表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/56

⭕ ボロい長屋 2


──*──*──*── 新居


マオ

「 ただいま、セロ! 」


セロフィート

「 お帰りなさい、マオ。

  頼んだ物は沢山れました? 」


マオ

「 バッチリだよ!

  マオキノが分裂して手伝ってくれたんだ! 」


セロフィート

「 そうですか。

  マオキノ、マオの籠の中に入っている物を選別しなさい 」


マオキノ

かしこまりましたエリ 」


 マオキノはオレが背負っていた籠を受け取ると新居を出て行った。


マオ

「 セロが選別しないんだな 」


セロフィート

「 ワタシも忙しいですし 」


マオ

が忙しいのか教えてほしいんだけど? 」


セロフィート

「 マオ、てください 」


 セロに言われて新居のそとに出る。

 少し歩いた場所には、足湯と銭湯が出来上がっていた。

 出来上がりが早いって!


セロフィート

「 マオ、此方こっちには寺子屋と訓練場を作りました 」


マオ

「 作ったんじゃなくて作らせたんだろ~~。

  キノコンの建築技術には感服するよ…。

  寺子屋と訓練場なんてるのか? 」


セロフィート

「 この里では読み書き,算術を教えられる者がないようです。

  知らないまま成長するより、知っている方がいでしょう。

  子供達には読み書き,算術のほかにも護身術,体術,生き残る為のすべも身に付けさせましょう 」


マオ

「 セロがじき(じき)に教えるのか? 」


セロフィート

ワタシが教えます?

  寺子屋,銭湯,売店の運営は全て 〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に一任します。

  ワタシはなにもしません。

  ワタシは好きな事をして過ごします。

  散歩がてら里の中を歩く時もあるでしょう 」


マオ

「 そうかよ。

  そんなこったろうと思ったよ。

  オレはなにをしたらいんだ? 」


セロフィート

「 マオも好きな事をして楽しめばいです。

  大抵の事は 〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉とキノコン達に任せてしまいます。

  マオが働く必要はないです 」


マオ

「 まるで至れり尽くせりなスローライフだな。

  分かったよ。

  オレもマオキノと好きな事して過ごすよ 」


セロフィート

「 そうしてください。

  に備えて、今夜は新居で休みましょう 」


マオ

「 そだな。

  夕食ディナーなににしようかな? 」


セロフィート

「 ワタシが薬膳料理を作ります。

  マオは味見をしてください 」


マオ

実験台モルモットかよ… 」


セロフィート

「 薬膳料理ですし、毒は入れません。

  安心して試食してください 」


マオ

ほんだろうなぁ~~ 」


セロフィート

「 マオだけのセロフィートを信じてください 」


マオ

「 う、うん…(////)」


 オレはセロと一緒に新居へ戻った。


──*──*──*── 新居


 [ 厨房・食堂 ]と書かれているドアの絵をとおって、食堂に入る。

 ドアには[ 厨房・食堂 ]と書かれているけど、中へ入るとダイニングキッチンと言った方がる。

 ──っていうか、思いっ切りマーフィとオレの家の台所キッチンだよ!!

 なつかし過ぎるぅ~~~!!


セロフィート

「 マオは椅子に座って待っていてください 」


マオ

「 うん。

  ──当時と全然変わってないな(////)」


セロフィート

「 当時のマオとマーフィさんが使っていた台所キッチンを忠実に再現しました 」


マオ

「 〈 (原質)(みなもと) 〉で構成したって事だろ。

  新品同様か~~。

  それにしては妙に年期が入ってるのもあるよな。

  そういうのも新品でいじゃん 」


セロフィート

「 年期が入って見えても新品に変わりないです 」


マオ

「 そうかもだけどさ……。

  冷蔵庫は置かないのか?

  電気ってのが無くても、セロなら古代エンシェント魔法マジックで動かせるだろ? 」


セロフィート

「 コンビニスイーツは構成しませんよ 」


マオ

「 えぇ~~~!

  コンビニスイーツは生き物じゃないから構成は出来るだろぉ~~~ 」


セロフィート

「 マオ、この島国で暮らすあいだは、コンビニスイーツは禁止です 」


マオ

なんでだよぉ~~~。

  じゃあ、デシタルTVは? 」


セロフィート

「 この島国にも電波は飛んでますけど、TV局がないから使えません 」


マオ

「 そこも古代エンシェント魔法マジックなんとか出来るだろ?

  日本では受信料ってのを払わないで色んな番組を見れてたじゃん 」


セロフィート

「 この島国で暮らすあいだはTVも禁止です 」


マオ

なんでだよぉ~~~~ 」


セロフィート

「 自然豊かな里です。

  そとに出て自然の恩恵めぐみれてください 」


マオ

「 実験室に籠ったり、図書室に籠ったりしてインドアしてるセロこそ、そとで自然を堪能すべきだろが! 」


セロフィート

「 ワタシは常に全身で大自然の恩恵めぐみを感じてます。

  マオはセロフィートのように感じられません。

  しっかり大自然とれ合ってください 」


マオ

「 狡いよなぁ~~、セロは! 」


セロフィート

「 ワタシはなにも狡くないです。

  ──今夜の薬膳料理が出来ました。

  どうぞ、マオ 」


マオ

「 うん。

  しそうじゃん。

  色違いの米が入ってるんだな。

  これは……かゆ? 」


セロフィート

「 リゾットふうです。

  黄身を潰して絡めながら食べてください 」


マオ

「 細かい緑色が薬草ハーブかな? 」


セロフィート

「 米と相性のい10種類の薬草ハーブをブレンドしてます 」


マオ

「 ふぅん?

  いただきます! 」


 セロがオレの為にじき(じき)に作ってくれた薬膳料理。

 黄身を潰して、米に絡めてから口の中へ入れる。

 なにかので炊いたんだろう。

 口の中で優しい味がフワッと広がるのが分かる。

 黄身が絡まってる事で優しい味がになる。

 米を噛むと、米からもがジュワッて出てるのが分かる。

 黄身を絡めているから喉越しもい。

 10種類の薬草ハーブが入ってるとは思えないほど、香りもくて、この香りが食欲を掻き立ててくれてるみたいだ。


マオ

「 あっ──、米の下になにかある? 」


セロフィート

薬草ハーブに漬け込んだ肉を特製の薬膳で角煮にしてみました 」


マオ

「 角煮?

  薬草ハーブに漬け込んでたにしては匂いがしないな。

  それにプヨプヨしてる? 」


セロフィート

「 食べてみてください 」


 オレはなんの肉を使ってるのか分からない角煮をスプーンですくって口の中へ入れる。

 口の中に入った角煮は噛まなくても勝手にホロホロと崩れて、角煮の味が口の中にブワッと広がる。


マオ

「 噛まずに溶けた!?

  どうなってんの? 」


セロフィート

「 そうなるように煮込みました 」


マオ

「 セロ、おかわりはないのか? 」


セロフィート

「 ふふふ。

  そう言うと思って沢山作ってます。

  好きなだけ食べてください 」


マオ

「 やったぁ!! 」


 オレはセロが作ってくれた薬膳料理を残さず綺麗に平らげて完食した。

 夕食ディナーを終えたオレは、セロと台所キッチンを出て、今はだ殺風景な居間リビングに移動した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ