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うんこ

ダンサー・イン・ザ・ダーク

作者: 催吐剤

 不幸な事故で盲目となった天才ダンサーがいた。

 塞ぎ込み、生きる希望を失っていた彼女に手を差し伸べる男がいた。

 男はもう一度、彼女に舞台で踊って欲しいのだと説明した。

 当然、彼女は断ったが、男はしつこかった。

「どうしても君のダンスが見たいんだ」

 男の情熱的な言葉に折れ、彼女は再び舞台に上がることを決意した。

 壮絶な練習を積み重ね、ついに本番を迎える。

 本番当日。

 暗闇の中にいる彼女は知らない。

 かつての彼女のライバルや、彼女が凡人だと嘲笑い、見下していた者たちが舞台上の彼女を指差し笑っていることを。

「見ろよ、なんて酷いざまだ!」

 だが、観客たちの笑い声は鳴り響く音楽に掻き消され、彼女の耳に届くことはない。

 彼女は暗闇の中で踊る。素晴らしい出来だ、と彼女は思う。

 舞台袖には「ドッキリ」と書かれたプラカードを持ち、ヘルメットを被った男が待機していることを彼女は知らない。

 かつての勘を取り戻した彼女は夢中で踊り狂う。

 仕掛人たちは彼女に早く打ち明けたいという気持ちを抑え、ダンスを見守る。

 終盤に差し掛かったとき、悲劇が起きた。彼女が舞台から落ち、首の骨を折って死んだのだ。

 こうして全てが台無しになったが、彼女の死に顔は幸福に見えた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 発想がすごいです。面白い。 [気になる点] 描写が少ないような…… そのせいか、展開が早く感じられるのが惜しい気がします。 [一言] 残酷だけれど、その中に美しさがありました。
2011/01/05 18:25 退会済み
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