どんな小説を読みに来ましたか?私が案内します。あなたですよあなた。
この作品は会話メインの小説です。「……」は読者の言葉を入れる想定で書いています。
この物語は一人の司書を描いた作品です。
場面は滅多に人が来ない魔法大図書館と言われる場所。一人そこで司書をやっている少女の日常を描いた物語。
これは世界に一冊のこれまで誰にも読まれた中身のない物語。
『この本読みますか?』
桃色髪の少女が一冊の本を見せている。
「……」
『あぁそうですか……まあ別に興味がないのならいいですよ。でも小説を読みに来たのですよね……あなたはそれなのに読まないのですか』
『私はこの作者とは会ったことありますけど、嘆いてましたよ作品が読まれないって』
「……」
『まぁ、私はそいつに向かって、そもそもお前が悪いと言ってやりましたよ。面白くないし、作品は完結しないし、妄想だらけの一人よがりの小説だと。するといつかランキングに乗るんだって意味の分からないことを言い始めたのです。意味わかりませんよね?』
「……」
『あれ分かるんですか。まあ彼も頑張っているようですし……』
「……」
『あら読む気になりましたか、じゃあ進んでいきましょう』
ここは魔法大図書館と呼ばれる場所。
たくさんの小説があり、エルフの人生でも読み切れないというほど。天井は二〇メートルはあり、見渡せば何処にも本がある。
桃色髪の少女の名は誰にも教えてくれない。ただ来る全ての人には司書さんと呼ばれているよう。
『小説は好きですか?、いや好きに決まっていますよね。こんな場所に来ているのですから』
ここは魔法大図書館という名の場であるが、中は寂しく人は他にはいない。
「……」
『では、質問を変えましょう。好きな小説は何ですか?』
「……」
『それ私も読んだことありますよ。それは確かここら辺にあったはずです。待ってください……あっ!!あった、読みます?』
『おっと、これは獣族語版でした』
突き出された本には人間語ではない言葉が書いてある。
司書さんは楽しそうに笑っている。
「……」
『……今のは笑うところですよ』
と頬を膨らませ、そっぽを向いていた。
『ところで、あなたは同じ作品は何度も読みますか?』
『私は読まないのですよね。まだ読んでいないがここにもたくさんあるんでね。私も好きな作品があるのです。その作品もまだ完読できていないんですよ。何年も前に完結したというのに……』
司書さんは本棚の同じ視線にあるあたりの小説を眺めている。
「……」
『やっぱり、あなたはそんな風に見えましたよ』
『まぁ時間があれば私も読みたいのですけどね』
「……」
『そうですね。あなたは何をしにきたんですか?』
「……」
『そうではないです。どんな作品を読みたいんですか?』
『好きなジャンルを教えてください』
「……」
『そんな作品あるかな……』
『あるなら、ここら辺じゃないかな』
『これはどう?、有名なタイトルだから知っていると思うけど』
「……」
『あっ、好きなのはこれなのか。じゃ、どうしよっかな』
「……」
『なんてことを言うんですか。……私はここの司書ですよ。私とあなたは違うのですよ。私は本が好きなのです』
『あたなより何千倍も本に詳しいんですから』
『……何か語り合いましょうか』
「……」
『その作品ですか。面白いですよね。主人公も何ですが、やはりヒロインが好きですかね』
「……」
『あなたもそうですか……』
「……」
『確かに想像以上に時間が経っていました』
扉の上の方に掛けてある大きな時計を司書さんは見つめている。
「…….」
『そう、帰るのですか。ではまた読みにきてくださいね。私はいつでもここで待っていますよ。』
読みにくいと思いますが、どうでしたか。会話部分の何個かは恋愛ものにして、別の見方も出来るようにしたつもりですが、分かりにくかったかもしれません。




