ただの雑用司書の私が、なぜか宮廷魔法使いに見初められました。え、一度見た本の内容って死ぬまで忘れませんよね?
「そうか、まだ戻ってないのか……」
「申し訳ありません。返却予定日ではありましたが、どうやら遅れていらっしゃるみたいで」
私、ライラは王都の小さな図書館で働いている。
幼い頃から本が好きだった私にとっては、まさに天職だ。
しかし、だからこそ感情移入してしまって、悲しいこともある。
たとえば今、肩をがっくり落としている(実際はそんなことないけれど)方は、宮廷魔法使いであられるヴィダリア・レグリス様。
高身長、切れ長の目、短い黒髪。
厳格そうに見える上に騎士のような立ち振る舞いだが、名門貴族で高位魔法で有名になったお方だ。
平民の私なんかじゃ普段お話することもできない立場なのだが、よくこうやっていらっしゃる。
王宮にも図書室はあるらしいが、あまり融通が利かないらしく、借りるだけで一苦労するとか。
史実や歴史本はあるらしいが、ヴィダリア様は意外にも創作を好む(戦闘はお腹いっぱい、らしい)。なので、こうやって足を運んでいると前におっしゃっていた。
だが残念ながら、ヴィダリア様が読みたかった『ベルデアシリアの冒険記録第三巻(ベストセラー100万部突破)』がなかったのだ。
今日返却予定日だったのだが、来なかった。
小さな図書室なので特に強い罰則もなく、数日遅れで返す人は多い。
普通なら少し待てばいいのだが、ヴィダリア様のように忙しい人はなかなか予定通りに来ることはできない。
本来、取り置きや事前予約は厳禁なのだが――。
「――あの、ヴィダリア様」
「なんだ?」
「え、ええと、ちょっとこちらへ」
そして私は、囁くように名前を呼び、少し離れた場所で声をかけた。
「返却に来られた際、特別に取り置きしておきます。次はいつ頃来られそうですか?」
「それは……嬉しいが、ダメだ」
「どうしてです?」
「私は模範となるべき立場にある。規約を破るのはな。――だが気持ちは嬉しかった。ありがとう」
「そうですか……」
本が好きな人は、私にとって凄く尊い人だ。
特にヴィダリア様のようにお忙しくとも楽しんでおられる方は、応援してあげたい。
本の購入も勧めたのだが、一度、家に本がありすぎて没頭しすぎてしまった為に自粛しているという。
……ならば。
「でしたら、戻ってきたら私がレンタルします。直接お伺いしますから、私がいる時にお読みいただいてはどうですか?
確か、ヴィダリア様はお読みになるのが早いですよね」
「そんな……それでは、君の時間がもったいないだろう」
「そんなことありませんよ。それに私は、ヴィダリア様が本がお好きなのが嬉しいですから」
私の提案に、ヴィダリア様は少し悩んだ後、お願いしたいと言ってきた。
ああ、やっぱり本が好きなんだな。
「数日後だと思いますので、ええと場所はどうしましょうか? カフェとか公園にしますか?」
「いや、できればゆっくり読みたいな。私の家でも大丈夫だろうか? といっても王宮の一つの部屋を間借りさせてもらっているだけだが」
「え、部屋ですか?」
私が少し驚いた顔をしたことで、ヴィダリア様は気づいたらしく、思わずあああっと焦りはじめる。
それが、とてもかわいかった。
「す、すまない!? そういう意味では!?」
「あ、いえ違いますよ!? 王宮に入っていいものかと……すみません」
「ああ、それなら問題ない。私の許可さえあれば誰でも出入りができる。だが抵抗があるなら――」
「いえ! 私、一度、王宮にいってみたかったんです。――でしたらそうですね。良ければ、少し城を案内してもらえませんか?」
私の大胆な言葉に、ヴィダリア様は笑った。
「もちろん構わないよ。ありがとう。それじゃあ数日後かな。門兵には伝えておく」
「はいわかりました。それでは」
王宮に入れるなんて、夢みたいだ。
今日はいい日だった。
自宅に戻ると、義理の父親が既に帰宅していた。
「ライラ、遅かったな」
「いつも通りですよ」
彼の名前はアルバトス。
母親と再婚し、私の父親になったのだが、数年前、母は病気でなくなった。
今は私の保護者をしてもらっているのだが、本性を現すかのように仕事はほとんどせず、挙句の果てに酒浸り。
むしろ、私が世話をしているくらいだ。
しかし父親の立場である彼がいないと私はこの王都を離れることになる。
まだ成人もしていない私が、この家の契約主にはなれないからだ。
「酒が切れた。ライラ」
「もう、こんな遅くですよ。明日――」
「いいから黙ってかってこい!」
突然、私に空瓶を投げつける。
狙ってはないといっているが、昔、一度当たったことがある。
その時の腕の傷は、まだ残っていた。
大好きな本の仕事もあるから私はまだ耐えられる。
成人したら、すぐにでも1人で家を借りる予定だ。
外に出て、寒空の下、空を眺める。
「でもなんか、主人公みたいだよね」
そうやって、私はいつも自分を慰めていた。
◇
「ダメだ。帰りな」
「え、ど、どういうことですか?」
「お前みたいな平民が会えるわけがないだろう。そんな嘘、見え透いてる。どうせ、何か頼みたいだけだろう」
数日後、本を持って王宮に向かったのだが、予想外の出来事、門兵に突き返されてしまう。
隣の兵士さんは申し訳なさそうにしているが、対応してくれた方は聞く耳を持ってくれない。
「まあそういうなよ。確認とってみたほうがいいだろ」
「どうせ嘘だ。前も同じような物乞いがいたんだ。それにヴィダリア様が、相手するわけないだろ」
「まあそうかもな」
悔しかった。だけどあまりにしつこくすると、ヴィダリア様に迷惑がかかるかもしれない。
そういって、私は帰ることにした。
粗暴な態度を取られても、私は構わない。けれども、ヴィダリア様が読みたがっていた本を渡せないことが、悲しかった。
はあとため息を吐き、そのまま戻っていると、後ろから誰かが叫んだ。
「ライラ!」
振り返ると、無我夢中で走っていたのはヴィダリア様だった。
私の近くまでたどり着くと、少し息を整えて――頭を下げた。
「すまない。引継ぎがうまくできていなかったらしい。申し訳ない」
「え、ええ、そ、そんな頭をあげてください!?」
驚きのあまり固まってしまったが、すぐに顔をあげてもらう。
咄嗟に掴んだ肩は、とてもがっしりしていて、こんなときだが、男らしく思えた。
「大丈夫ですよ。私は」
「私の落ち度だ」
最近は他国で戦争が勃発し、外交も大変だと聞いている。
それを言い訳にすることもなくただの私に頭を下げる彼を見て、私は微笑んだ。
門兵の人は戻ったらいなかった。
どうなったのか尋ねてみたが、少し注意してもらうだけさ、と笑っていた。
正直、ちょっとだけスカっとした。
それよりも――。
「凄いですね」
「ああ、私も初めて間近で見たときは驚いたよ。綺麗だよな」
城の近くまでいって門を間近で見ると、やはりその大きさにびっくりした。
本の中では何度も見たが、実際に近くで見ると感慨深い。
ふふふ、今後、本を見るのがより楽しくなりそう。
「ライラ、そのあたりは段差があるから気を付けてくれ」
「え、あ、ありがとうございます」
するとヴィダリア様は、紳士なふるまいで私の手を掴んだ。
段差のことが、ちょっとだけ好きになったかもしれない。
そのまま来客者でも見られるという場所を案内してくれた。
どれもスケールが大きく、街が小さく見えて新鮮だった。
その後、ヴィダリア様の部屋に通された。
カギはかけないから、という最後の一言があまりにもおかしくて、私はつい笑ってしまう。
「心配しすぎですよ。私、ヴィダリア様のことを信用してますから」
「そうか。ありがとう」
「いえいえ、――あ、こちら本です。一応、夜まで時間をとっていますので、私もこのあたりで本をよんでいていいですか?」
「もちろん構わない。自由にしていてくれ。後で飲み物と軽食を用意させるよ」
「ふふふ、至れり尽くせりですね」
そのまま私たちは、各々、読みたい本を読み始めた。
途中で頂いたクッキーやコーヒーが美味しくて、ついつい手が伸びてしまう。
そのとき、ふと我に返る。
非日常というか、なんというか。
更に時間が経過、外は既に暗く、ヴィダリア様に声をかけようとしたが、その横顔はとても真剣で、そして笑顔だった。
私もあの本は読んだことがある。残りのページ数を考えると、今とても良いシーンだろう。
……もう少し、楽しんでもらおう。
――――
――
―
「いや……最高だった」
「ふふふ、いいですよね。私も感動しました」
読み終わったヴィダリア様は、少しだけ余韻に浸った後、笑顔で私に声をかけてきた。
「あの展開、まさかああなるとはな」
「わかります。驚きますよね」
「ああ、何と言ってもやはりその、この筆者は人の心を揺さぶるものがある」
「はい、わかります」
それから私たちは、本の内容を話し合った。
しかしタイミングがなく、私は少し強引に話を入れ込む。
「ええと、ヴィダリア様、そろそろ帰りますね」
「え? あ、ああああ!? す、すまない!? すっかり忘れていた」
「大丈夫です。私も楽しかったので気づきませんでしたから」
「家まで送ろう。確か、ロードストリートだろう」
「え、大丈夫ですよ!?」
「気にするな。それに、街の平和を守るのは、俺の仕事でもある」
「ふふふ、ではお願いします」
私に気を遣わせないようにいってくれたのだろう。
あれでも、私、いつ家の場所言ったっけ……?
まあいいか。
「ここでいいですよ。ありがとうございます」
「そうか。ありがとう。また本を借りにいかせてもらうよ。少し先になるかもしれないが」
「はい。お待ちしております」
今日は楽しかった。
そして私が扉を開け、家の中に入った途端、アルバトスから酒瓶を投げつけられた。
幸いあたることはなかったが、随分と酔っているらしい。
「おめェ! おせえじゃねえかよ!」
「……ごめんなさい。食事を用意しま――」
「今から飯なんて食えるかよ! 何してたんだ?」
「……少し友人とお話を」
「ああ、なんだ男か? ったく、色気づきやがってよ」
その言い方、その口調、無性に腹が立つ。
今日の幸せな気分が全て消えてしまいそうだ。
「ったく、お前の母親と結婚したのが間違いだぜ。こんな邪魔な娘を押し付けられてよ」
その言葉に、私は――我慢の限界を超えた。
「私のことはいい。お母さんの悪口は許さない」
「ああん? てめェ誰に向かって口きいてんだよ!」
そしてふたたび、酒瓶が私に向かって投げられた。
それはぐんぐんと顔に向かってくる。
思わず目を瞑る。
しかし、音がしない。
おそるおそる目を開けてみると、驚いたことに、酒瓶は空中で止まっていた。
「これは……」
「ライラ、大丈夫か?」
すると、後ろから肩を支えてくれたのは、ヴィダリア様だった。
「ど、どうして」
「声が聞こえた。無理やり入るかどうか悩んだんだが、悪いな」
「い、いえ!?」
「なんだてめぇ?」
アルバトスは相当酔っているらしく、宮廷魔法使いであるヴィダリア様に気づいていない。
その態度は明らかに不敬で、それだけでも牢獄に入れられるだろう。
「女性に手を上げるなんて、最低なことだ」
「ああ、うるせえな!」
「今日は良い日だった。これ以上、上書きされちゃたまらない。――いこうライラ」
「え――」
そう言って、私は連れ出された。
そのままアルバトスが追いかけて来るも、ヴィダリア様は、なんと空を飛んだ。
夜空が綺麗で、星が近く見える。
まるで、まるで――。
「綺麗だろう」
「はい、まるで、本の中にいるみたいです」
「きっかけはそうなんだ」
「え?」
「昔から本が好きでね。主人公みたいになりたくて、魔法を覚えたんだ」
「そうだったんですか」
ヴィダリア様の気持ちがよくわかる。私も考えたことがあるからだ。
そして私は、事情を少しだけ話した。
彼はしっかりと頷いて、それで、「そうか」と一言だけいってくれた。
その言葉に、色々な優しさが詰まっていた。
「このまままた城へ向かおう。彼に酔いを醒ましてもらわないといけないな。それに、無理やり連れだしてすまない」
「いえ、ありがたいです。でも、流石にまたお部屋に行くなんて――」
「俺がそうしたいんだ。いいだろ」
「……わかりました」
ふたたび部屋に戻った後、ヴィダリア様はベッドを貸してくださり、そのまま別の部屋もあるので貸してくださるという。
「本当にすみません、何から何まで」
「大丈夫だ。おやすみ、ライラ」
「はい、おやすみなさい、ヴィダリア様」
静かに横になり、ベッドから小窓を眺める。
まるで、主人公になった気分だ。
そして、ちょっとだけいつもとは違う男性特有の香りがした。
ヴィダリア様――って、ダメダメだ。
「変態になっちゃう。おやすみ、私」
そう言って自粛して、眠った。
翌朝、部屋で髪だけを整えて待っていると、外が慌ただしかった。
何だろうと思っていると、ヴィダリア様が血相を変えて入ってきた。
開口一番――。
「ライラ、来てくれ!」
「え、えええ!?」
またもや、手を引かれてしまった。
連れていかれた先は、王宮の図書室だった。
驚いた。まさか生涯で入ることがあるだなんて。
しかしその一部がなんと、水浸しになっていた。
「これは……」
「魔法使いの訓練で事故があったんだ。窓から突き破ったらしい」
なるほど、確かにこれは凄まじいことになっている。
古い本はそれだけ破れやすく、水は天敵だ。
「そしてそのタイトルなんだが――」
「――これ、ミアアリアの兵法ですね。幼い頃、読んだことがあります」
「わかるのか?」
「はい。懐かしいですね」
私は本が好きで、それこそ何でも読む。
王都に卸す本もたまに経由されるので、検品の為に読むこともあった。
「良かった……。実は本のタイトルが知りたかったんだ。これで、取り寄せることができる」
「残念ですが……これはとても希少価値の高いものです。おそらく非常に難しいかと。あ、でも私は覚えてますので、良ければ書き写しましょうか?」
「……そんなことが、できるのか?」
「はい」
私は、一度見た本の内容を決して忘れない。
これはいわゆる魔法能力に相当するものらしい。といっても、あまり使い道はないが。
「このページまでならお昼までには終わりますよ。差し替えの技術はありませんので、他はお願いすることになります」
「それはこっちで何とかする。悪いが、お願いできないか?」
「はい、一宿一飯の恩がありますから」
そう言って笑うと、ヴィダリア様も釣られて笑ってくれた。
お昼、書き終えてヴィダリア様に渡すと、大変喜んでくれた。
良かった。少しは役に立てた。
「もっとここにいても構わないんだが」
「それはできませんので」
仕事もあるので私は帰ることにした。
アルバトスは酔っていたので記憶もほとんどないだろう。ああいうのは、たまにある。
そのまま仕事へ向かったが、なんと職員からとんでもないことをいわれる。
「どういうことですか?」
「朝早くにアルバトスが来て、やめさせろって」
「な、なんでそんな」
「保護権利は知ってるでしょ? 数年前から決まった法律で。だから、今日はひとまず」
「私の仕事です。アルバトスは関係ありません!」
「それでも……」
あいつは、私から大好きな仕事を奪った。
その夜、私はアルバトスの帰りを待った。
戻って来た瞬間、怒鳴りつける。
「なんてことをしてくれたの」
「うるせえ、てめえ俺を虚仮にしやがって。なんだあ、聞けばあいつ、宮廷魔法使いなんだろ? こそこそしやがって。どうせこの国に仕事はねえ。今日、国外に出る手続きをしてきた」
「どういう――」
「この国をでる。お前はもう、ここにいられねえんだよ」
「私は……行かない」
「バカが、お前が一人で住めるわけねえだろうが! 不法滞在で牢獄に捕まるぜ」
「そんな……」
そのとき、扉がこんこんとノックされた。
現れたのはヴィダリア様だった。
「ど、どうして」
「図書館で事情は聞いたよ。ライラ」
「へっ……天下の宮廷魔法使い様がよくもまあ。けど、関係ない人は帰ってくれますか」
「そうはいかない。彼女はうちで雇うことになった」
「は? 何の話だ?」
「ライラ、王宮の司書館にならないか。年々、本の劣化が激しくなってきているんだ。その仕事ができる人を探してるらしい。君は適任だ」
「わ、私がですか?」
「ああ。給料もいい、それに、本を大切にする君だからこそお願いしたい」
「そんなの俺が許しませんよ。保護法の事を知っているでしょう」
「知っているよ。だから私が来た」
「何の話――」
驚いたことに、指輪を手渡してきた。
「え、ええ?」
「ライラ、嘘をついていたことがある。私は、君がいたから図書館に通っていたんだ」
「え、ど、どういうことですか」
「初めは普通に本を借りていた。だけどひたむきな君に惹かれていったんだ。……それで私は、仕事の過程で君の境遇を知った。ライラ、婚約すれば、君は保護法から抜け、彼の元で暮らす必要がなくなる。仕事もある。とても大切な仕事だ。もちろんその為には、私と婚約する必要はある」
私が驚いていると、ヴィダリア様は、ふたたび囁く。
「報酬というわけではない。――私の気持ちは本気だが、一時でもいい。彼の手から抜ければ、それだけでも」
「――喜んで」
「ライラ?」
「私も、あなたが好きでした」
「ライラ……」
そう、私はずっと好きだった。
ヴィダリア様のことが、それが今、確信に変わった。
そして私は、指輪を受け取り、振り返る。
「さようなら。もう二度と帰ってきません」
「ライラ、まていくな!」
「アルバトス、君は翌日、国から出ていってもらう。それが望みだろう? ちなみにもう入国の許可は下りない。明日までに出なければ、お前を不当滞在で逮捕する」
そして私は、ふたたび空を飛びながら、家に戻った。
「ライラ、本当に私で――」
「ヴィダリア様、私は、嬉しいです」
数年後――。
「ライラ、凄いじゃないか。こんなにたくさんの本を……それに、冒険記まで。どうやって王を説得したんだ?」
「ふふふ、説得というのは、如何に大切か、そして求めているかを端的に伝えるのです。どの本も全て意味があります。私の夢は、いつか誰もが借りられる図書室にすることです。そして、あなたにとっても相応しい婚約者になることですよ」
「いや、ライラ。君は既に私にとって相応しい婚約者だよ」
「そんなことありません。私はもっと頑張ります。これからもよろしくお願いします、ヴィダリア様」
「ああ」
私たちは、本を通じて出会い、本を通じて仲を深めあった。
それからまた時がたち、私は夢をかなえた。
王宮の近くに、平民も入る事ができる建物を建ててもらったのだ。
そしてもう一つ、ヴィダリア様と正式な婚約の儀を迎え、私たちは結婚し、そして、子供を授かった。
「ライラ、これからも一緒だ」
「ええ、私たちの物語は、まだ始まったばかりですもんね」
物語はページを開いたときからはじまる。
一ページ、二ページ、まったく知らない体験が待っている。
私たちの物語は、ようやくプロローグを抜けたところだろう。
これからきっと大変な事が待っているに違いない。
立ち直れないほどの困難だってあるのかもしれない
だけどきっと大丈夫。
私とヴィダリア様は、この物語の主人公なのだから。
【 大事なお願い 】
この物語が少しでも面白と思ったり、いい余韻があったと感じていただけましたら
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感想もお待ちしております。
こんなに長文にもかかわらず、最後まで見て頂きありがとうございました!
本当にありがとうございます!