始まりの時
申し訳ありません個人的な理由で長い間書けませんでした。
城の一室、蒼白い髪の男が椅子に座り書類の様なものを書いている。そんな時扉を叩く音が数回部屋の中に響く。
「はい、どうぞ。」
蒼白い髪の男がそう言うとゆっくり扉が開き、一人の兵士が入ってきた。手を胸に当て言った。
「報告。東方の国にて第一側近と思われる人物を発見。どうやら人を探している模様であります。」
それを聞いた男の紅い目が変わった。
「そうですか。遂に見つけましたか。」
男は悲しそうな顔で地図を広げ、東の国にナイフを刺した。
「至急参謀総局、帝国中央軍に通達。偵察隊及び討伐隊を直ちに編成。今日の夕刻各隊は王城の広間へ集合!」
男が強い口調でそう言うと兵士が再び胸に手を当て一礼し、部屋を出て行った。
「ジュティン。貴方はもう逃げられない。もっと貴方とチェスがしたかった…。」
「いきなり何?」
カリュスが聞くとジュティンが起きたばかりのドラゴンをなだめながら答えた。
「ここでは言えない。とりあえず君の家で話そう。ほら、乗って。」
ジュティンはドラゴンに乗り手を差し出した。ドラゴンの方はまだ眠そうだった。
ジュティンはカリュスに鞍を譲りドラゴンの首に乗った。
近くから初めてわかるドラゴンの鱗の色。鱗一つ一つに溝があり、そこは黒かった。重い風切り音を響かせながら飛び立った。
森の中のカリュスの家に着くとジュティンはドラゴンを撫でながら家の扉へ歩いて行った。すぐにカリュスが扉を開け部屋の椅子を出そうとした。
「いや、いいよ。このまま話そう。」
カリュスは頷き椅子を元に戻した。ジュティンが壁にもたれ話し始めた。
「さっきはごめんねいきなりあんなこと言って。さて、カリュス。僕が君を探していたのは中央帝国の皇帝を止めて欲しいからだ。」
カリュスの頭は更に混乱してしまった。あの中央帝国の皇帝を止めろ。この言葉が彼の胸に突き刺さり、捻れながら食い込んだ。それでも何とかジュティンの話を聞いた。
「このままでは世界を滅ぼしかねない事になる。それを君に阻止して欲しい。」
カリュスが聞いた。
「滅ぼすって何が?」
ジュティンが頭を掻きながらゆっくり答えた。
「あの皇帝は古の魔獣を蘇らせようとしている。昔、7の守護神と2の神によって封印した魔物の封印を解こうとしている。それを阻止するためには君の力が必要だ。」
真剣な眼差しで言った。話が終わると家の外に居るドラゴンが唸りだした。