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✒ 牧場と膝枕


──*──*──*── 牧場


 マオは牧草の上に寝転がって、風に流されて行く雲を眺めていた。

 長閑のどかで平和な風景の中で、無邪気に楽しそうに元気に遊んでいる子供達の賑やかな声を聞きながら、マオはエモン,モキチ,トモチに暴行をして死なせた犯人達の事を考えていた。

 “ 犯人達がつかまった ” と言う話はだマオの耳には入ってていない。

 セロの話では「 宴の前日にはつかまえられる 」と言う話になっていた筈だが、その日から既に2日も経っている。

 犯人達をつかまえられたならば、誰かが知らせてくれるか、噂で耳に入ってくるものだとマオは勝手に思っていた。

 しかし、実際には──、誰かが知らせてくれる事もなければ、噂で耳に入ってくる事も無い。


マオ

「 …………一体どうなってるんだよ、全くさぁ?

  なんで誰もオレに教えてくれないんだよ… 」


 1人でブツブツと文句を言っているマオに近付く人影があった。






「 マオ、寺子屋は楽しいです? 」


マオ

「 ──セロ!

  どうしたんだよ、今日きょうは出掛けるんじゃなかったのか? 」


セロフィート

「 早目に済みました。

  随分としてますね 」


マオ

「 今は昼休み中だからな~。

  する事も無いから寝転がって雲を見てたんだ 」


セロフィート

「 マオは子供達と遊びません? 」


マオ

「 オレは大人なんだぞ!

  子供と遊ぶのはキノコン達に任せてるよ。

  面倒見がくて、子供達もなついてるしな 」


セロフィート

「 マオ──、ワタシの膝に頭を乗せてください 」


 セロフィートは牧草の上に座ると、膝の上をポンポンと軽く叩いている。


マオ

「 ぅえっ!?

  でかよ?

  流石に恥ずかしいんだけど!(////)」


セロフィート

「 マオ、ワタシの膝枕はいやです? 」


マオ

いやじゃないけど…。

  嬉しいけど…(////)」


セロフィート

「 それなら遠慮しないでください 」


マオ

「 …………う、うん…(////)」


 オレは少しちゅうちょしながらもセロの言うとおりにセロの膝の上へ頭を乗せて、仰向けに寝転がった。

 キノコン達や子供達に見られていると思うと、恥ずかしいんだよなぁ~~(////)

 オレに膝枕をしてくれているセロが、嬉しそうに微笑んでいる──ように見えるのは、オレの気の所為なのかな??

 セロは優しく微笑みながら、オレの髪を撫でてくれる。


セロフィート

「 マオ、犯人達は〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉達とキノコン達がらえました。

  犯人達の事は〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉とキノコンに任せてください 」


マオ

つかまえたのか?!

  だよ! 」


セロフィート

「 2日前です 」


マオ

「 2日前?!

  なんで教えてくれなかったんだよ! 」


セロフィート

「 楽しい宴に水を差したくなかったですし。

  楽しめたでしょう? 」


マオ

たしかに宴は楽しかったけど… 」


セロフィート

「 犯人は侵入者を合わせて8名です。

  黒幕をかせる為に尋問してます。

  〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉達にめいじて、子供達を売った御両親達からしょう小判を没収させました 」


マオ

「 そう、なんだな…。

  そう…だよな、しょう小判を没収するのは当然だよな!

  取り敢えず里は安全になったんだよな?

  コウタも自宅に帰れるんだ? 」


セロフィート

「 コウタ君は御両親とは暮らしたくないと言ってます 」


マオ

「 えっ?!

  なんでだ?? 」


セロフィート

「 酷い目に遭い、死にかけたのです。

  しょう小判に目がくらんだ御両親に売られた事が原因ですし、許せないのでしょう 」


マオ

「 そっか……。

  それで、コウタはで暮らすんだ?

  まさか1人暮らしなんてさせられないだろ? 」


セロフィート

「 寺子屋の管理をさせている〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉に任せました。

  キノコンを1体、護衛に付けます。

  だ1人になるのは怖いでしょうから 」


マオ

「 そっか。

  〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉とキノコンが身近に入れば安心だよな。

  食事にも困らないし 」


セロフィート

「 コウタ君は今日きょうから寺子屋に移り、暮らす事になります。

  今夜から2人きりで過ごせます 」


マオ

「 セロ…(////)

  マオキノとオリィがるじゃんか 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  そうでしたね。

  マオは午後も授業を受けるのでしょう? 」


マオ

「 うん、そのつもりだよ。

  オレも子供達と一緒に寺子屋にかよおうかな──って思ってるんだ 」


セロフィート

いのではないです?

  筆で字を書けるようになるといですね 」


マオ

「 そだな~~。

  学校なんて≪ エルゼシア大陸 ≫以来だよ。

  ≪ レドアンカ ≫でちゅう迄はかよってたけど、それっきりだもんな 」


セロフィート

「 マオ、楽しい学生生活を送ってください 」 


マオ

「 ははは……。

  同級生は未成年の年下ばっかだけどな~~ 」


キノコン

「 セロ様!

  こんにちはエリ。

  マオ様、お昼休みは終わりですエリ。

  寺子屋へお戻りくださいませエリ 」


マオ

「 ん──、分かった。

  セロ、寺子屋に戻るよ 」


セロフィート

「 帰宅したら字の練習をしましょうね 」


マオ

「 うげっ……マジかよ… 」


セロフィート

「 読める字を書けなければ意味ないですし 」


マオ

「 えぇ~~~…… 」


セロフィート

「 行ってらっしゃい、マオ 」


マオ

「 ………………行ってます… 」


 わざ(わざ)牧場にて膝枕をしてくれたセロと別れて、呼びにてくれたキノコンと一緒に牧場を出たオレは、子供達と一緒に寺子屋へ向かって歩いた。











 〈 うつわ()にん(ニン)ぎょう() 〉とキノコンにつかまって、尋問を受けている8名の犯人達の末路だけど──、セロから聞いたのは、黒幕が暮らしている城の中庭に全裸に剥いた逆さずりの状態ではりつけにして返した──って事しか知らない。

 男も女も丸坊主にして、全身の毛を抜いて、呪いの言葉を身体からだじゅうに彫って、けつの穴には長葱をブッ刺した状態で返したらしい。

 なんてむごたらしい状態で返してんだか。

 子供達をはりつけにするつもりが、逆に自分達がはりつけにされる羽目になったわけだな。

 それにしても……やり過ぎじゃないかな。

 セロめぇ──、人間で遊び過ぎだろ??

 黒幕って誰なんだろうな?

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