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推理は魔術を凌駕する!  作者: 白沼俊
第一章『魔力を持たない英雄』
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7. 断罪の儀

 分からない。


 目の前で起きていることが未だに理解できない。


 つい数刻前まで俺と話をしていたのだ。今日の演説を楽しみにして欲しいと得意げに仰っていた。


 俺はまだ英雄になっていない。英雄として彼を支えられていない。親父のような大英雄になったら、他の誰でもない彼の剣となりサクスムを守りたかったのに。それが俺の願いだったのに。


 いや。王とか願いとか、そんなこと以上に――ただ、生きていて欲しかった。


 何故だ。何故。


「何故じゃ、エル……何故、何故……何故じゃあああ!」


 静かに眠るエルピネス様に、父であるホドスネス様がすがりつくようにして泣いていた。王の顔は、亡くなったことが信じられないほどきれいだった。


 ホドス様だけではない。騒ぎを聞きつけ集まった夜警やカストロ、ソポス先生、フィリアーネ様もその目に涙を浮かべている。


 その中で唯一冷静に兵士たちへ指示を出していたのは、亡き王の側近であったスキアダン様だ。


「現在城にいる者に関しては既に出入りを禁じてあります。ただ一人例外として、監視官とアガペーネ様をお呼びするために渡し守を向かわせています。しばらくすれば医者と共に到着するでしょう」


 ホドス様が顔を上げる。


「医者だと? ……そうか! 息が止まってからも蘇った事例があると聞く! 試す価値はあるということじゃな?」


 しかしスキア様は首を横に振った。


「残念ながら、今からでは遅いかと。最悪の場合エルピネス様を余計に苦しめるだけになりかねません」


「ぐ……」


 ホドス様は言葉に詰まると、かっと顔を赤くしてスキア様につかみかかった。


「スキア貴様! 何を涼しい顔をしておるのだ! エルが! エルが死んだのだぞ! 何故そのように簡単に受け入れられる!」


「…………」


 何も言わず怒りを受け入れるスキア様に、ホドス様ははっとした。自らの行いを恥じるように顔を逸らし、手を離す。


「いや、すまぬ。其方は冷静に対処してくれた。しかし蘇生のためでないのなら、医者を呼ぶのは……」


「死因を調べるためです」


 切れ長の瞳をご遺体に向け、スキア様は言った。


「僕はこれを、ウェントス兵による毒殺と考えています。しかし証拠がなくてはただの憶測に過ぎません。まずは医者に死因の解明を依頼すべきかと存じます」


「……そうじゃな」


 ホドス様は遺体を見つめ、深く目を閉じる。


「これが毒殺であるならば、許すことなど断じてできぬ」


 子を失い力なく震えていたご老体の顔は、次の瞬間、冷酷な復讐者のものへと変わった。


「サクスムの王を殺めた罪……たかがネズミ一匹の命であがなえるなどと思わぬことだ」


 その通りだ。兵士の処刑一つで許される罪ではない。しかし俺は憤るのと同時に、何故だか背筋に冷たいものを感じた。


 地響きにも似た、怒りを押し殺すような呟きを聞き、底知れぬ憎悪の表面に触れてしまったのかもしれなかった。


 俺は予感する。この憎しみはあるいは、ウェントス全土を震撼させるものとなるだろう。




     *




 真っ白な円形の室内に天井から陽射しのような光が降り注ぐ。


『霧の城』の入り口を少し進んだ先には巨大なホールがある。床は階段状になり、中央へ向かうほど高く、神聖な儀式を行うにはぴったりの場だ。


 そう。国王就任式に使われた部屋である。


 今、天に最も近い中央にはホドスネス前王が立ち、そのすぐ下で黒装束を着たウェントス兵が膝をついている。


 その肩には蛍花けいかという魔力を吸う花が刺され、手足は縄で縛られていた。


「違うぅぅ! 違うんですぅ! ほんとにただ迷い込んだだけなんですぅぅ!」


 抵抗する術を失った青年兵はただ泣き喚き続けている。俺はその縄を握り、暴れることがないよう睨みを利かせる。


 階段をくだった場所には室内にいる残り全ての者が集められていた。サクスムの人間は東側、それ以外は西側と分けられ、西側の先頭には四人の監視官が立っていた。


 五国同盟により送られた、サクスムを監視する他国の代表者たち。ホドス様はこれから、同盟国の『目』である彼らの前でウェントス兵の罪を暴くつもりなのだ。


 残りの人間は監視官の証言を補強するおまけのようなものだろう。現にその他の部外者は昨夜の宴で酔いつぶれていた者だけだ。例外として呼ばれた医者は、現在死因解明の最中である。


 今この場において、ホドス様とウェントス兵以外の発言は許されていなかった。何か異論があるとしても、まずは検死を待った上で、ウェントス兵の言い分を聞かなければならないからだ。ひとまずこの点においては誰も反対はしていない。


 しかしウェントスの監視官ロギオス・ピスティスは気が気でないようだ。例の大酒飲みのカコ監視官に絡まれていた気弱な男だ。元々白っぽい顔がさらに真っ青になり、ひどい汗をかいている。


「ふむ。話を聞くのは医者の検死の後――とするつもりであったが、先に問いただすべきことがあったな」


 ホドス様は低く呟き、ウェントス兵を冷酷な眼差しで見下ろす。普段は柔らかい態度であることが多いためあまり感じないが、その体は太く大きく生命力に満ち溢れ、まるでそびえ立つ巨大な樹を前にしているかのような迫力がある。


「貴様、どのようにしてあの場まで侵入した。城内には常に見張りがいたはずだぞ」


 そうだ。俺がウェントス兵を一目見た瞬間に攻撃したのは、侵入する明確な意思がなければ、王族の寝室のそばで鉢合わせる可能性など皆無だったからだ。


「ぼ……私は、その……昨日の宴の時、酔っぱらいまして……」


「覚えていないとでも申すつもりか?」


「ひぃっ」


 今にも燃やし尽くさんばかりにぎろりと睨まれ、兵士は縮み上がった。


「そ、そそそそのっ、違いますっ。覚えてますっ」


「ならば申せ!」


「はいぃぃ! わ、私は宴で酔った時、厠に行きたくなりまして……そ、その時城の方に何か言えばよかったのですが……でも、酔っていたので何も考えずにふらふらと一人で行ってしまったんです……」


「一人でだと? だが宴の場にも見張り排他ではないか」


「そ、そうですね。でで、でも、声とかはかけられなくて……」


 俺は会話を聞きながら、思い当たることがあってはっとした。


「そうか、あの時……あっ」


 発言してはいけないのを忘れていた。慌てて口をふさぐ。しかしホドス様は咎めず頷いた。


「良い。申してみよ」


「はっ! ――宴の時、カコ監視官とイェネオ……従騎士のイェネオスファムが酒の飲み比べをしていたのは覚えておいでですか? その騒ぎは場を大いに盛り上げましたが、同時に見張りの目に隙を作るきっかけにもなったでしょう。確かにあの時であれば抜け出すのは不可能でなかったかもしれません」


 イェネオには申し訳ないが、ここは事実を話さねばならない。ホドス様は思い出すように虚空を見つめた。


「ふむ、確かに。故意であったかはさておき、見張りの目から逃れられる唯一の瞬間ではあったのだな」


「こ、故意だなんて、そんな!」


 ウェントス兵の言葉には一切取り合わず、ホドス様は続ける。


「ならばその後だ。厠へ向かった後、貴様は戻ってこなかった。それは何故だ? 心して答えよ。返答によってはこの時点で、貴様の罪が確定することもありうる」


「あ、あわわわ……!」


 名もなき兵士は青ざめてがくがくと震え、助けを求めるように目に涙を浮かべた。無論そんなことで慈悲が与えられるはずもない。


 やがて兵士は諦めて、問いに答えた。


「ね、寝てたんです。部屋で」


 瞬間、ホドス様の大きな手が兵士の首をつかんだ。


「嘘をついたな、貴様!」


「うっ、がっ……!」


「ありえぬ! 全ての寝室にはカギがかけられ、残りの部屋は夜警によって見回りがされる! 貴様の証言が真実であるならば、もっと早くに見つかっていたはずだ!」


「嘘、な……がはっ」


 首を絞められたウェントス兵はみるみるうちに顔を真っ白にし、泡を吹き始めた。


「ホドス様! それ以上は!」


「ええい黙れぃ! この小僧が犯人で決まりだ! 即刻その首を断ち切り野に晒してくれる!」


 ダメだ、俺では止められない。誰か――。


 助けを求めようとした時、俺のそばを風が通った。


「おーっと、殺すにはまだ早いですよ」


 軽い口調でそう言い、ホドス様の手を掴んだのはスキア様だった。いつからいたのか全く気づけなかった。おそらく魔術も使っていない。


「離せ! 何のつもりだ、スキア!」


「落ち着いてください。ホドス様はこの兵士一人を殺せばそれで満足ですか? そうではないはずです」


 先ほどの硬い表情とは打って変わり、なだめるような軽い笑みを浮かべている。


 スキア様はこの国の誰よりも強い。魔術も身のこなしも、相手の動きを見切る視力もある。ホドス様は身じろぎするが、一歩も動けない様子だった。


「まずは彼から出来うる限り情報を絞り出して、彼が単独犯かどうか調べるべきです。十中八九、何者かに差し向けられた刺客ですからね」


「刺客……」


 スキア様の言うとおりだ。一般の兵士が単独で他国の王の命を狙う理由などそうは思いつかない。こんな青年は見たことがなく、王との面識はないはずだった。


「まあ、まずは医者が来るのを待ちましょう。そうでないと他の国が納得しませんよ」


 ホドス様は思い出したように階段の下の人々に目を向け、項垂れた。


「すまぬ。頭に血が上った」


 さすがはエルピネス様の側近だったお方だ。怒り狂ったホドス様をあっという間に鎮めてしまった。


 場が落ち着いたところで、西側の扉が開いた。そこから芝居がかった声が聞こえてくる。


「皆々様、大変長らくお待たせしました!」


 現れたのは壮年の男。ツルツルに禿げた頭を堂々と見せびらかし、鼻の下に刻まれた髭のような刺青を指で撫でる。


「おお、おお! サクスムの新たな王が生まれた夜に、その王がお隠れになるなど、なんたる悲劇でありましょう! このようなことが一体誰に予想できたことか! 否、否! できません! これは誰にも予想できなかった事態なのであります!」


 彼の名はエンパイーニ。湖の国ラクスからやってきた名医であり、昨日の客人の一人でもあった。医者としてのみならず、研究者としても大変に有名な人物である。


 傍らには素朴な服を着たそばかすの少女がいて、わたわたしながら何度も頭を下げている。


「エンパイーニ殿、死因は分かったのか」


「ええ、ええ! もちろんです。たったいま申し上げた通り、これは誰にも予想できなかったことなのです」


 ホドス様は言葉の意味を吟味するように押し黙り、それからゆっくりと目を見張った。遅れて俺も気づく。


 誰にも予想できなかった。それはつまり、他人の意思による死ではなかったということ――。


「まさか、エルは病死であったと?」


「さすがはホドス様、ご聡明であらせられる! さようでございます! エルピネス様の体には傷も、毒の痕跡も一切見当たりませんでした。これが他殺であるということはあり得ないかと」


 エン医師の後から続いてサクスムの医者も出てくる。虚偽の報告があってはならないため、複数の医者に同時に見てもらったのである。


 医者はエンの言葉を肯定するように、ホドス様を見ながら頷いた。


「バカな……」


「残念ながら、どのようなご病気であったかまでは分かりませんでした。しかし! しかしながらです! これだけは断言致しましょう! ホドス様が目にされたように、エルピネス様のお顔は安らかそのもの! おそらく寝ている間に、苦しむことなく逝かれたのでしょう! ああ、ああ! これがせめてもの慰めになればと願わんばかりでございます!」


「そう、か……」


 ホドス様は虚ろな目になってふらふらと崩れ落ち、放心したように動かなくなった。


 苦しまずに逝かれたことは、確かにせめてもの救いではある。しかし今、それを喜ぶ余裕のある者などいないだろう。


 ようやく事態を飲み込めた頃であったのに、また頭が混乱した。病死だと? このようなタイミングで、偶然に?


 だが、それを確かめるために医者を呼んだのだった。ならばどんなに受け入れがたくとも信じるほかないのだろうか。


「そ、それじゃもう決まり言うことでええですか? 彼への嫌疑は晴れたっちゅうことで」


 ロギオス監視官がほっとしたように尋ねる。自国の兵士が疑われるのはさぞかし恐ろしかっただろう。


 と、安堵の息が聞こえたのも束の間、エン医師が声を上げた。


「おっとこれは、大変なことを失念しておりました! 毒の検査が一つ残っておりました!」


 耳を疑った。彼らは死体の調査の経験がある優秀な医師たちだ。検査漏れなどがあるとは思えなかった。


 俺の疑念を肯定するかのように、サクスムの医者が言った。


「いいやエンさん、我々は確かに調べられる全ての毒について調べた。漏れなどはないはずです」


「いいえ、いいえ! 確かに一つ忘れていたのです!」


「……ならば言ってみてください、その毒とは何です?」


「もちろんですとも! ああ、このエンパイーニ一生の不覚! つい先日、新たな毒の検出法を編み出したことをすっかり忘れていました! あまりの非常時ゆえ混乱していたのでしょう。どうか何とぞご容赦いただきたい!」


 俺は思わずエン医師を睨んでしまった。サクスム兵からも怒りのこもった声が漏れ出る。


「アイツめ、こんな時にまで自慢話か」


「いつもならば許したが、今回ばかりは腹に据えかねるぞ」


 そう。彼は自慢話が大好きなのだ。こうしてわざとらしい声をあげて自らの功績を語り出すことはよくあった。


 だが今はそんなどうでもいいことで怒っている場合ではない。


 ホドス様はまだ動けずにいる。その代わりとしてか、スキア様が尋ねた。


「勿体つけずに教えて欲しいな。君はどんな毒を調べるつもりなんだい?」


「それは魔術による毒! これまで検出不可能とされてきた、あの『泥水の悪魔』なのであります!」


 目を見張った。つい昨日、ソポスファーナ先生が飲んでいたものだ。だがあれは――。


 皆がざわつく。きっと同じことを考えている。


 俺はぎり、と歯を食いしばった。


「エン殿、『泥水の悪魔』は拷問用の毒だ。あれを口にした者は壮絶な苦痛に見舞われ、エルピネス様のご遺体のような安らかなお顔にはならないはず。あなたならばそれくらい分かるはずだろう!」


 怒鳴りつけるとエン医師はひっと小さく悲鳴を上げた。慌てて手を振り、弁明を始める。


「おお、どうかお待ちください! 万が一! 万が一の場合を考え、念のため調べてみるべきと申しているのであります!」


「何が万が一か、戯言を! あなたの言い分は、傷跡もないのに刺殺かもしれないと言っているようなもの! それがあなたの意見だと本当に言うのならば、あなたへの信用は地に墜ちると覚悟しろ!」


「なっ……!」


 エン医師が怒りに顔を赤くして言い返そうとした時、俺の背後で衣擦れの音がした。


「待て、ニケよ」


 遮ったのはホドス様だった。どうにか立ち直ったようだ。しかしその眼差しは未だに揺れていた。


「ホドス様、ですが……」


「あり得る。あり得るのだ。エルならば、『泥水の悪魔』を使われた可能性が大いにある」


「ひょ……?」


 その言葉に、エン医師が裏返った声を漏らす。


「お、お待ちを。拷問用の毒を使われて、苦痛の表情を一切浮かべないと……? そ、それに普通は痛みから逃れられないように拘束をするものです。エルピネス様にそのような痕は……」


「検出の準備を始めよ。一刻も早くだ」


 有無を言わさず命令するホドス様に、エン医師は戸惑いながらも頷いた。


「は、はあ……ファルマコ、杯を」


「はいっ」


 そばかすの少女が背負っていたカゴを下ろし、陶器の杯を取り出す。


 戸惑った様子のわりに準備はできていたようだ。意味などないと思っていながら研究成果を披露するつもりだったのだろう。


 彼が手にしたのは『類呼びのさかずき』。杯に注いだ水の中で物を溶かすと、湯気が出て、溶かした物と同じ物を探し、その方向へ流れていく。


 例えば塩を溶かせば近くにある塩に向かって湯気が動く。多くの毒はこの方法で検出できるのだが――。


「『泥水の悪魔』は肉体から魂を引きはがす魔術です。そのため人体へ直接的に損傷を与えることはありません。そしてもう一つ厄介な特徴がございます。魔力に触れると無害な水に変じてしまうという点です。もし無傷で毒を飲ませることに成功したならば、魔力を送って水に変えることで完全に痕跡を消すことができるのです」


 エン医師が神妙そうに解説する。しかしそれも芝居がかった語りの一部だったようで、ぐっと拳を握ったかと思うとまたやかましい声を出しはじめた。


「しかし! それも数日前までのこと! ついに発見したのです! 水に変じた『泥水の悪魔』の中に、見たこともない物質が溶けていることを! あとは造作もありません! 『類呼びの杯』の中にこれを溶かし湯気を発すれば、エルピネス様に毒を盛られたかどうかが分かるのです!」


 彼が語る間に、ファルマコと呼ばれた少女が水と青い粉を入れていた。やがて杯から青い湯気が立つ。


「この粉は水に変じた『泥水の悪魔』から抽出されたものを、青く染色したものです。この粉は自然界には存在しない、魔術によってのみ生まれる特殊な物質――つまり! これが体内から検出されれば、すなわち毒殺された動かぬ証拠となるのです!」


 エンは目を大きく見開き杯を高く掲げた。


 白い部屋の中、ゆらゆらと青が揺れる。


 誰かが唾を飲む音が聞こえた。皆が湯気の行く先に目を奪われる。


 安らかな顔の、拘束された痕もない遺体から拷問用の毒が検出されるとは思えない。だがホドス様はあり得ると仰った。


「――まさか」


 誰ともつかぬ声。湯気はエン医師の背後、エルピネス様のご遺体がある西側へ向かっていく。


「見て参ります」


 動いたのはスキア様だった。念のためにとサクスムの医者も連れていく。彼らはすぐに戻ってきたが、放心したように何も言わなかった。


「スキアよ、どうであった。どうだったのだ、答えよ!」


 大きな声で問われ、スキア様が顔を上げる。


 それからただ一言、簡潔に答えた。


「湯気は――エルピネス様の体内に入っていきました」










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