✒ 寄り道の代償 4
セロフィート
「 マオ、マオキノから話は聞けました? 」
マオ
「 セロ、聞いたよ…。
大人ってのは自分勝手だよな… 」
セロフィート
「 今更でしょう。
彼への罰はエモン君,モキチ君,トモチ君の葬儀の後にするとしましょう 」
マオ
「 うん……。
セロ、葬儀の準備はどうなってるんだ? 」
セロフィート
「 滞りなく順調に進んでいます。
〈 器人形 〉に任せてます 」
マオ
「 そっか…。
3人の遺体は? 」
セロフィート
「 棺に納めた状態で葬儀場となる長屋へ運んであります。
柩の中を見ます? 」
マオ
「 う、うん…… 」
セロフィート
「 マオキノ、留守の間の事は任せます 」
マオキノ
「 お任せくださいませエリ! 」
オリィ
「 ククゥ~~ 」
マオキノはセロに向かって、ビシッと敬礼をする。
オリィもマオキノの真似をしてるのか、キリッとした顔付きでセロとオレを見送ってくれた。
マオキノの真似をするオリィが可愛い♥️
少しは怒りも和らいだ気がした。
──*──*──*── 葬儀場
長屋の戸には “ 喪に服す ” を体現しているのか、黒と白を基調としたシンプルだけど神聖っぽい提灯が取り付けられている。
中へ入ると木製の長椅子が並べられている。
座る部分には、お尻が痛くならないように葬儀に合った座布団が敷かれている。
奥には柩が頭が祭壇側に来るよう縦に置かれた状態で横に3つ並べられている。
祭壇は雛壇になっていて、1番上には見慣れない額縁が掛けられている。
雛壇の上から1段目には、額縁に対する “ お供え ” が置かれていて、2段目には野の幸,山の幸,海の幸が “ お供え ” されている。
3段目には真っ白い布が敷かれていて、4段目の左右には葬儀に相応しい白を基調とした花が花瓶に入れられて置かれている。
マオ
「 セロ、3段目が空いてるけど何に使うんだ?
それに白糸で刺繍がされてる白布は何なんだ? 」
セロフィート
「 献花を置く場所です。
この島国には線香がないです。
線香の代わりに献花と共に死者を “ 尊ぶ心 ” を捧げます 」
マオ
「 そうなんだ?
献花に使う花は何処に有るんだ? 」
セロフィート
「 花が痛まないよう、献花をする時に〈 器人形 〉が1人1人へ手渡します。
献花は線香の代わりですから、花,茎,葉が付いている物を使います。
花は〈 久遠実成 〉を表し、茎は先祖を表し、葉は自分を表します 」
マオ
「 へぇ~~。
ちゃんと意味があるんだな…。
じゃあさ、1番上に掲げられてる額縁は何なんだ? 」
セロフィート
「 額縁は〈 久遠実成 〉を表しています。
この島国で信仰されている全ての神佛の名前が書かれています。
神格化された人間の名前は入れてません。
額縁は “ おまんだら ” と呼びます。
全ての神佛の御霊を御迎えした依所です。
デパートだと思ってください 」
マオ
「 神佛のデパート??
な、なんか……凄そうだな…。
色んな神様,佛様が集まってるデパートって……。
そう言われると “ おまんだら ” が神
後
セロフィート
「 マオ、無理しなくて良
見えていないでしょう 」
マオ
「 ………………そだな…。
何
セロフィート
「 〈 テ
マオ
「 そうなんだ…。
どんな葬儀をするんだ?
日本のドラマで見た事があるけどさ、台
セロフィート
「 残念ながら、台
祈祷師
マオ
「 へぇ~~。
じゃあ、祈祷師
じゃあ、祈祷師
セロフィート
「 ワタシがします。
葬儀に使う “ 信仰の指
日本の葬儀で読まれている漢文のお経を大人だけでなく子供にも読み易く分かり易く日本語に翻訳した物を使います。
この信仰の指
里人達は読み書きが出来ませんから、ワタシが読み聞かせる形になりますね 」
マオ
「 ふ~ん?
セロが用意した信仰の指
セロフィート
「 儀式用経典ですから薄いですよ。
〈 久
マオ
「 ふ~ん?
32頁
セロフィート
「 そうですよ。
先ずは、“ お勤
次に “ 社会道徳と宗教 ” を読み、“ 信仰の真義 ” を読み、“ 正しい信仰こそ暗夜を照らす大灯明 ” を読み、“ 功徳の報果を得る道 ” を読み、“ 佛教の六大特長 ” を読みます。
“ 生
信仰の指
献花を終え、御別れを済ませたら、柩
骨壺の中へ遺骨を納め、納骨式で骨壺を墓石の中へ納骨します 」
マオ
「 火葬するんだな 」
セロフィート
「 土葬にすれば知らず知らずに子孫が遺骨を踏んでしまい粗末になります。
火葬をし、全骨した骨壺を墓石へ納骨すれば、子孫が先祖の遺骨を踏んで供養する罰当たりな事態を防げます 」
マオ
「 そだな… 」
セロフィート
「 納骨をする前に、墓石の前で “ お勤
墓石に骨壺を納骨した後
マオ
「 なんか……長くないか? 」
セロフィート
「 ふふふ。
マオには長いかも知れませんね。
退屈過ぎて居眠りしないでください 」
マオ
「 えぇ~~~~。
最後まで起きてる自信がないよ… 」
セロフィート
「 座って聞いているだけですし、子供には退屈でしょうね 」
マオ
「 ははは……。
今日
セロフィート
「 マオに用意した信仰の指
始まる迄、読んでいてください 」
マオ
「 えぇ~~~~、マジかよぉ~~~~ 」
セロから手渡された信仰の指
これを全部読むのかよ。
……………絶っ対に寝ちゃうってぇ~~!!
間違いない!!




