✒ ゾンビング祭り 9
──*──*──*── 寺子屋
どうやら寺子屋の中には集落で暮らしていた人々が避難しているみたいだ。
何れだけの人達が避難しているのか分からないけど、無事な人間が居て少しホッとした。
マオ
「 人が居る…。
ちゃんと逃げ切れた人達が居るんだな 」
セロフィート
「 そのようですね 」
?
「 セロフィート様! 」
寺子屋の奥から〈 器人形 〉が出て来た。
セロフィート
「 久しいですね。
集落の現状を報告なさい 」
器人形
「 畏まりました。
では、此方へ 」
セロフィート
「 マオ、行きましょう 」
マオ
「 うん 」
〈 器人形 〉の案内で寺子屋の中へ入ると、避難民の姿が目には入る。
着の身着のまま逃げ込んで来たような格好をしている避難民が多いみたいだ。
器人形
「 セロフィート様、此方は関係者以外立ち入り禁止の部屋となります。
お入りください 」
セロフィート
「 マオ、余所見をしないで付いて来てください 」
マオ
「 分かってるよ 」
〈 器人形 〉の言う “ 関係者以外立ち入り禁止 ” の部屋へ入る。
──*──*──*── 立入禁止の部屋
その部屋は畳で数えたら4.5帖程しかない部屋だった。
壁にはドアの絵が描かれている。
マオ
「 ドアの絵があるって事は…… 」
器人形
「 里にある寺子屋と繋がっています。
食料や物資は里から調達しています 」
マオ
「 マジかよ!
じゃあ、此処まで態々旅する必要なかったって事かよ? 」
器人形
「 えぇと…… 」
〈 器人形 〉はオレの言葉への返し方に困ったのか微笑んでいる。
マオ
「 セぇロぉ~~~~!! 」
セロフィート
「 マオ、怒らないでください。
このドアは〈 器人形 〉しか使えない仕様です。
マオとワタシも使えません 」
マオ
「 じゃあ、使えるようにすれば良いだろ! 」
セロフィート
「 何事も便利過ぎては詰まらないでしょう?
マオ、今は〈 器人形 〉の話を聞きましょう 」
マオ
「 ………………。
セロ──、後でな! 」
セロフィート
「 はいはい 」
〈 器人形 〉が出してくれた座布団の上に腰を下ろして座ると〈 器人形 〉が温かいお茶を出してくれる。
器人形
「 集落の現状は見ての通りです。
ゾンビに襲われ、集落はあの様です 」
セロフィート
「 ゾンビは何処から現れました? 」
器人形
「 ゾンビの発生原因は──、ゾンビ化した鳥です。
大量の鳥が飛んで来て、家畜や人間を襲いました。
襲われた家畜,人間はゾンビ化し、人間を襲い始めました。
戦う術を知らない人間達は集落の中をバラバラに逃げ回り──、被害者が増えました。
取り敢えず、寺子屋へ誘導したので逃げ込んで来た人間達は保護しています。
セロフィート
「 成る程──、ゾンビ化した鳥がこの様な事態を招いた原因ですか。
ゾンビ化した鳥は厄介ですね 」
器人形
「 はい。
現在は集落に集まっていて、飛び立つ様子はありません 」
セロフィート
「 それは好都合です。
結界を張り、ゾンビ化した鳥を外に出さないように出来ますね 」
そう言うとセロは古代魔法を発動させた。
セロフィート
「 これであらゆるゾンビは集落から出られなくなりました。
序でに “ ゾンビコイコイ匂袋 ” を結界に貼り付けましょう。
集落から出て行ったゾンビ達も引き寄せる事が出来ます 」
マオ
「 それだと集落はゾンビだらけになっちゃうな 」
セロフィート
「 ゾンビは戦闘用〈 器人形 〉に倒させましょう。
ゾンビを燃やしては集落が火事になります。
キノコンに喰べさせましょう 」
マオ
「 キノコンを来れるようにするなら、オレ達も里に帰れるようにしてくれよ 」
セロフィート
「 マオ、旅は未だ途中です。
このまま目的地の町へ向かいます 」
マオ
「 マジかよ……。
ゾンビなんて此処に居るゾンビで良いじゃんかよ! 」
セロフィート
「 駄目です。
最初にゾンビが発生した町へ予定通り向かいます。
ゾンビ化した鳥,動物,獣,人間を検査対象として数体ずつ捕獲はします。
マオ、手伝ってくださいね。
キノコンを集落へ投入するのは捕獲後にします 」
マオ
「 少しは休ませてくれよぉ~~~ 」
セロフィート
「 はいはい。
今夜はゆっくり休んでください 」
マオ
「 今夜だけかよ…… 」
セロフィート
「 明日は集落に戦闘用〈 器人形 〉を大量投入します。
休んでも構いません 」
マオ
「 じゃあ、明日1日は寺子屋から1歩も外へ出ないからな! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの好きにしてください 」
まさか、ゾンビ増えた原因がゾンビ化した鳥だったとはな。
ゾンビ化した鳥は、ゾンビに捕まって噛まれた──って事になるんだよな?
やっぱり……瓦版に書かれていた町に現れたゾンビが鳥を捕まえて噛んだのかも知れないよな?
集落に居た家畜や人間を襲っただけじゃなくて、集落の外にいた動物や獣まで襲うなんて──。
マオ
「 セロが実験で品種改良したり、遺伝子組み換えをした種や苗にゾンビ菌が混入してた──って可能性はないのかな?
何かの拍子でゾンビ菌が活性化して、人間や家畜をゾンビ化させた──とかさ 」
セロフィート
「 マオ、日本で映画を観過ぎました?
そんな事は無いです。
ワタシがそんなポカをすると思います? 」
マオ
「 ポカは無いかも知れないけど、セロなら確信犯でやるだろ!! 」
セロフィート
「 マオ──、酷いです。
ワタシを何だと思っています?
ワタシはきちんと弁えて実験してます 」
マオ
「 何をどう弁えて実験してるんだよ…… 」
セロフィート
「 マオ……。
企業秘密です♪ 」
マオ
「 何が企業秘密だよ!!
それより、今夜はこの狭い部屋で停まるのか? 」
セロフィート
「 この部屋で寝泊まりはしません。
新しいドアの絵を加えます 」
マオ
「 里にある長屋か? 」
セロフィート
「 違います。
〈 創造主の館 〉の寝室と繋ぎます 」
マオ
「 えぇ~~~…… 」
セロフィート
「 何が『 えぇ~~~ 』ですか。
ベッドで寝たいのでしょう? 」
マオ
「 そりゃそうだけど…… 」
セロフィート
「 マオは寝室で休んでいてください。
ワタシは〈 器人形 〉と寺子屋の様子を見て回ります 」
マオ
「 それならオレも一緒に── 」
セロフィート
「 マオは疲れているでしょう?
夕食前に起こします 」
セロが古代魔法を発動させると、壁にドアの絵が現れた。
オレはドアの絵に向かって背中を押された!?
オレの背中を押したのは、セロなのか──、〈 器人形 〉なのか──、分からないけど……十中八九、セロなんじゃないかって思う。
ドアの絵の中へ入ると、セロが言った通り〈 創造主の館 〉の寝室になっていた。




