⭕ ボロい長屋 2
──*──*──*── 新居
マオ
「 ただいま、セロ! 」
セロフィート
「 お帰りなさい、マオ。
頼んだ物は沢山採れました? 」
マオ
「 バッチリだよ!
マオキノが分裂して手伝ってくれたんだ! 」
セロフィート
「 そうですか。
マオキノ、マオの籠の中に入っている物を選別しなさい 」
マオキノ
「 畏まりましたエリ 」
マオキノはオレが背負っていた籠を受け取ると新居を出て行った。
マオ
「 セロが選別しないんだな 」
セロフィート
「 ワタシも忙しいですし 」
マオ
「 何処が忙しいのか教えてほしいんだけど? 」
セロフィート
「 マオ、来てください 」
セロに言われて新居の外に出る。
少し歩いた場所には、足湯と銭湯が出来上がっていた。
出来上がりが早いって!
セロフィート
「 マオ、此方には寺子屋と訓練場を作りました 」
マオ
「 作ったんじゃなくて作らせたんだろ~~。
キノコンの建築技術には感服するよ…。
寺子屋と訓練場なんて居るのか? 」
セロフィート
「 この里では読み書き,算術を教えられる者が居ないようです。
知らないまま成長するより、知っている方が良いでしょう。
子供達には読み書き,算術の他にも護身術,体術,生き残る為の術も身に付けさせましょう 」
マオ
「 セロが直々に教えるのか? 」
セロフィート
「 何故ワタシが教えます?
寺子屋,銭湯,売店の運営は全て 〈 器人形 〉に一任します。
ワタシは何もしません。
ワタシは好きな事をして過ごします。
散歩がてら里の中を歩く時もあるでしょう 」
マオ
「 そうかよ。
そんなこったろうと思ったよ。
オレは何をしたら良いんだ? 」
セロフィート
「 マオも好きな事をして楽しめば良いです。
大抵の事は 〈 器人形 〉とキノコン達に任せてしまいます。
マオが働く必要はないです 」
マオ
「 まるで至れり尽くせりなスローライフだな。
分かったよ。
オレもマオキノと好きな事して過ごすよ 」
セロフィート
「 そうしてください。
明日に備えて、今夜は新居で休みましょう 」
マオ
「 そだな。
夕食は何にしようかな? 」
セロフィート
「 ワタシが薬膳料理を作ります。
マオは味見をしてください 」
マオ
「 実験台かよ… 」
セロフィート
「 薬膳料理ですし、毒は入れません。
安心して試食してください 」
マオ
「 本当だろうなぁ~~ 」
セロフィート
「 マオだけのセロフィートを信じてください 」
マオ
「 う、うん…(////)」
オレはセロと一緒に新居へ戻った。
──*──*──*── 新居
[ 厨房・食堂 ]と書かれているドアの絵を通って、食堂に入る。
ドアには[ 厨房・食堂 ]と書かれているけど、中へ入るとDKと言った方がしっくり来る。
──っていうか、思いっ切りマーフィとオレの家の台所だよ!!
懐かし過ぎるぅ~~~!!
セロフィート
「 マオは椅子に座って待っていてください 」
マオ
「 うん。
──当時と全然変わってないな(////)」
セロフィート
「 当時のマオとマーフィさんが使っていた台所を忠実に再現しました 」
マオ
「 〈 テフ 〉で構成したって事だろ。
新品同様か~~。
それにしては妙に年期が入ってるのもあるよな。
そういうのも新品で良
セロフィート
「 年期が入って見えても新品に変わりないです 」
マオ
「 そうかもだけどさ……。
冷蔵庫は置かないのか?
電気ってのが無くても、セロなら古代
セロフィート
「 コンビニスイーツは構成しませんよ 」
マオ
「 えぇ~~~!
コンビニスイーツは生き物じゃないから構成は出来るだろぉ~~~ 」
セロフィート
「 マオ、この島国で暮らす間
マオ
「 何
じゃあ、デシタルTVは? 」
セロフィート
「 この島国にも電波は飛んでますけど、TV局がないから使えません 」
マオ
「 そこも古代
日本では受信料ってのを払わないで色んな番組を見れてたじゃん 」
セロフィート
「 この島国で暮らす間
マオ
「 何
セロフィート
「 自然豊かな里です。
外
マオ
「 実験室に籠ったり、図書室に籠ったりしてインドアしてるセロこそ、外
セロフィート
「 ワタシは常に全身で大自然の恩恵
マオは人
確
マオ
「 狡いよなぁ~~、セロは! 」
セロフィート
「 ワタシは何
──今夜の薬膳料理が出来ました。
どうぞ、マオ 」
マオ
「 うん。
美
色違いの米が入ってるんだな。
これは……粥
セロフィート
「 リゾット風
黄身を潰して絡めながら食べてください 」
マオ
「 細かい緑色が薬草
セロフィート
「 米と相性の良
マオ
「 ふぅん?
いただきます! 」
セロがオレの為に直
黄身を潰して、米に絡めてから口の中へ入れる。
何
口の中で優しい味がフワッと広がるのが分かる。
黄身が絡まってる事で優しい味がま
米を噛むと、米からも出
黄身を絡めているから喉越しも良
10種類の薬草
マオ
「 あっ──、米の下に何
セロフィート
「 薬草
マオ
「 角煮?
薬草
それにプヨプヨしてる? 」
セロフィート
「 食べてみてください 」
オレは何
口の中に入った角煮は噛まなくても勝手にホロホロと崩れて、角煮の味が口の中にブワッと広がる。
マオ
「 噛まずに溶けた!?
どうなってんの? 」
セロフィート
「 そうなるように煮込みました 」
マオ
「 セロ、おかわりはないのか? 」
セロフィート
「 ふふふ。
そう言うと思って沢山作ってます。
好きなだけ食べてください 」
マオ
「 やったぁ!! 」
オレはセロが作ってくれた薬膳料理を残さず綺麗に平らげて完食した。
夕食