⭕ 侍達の末路
──*──*──*── 何処か
セノコン
「 ──セロ様、準備が整いましたエリ 」
セロフィート
「 宜しい。
では、始めましょうか。
楽しい尋問タイムを── 」
此処は数々あるセロフィートのコレクション部屋の1つ、尋問室である。
尋問室には、口を割らない頑固な者から尋問する為に使われる様々な物騒極まりない道具や薬が取り揃えられている。
セロフィート
「 お侍さん達、貴方達の事を詳しく教えてください。
貴方達が里へ来る理由──目的と狙い。
丸腰の里人を虐げ、被害者を出す理由──目的と狙い。
貴方達を里へ寄越す黒幕が誰なのか──。
聞きたい事は沢山あります。
正直に話してくれるならば、ワタシの作った特製の自白剤は使わないであげましょう 」
セロフィートは善人も悪人も関係無く全ての者を慈しみ包み込むような慈母神の様に優しく微笑みながら、心地好い優しい声色で3名の侍に話し掛ける。
物騒極まりない尋問室には不釣り合いなセロフィートの姿を前に3名の侍は、言い表せられない様な恐怖感と危機感を察知していた。
流石は腐っても “ 侍 ” と言うべきだろうか。
侍達は巨大熊,大猪,大虎と対峙した時よりも遥かに恐ろしい “ 何か ” をビンビンと全身で感じていた。
目隠しを外されている侍達は、声を出せれない様に白い布で猿轡をされており、両手首,両足首を縄で結ばれている。
海老反りからは既に解放されており、椅子に座らせられている。
然し、唯の椅子ではない。
定期的にビリビリと身体に電流が走る電気椅子である。
電気は古代魔法で起こしている。
セロフィート
「 そんなに恐怖がらないでください。
嘘を吐かず、正直に話してくれれば、手荒な事はしません。
解放もしますし、町へ帰してあげます。
町へ帰る前にワタシと少しだけ話をするだけです 」
セロフィートは慈母神の様な微笑みを絶やさない。
セロフィート
「 セノコン、1人目の猿轡を外してください 」
セノコン
「 畏まりましたエリ。
──セロ様の質問に答える以外の発声を禁じるエリ。
守らないと──、指を1本ずつ喰べるエリ 」
セロフィートに言われたセノコンは、侍を脅しながら口を塞いでいる白い布を外してあげる。
セロフィート
「 セノコン、喰べてはいけませんよ。
彼等は5体満足な身体で町へ帰すのですからね 」
セノコン
「 言葉の綾ですエリ♪ 」
セロフィート
「 ふふふ。
セノコンは、お茶目さんですね。
お侍さん達の尋問が済んだら御褒美をあげます 」
セノコン
「 エリ!?
有り難う御座いますエリ♥️ 」
セロフィート
「 では──、1つ目の質問をします 」
セロフィートは猿轡を外させた侍に質問を始めた。
セロフィート
「 セノコン── 」
セノコン
「 はいですエリ、セロ様 」
セロフィート
「 彼は嘘を吐きました。
指の骨を1本ずつ砕きなさい 」
セノコン
「 畏まりましたエリ!
セロ様の質問に嘘を吐くなんて不貞な野郎ですエリ 」
キノコン達の創造主であり絶対的な主であるセロフィートへ忠義と忠誠を誓っている絶対服従なセノコンは、セロフィートから命じられた指示に対して素直に従い、一切の慈悲も容赦もなく侍の指の骨を1本、素手で砕いた。
セノコンが指の骨を砕くと侍は痛みを感じたのか悲鳴をあげる。
セロフィート
「 良い声です。
電流が効いている様ですね。
些細な痛みも何倍もの痛みに感じる様に身体中の神経を敏感にさせる為に特殊な電流を体内へ流してますけど、効果抜群のようです 」
セノコン
「 セロ様、侍の身体に剣山を刺したいですエリ 」
セロフィート
「 セノコン、それは全ての指の骨を砕いた後です。
では──、次の質問をしますね 」
外の時間よりもゆっくりと時間が流れる尋問室では、10時間を尋問室で過ごしても、外では10秒しか経っていない事になっている。
人間の様に歳を取らず、身体である器が老いないセロフィートには時間の流れが違っても全く影響を感じない。
それはセロフィートに作られたキノコンも同じだった。
然し、人間の肉体は違う。
尋問室である10時間を過ごせば、外に出ると10時間分の歳を取り、肉体が衰える様になっている。
時間の流れの影響を確り受けるのである。
セロフィートの尋問──という名の実験は佳境に入っていた。
3名の侍は既にグッタリとしており、辛うじて意識が残っている感じだ。
声を出す気力も感じられない。
身体中には鋭い剣山で何度も刺されたのか、血が滲んでいる。
熱しられた焼きゴテも身体に当てられたのだろう、火傷の痕も見えて水脹れが出来ている。
その水脹れは針で刺されて破れており、中の水が床にはまで垂れている。
床には剥がされた爪も落ちており、血が付いている。
セロフィート
「 ──この毒は皮膚を溶かすようですね。
この毒は── 」
セロフィートは実験室で自身が作った毒薬の数々を侍の身体を使って効果,効能を試していた。
毒草,毒花,毒茸,毒液……自然界に存在している様々な毒物を所有しているセロフィートは、毒同士を掛け合わせては新たな毒物を生み出していた。
セノコン
「 セロ様、3番が死にそうですエリ 」
セロフィート
「 おや──、すっかり忘れてましたね。
セノコン、両耳と鼻を削ぎ取り、皮膚を剥がしなさい。
丁寧に汚れを落としたらコーティング魔法を掛けます。
丁重に梱包したら、黒幕の枕元へ転送します。
遺体は後日、転送させるとしましょう 」
セノコン
「 畏まりましたエリ!
セロ様、遺体はどうされますかエリ 」
セロフィート
「 脳ミソと臓物は丁寧に抜き取ります。
セノコン、残さず喰べなさい 」
セノコン
「 エリ!?
脳ミソと臓物を頂いても宜しいですエリ?
有り難う御座いますエリ♥️♥️♥️ 」
セロフィート
「 抜き取った臓物の代わりに多種多様な獣の糞を詰め込んであげてください 」
セノコン
「 畏まりましたエリ。
獣の糞は確り混ぜてから詰め込みますエリ 」
セロフィート
「 宜しい。
解ってますね、セノコン。
それでこそワタシの専属キノコンです 」
セノコン
「 お褒めくださり有り難う御座いますエリ(////)
早速、3番を下げさせていただきますエリ 」
セロフィート
「 頼みましたよ、セノコン 」
既に虫の息に達している “ 3番 ” と名付けられた侍は、セノコンに引き摺られながらセロフィートの尋問室から退出した。
セロフィート
「 さて──、貴方達は未々大丈夫ですね?
もう少し、ワタシの尋問に付き合ってください。
キノコン、次の毒を用意しなさい 」
キノコン
「 はいですエリ 」
セノコンから分裂したキノコンが、本体のセノコンの代わりにセロフィートの実験──もとい尋問の補佐をする事になった。
セロフィートの尋問は未々続くのだった。
◎ 訂正しました。
尋問室しには、─→ 尋問室には、