよ?
蕾芽:うん、釵惠ちゃんほど力 無いし
婀弥:ふーん
と言いながら婀弥が背後から蕾芽に近づいた。左手で首の後をつかみ、右手で太ももをつねり、右足で蕾芽の足先を踏む
蕾芽:ぐえーっ、痛い痛い、いろんなとこが痛い
婀弥:釵惠ほど力 無いから大丈夫でしょ?
蕾芽:いやいやいや、痛い、本当に痛い、泣く泣く、ごめんなさーい
婀弥:ふぅ、スカッとした
蕾芽:ひどいな、5つ下の弟 相手に。専門学生が中学生を
釵惠:あらら、首 赤いヨ
蕾芽:いったー、太ももが痛い。もう、これから釵惠ちゃんと仲良くしよっ。婀弥ちゃん怖い
婀弥:おっ、言ったな、私が怖いって
蕾芽:はい、恐ろしいです。なめてました
話しながら、段ボールが片付いた。
釵惠:やっと片付いた
婀弥:無駄に疲れた
蕾芽:お前のせいだよ
婀弥:てめぇ、おネェに向かって お前とは何だ?
釵惠:お前はよくないヨ?あと、おネェちゃんを呼び捨てで呼ぶのも
蕾芽:ごめんごめん
やっぱり姉には勝てないと蕾芽は改めて思った。無駄な体力を使ったことには違いないが、楽しかったと3人は感じていた。




