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12.射撃プログラム☆

 「悪いな、何か付き合ってもらって」


 「別にいつもお世話になってるんだからこれ位構わないの。それよりよく軍の施設を借りられたの」


 「やっぱり持つべきものはコネだな。何故か知り合いに軍のお偉いさんが二人もいるからな」


 今いるのは【古都】の軍の訓練所の片隅、普段は弓の射撃【訓練】をする的と土山だけの一角を借り切った。


 まあ、【帝国】の弓は普通に想像する弓と違って、特殊な形状のクロスボウなんだが、そもそも射出装置が板バネですらなく、更には連射機能付きの物が多い。


 そして今回、鉄人の射撃能力検証に付き合って貰うのは【帝国】どころかプレイヤー随一と言ってもいい遠距離射撃能力を持つ、ビエーラだ。


 超射程から敵を識別し、ピンポイントで急所を射抜く一芸特化の達人。


 にも関わらず、ど田舎の【帝国】【古都】に所属して狩りを続ける変わり者は、大抵のプレイヤーの認識外から必殺の一撃を狙う化け物で、


 白い黒神と二つ名で呼ばれる。


 黒神といえば、死やネガティブなあらゆる物を司る神ながら、白いとわざわざ謳われるのはその見た目の所為、真っ白で雪に溶け込むような服装に身を包む、少女のような姿。


 ただし、完全に成人した既婚者の女性である。何しろ旦那も一緒にゲームをしているのだから。


 「そろそろ、始めるの。ロボットの射撃能力とやらを見せてもらうの」


 「そうだな。まあ正直な所、鉄人に合った射撃武器が何なのかすら手探りなんで、思いつく限り作ってきたから、一つづつ試すつもりなんだが、まずは弓からだな」


 「ソレデ ハ 状況開始 シマス」


 「状況って言ってもどんな敵を想定したらいいのかも分んねぇんだから、取り敢えず適性武器を探す為の実験だ気楽にやれよ」


 「ロボットに気楽ってあるの?」


 そんな戯れを聞いているのか、聞いていないのか、ちゃんと細かく説明せずとも的に向って腕に取り付けたクロスボウの矢を射出。


 かなり手前の地面に突き刺さった。


 「射出速度 飛距離 把握 シマシタ 射角 ヲ 調整 シツツ 連射 シマス」


 言うが早いか、残矢を連射。


 徐々に的に近づいていき、4射目5射目はちゃんと的を掠め、矢切れ。


 「どう思う?」


 「ロボットだから、私達みたいに感覚射撃が無いと思うの、計算であそこまであっさり調整出来るなら、かなり優秀な部類なの」


 「なる程な~クロスボウは武器としてはありか。問題は矢の装填なんだよな~何しろ人間みたいな手指が無いし……」


 そう、拾ってきたデコイ用とされる丈夫なボディには手指が無い。元々囮用にばら撒かれる物だったらしいので、丈夫で雪上をよく動ければそれでいいとばかりの造りだ。


 指の形は作れてもそれを操作する複雑なマニピュレーターなんぞ作れるはずもなく、腕に直接武器を付けっきりと言うのが現状。


 いっそ給弾装置でも取り付けるか?だがそれだと重量の問題が、発生するんだよな~……。


 「次にいくの」


 「そうだったな。お次は榴弾発射機だ。近くで爆発されても困るから、少し射角上目で試してくれ」


 「少シ トハ ドノ 程度 デスカ?」


 「取り敢えず、爆発に巻き込まれなければいいの。あと5度上に調整して撃ってみるの」


 鉄人の腕を丸ごと外して、榴弾用の少し砲身の太い物に換装してる間、ビエーラが鉄人に指示を出している。


 そして、換装が終わると同時に射出。


 見事に的の足元に着弾、的を一個吹き飛ばした。


 「流石達人だな。あの指示だけできっちり的を吹き飛ばすとは」


 「偶々なの。榴弾の弾頭の重量も分らないのに、完全に飛距離なんか分かる訳ないの。それより信管もないのによくあんな榴弾作れたの」


 「あれは、ああ見えて時限式だ。射出式の榴弾を使ってる奴はいないが、手投げ式は存在するんだから、同じ構造で射出する瞬間にスイッチが入るように砲身を作った」


 「相変わらずなんて事無い風に、作ったで済ますの。でも出来たなら細かい事は聞かないの。私用にも今度一丁作って欲しいの」


 「そんなに精度の高いものでもないし、遠距離に飛ばすとなると……」


 「今くらいの飛距離でいいの。近寄ってくる敵への牽制用なの」


 「なるほど、分かった。取り敢えず次行くぞ。鉄人の射撃能力は割合正確みたいだし、今度はばら撒くタイプを使ってみるか」


 「次 ノ 射角 ノ ゴ指示 ヲ 下サイ」


 「ばら撒くタイプなら狙いは大体でいいの。射角0から正確に狙わずに寧ろバラつきを計測してから考えた方がいいの」


 相変わらず、射撃に関してはちゃんと簡潔に説明してくれるビエーラ。


 腕に取り付けたのはパチンコ玉を高速で連射するだけの機械。


 取り敢えず回転させる機構だけは作れるようになったので、両側で高速回転するゴムロールの間にパチンコ球が入ってどんどん連射されるだけの仕様だ。


 これについては、まあ当てるも何もない。


 訓練場の雪の上に大量の小粒の鉄球を撒き散らすばかりだ。


 当れば相当痛いだろうが、果たして武器として実用なのかは不明。


 鉄人の射撃プログラムで当てられるものではないと言う事は分った。

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