✒ 寄り道の代償 3
──*──*──*── 翌日
──*──*──*── 土間
マオ
「 なぁ──、コイツは誰だよ? 」
オリィ
「 ググゥ~~~ 」
セロフィート
「 オリィが威嚇をしてますし、善人ではない事は確かです 」
マオ
「 そだな。
善人が夜中に人様の家に不法侵入なんてしないもんな 」
マオキノ
「 逃げられないように両手足をもいどきましたエリ♥️ 」
セロフィート
「 偉いです、マオキノ。
良く喰べずに辛抱が出来ましたね 」
マオキノ
「 有り難う御座いますエリ♥️
頑張って自戒してますエリ 」
マオ
「 マオキノ……涎が垂れてるよ…。
実は喰べたいんじゃないのか? 」
セロフィート
「 マオキノはマオに似て食いしん坊さんですね 」
マオ
「 オレを引き合いに出すな!
チョンマゲしてるから身分は平民より上…だったよな?
匕魅呼様の婚約者って奴もチョンマゲしてたし、高貴な身分の奴なのか? 」
セロフィート
「 例え高貴な身分であろうと人様の敷地内へ不法侵入すれば、罰せらなければいけません。
高貴な身分だから “ 何をしても許される ” と勘違いしているなら、常識と良識を身体に叩き込み教えて差し上げるのが善意というものです。
高貴な身分であるならば、常識と良識,教養とモラルを兼ね備えているのが最低限の礼儀です。
彼はどうでしょうね? 」
マオ
「 不法侵入なんてするぐらいだから、常識も良識も礼儀も教養もモラルも兼ね備えてないんだろ?
此処に来る迄の道中に捨てて来たんだろ~~ 」
マオキノ
「 セロ様、この侵入者はどうしますかエリ? 」
セロフィート
「 マオとワタシが朝食を終えて戻って来る迄に尋問を終えておきなさい 」
マオキノ
「 畏まりましたエリ 」
マオ
「 コウタ君を始末しに来た刺客かな? 」
セロフィート
「 仮にそうだとしても、随分お間抜けな刺客です 」
マオ
「 マオキノ、コウタ君を頼むな 」
マオキノ
「 任されましたエリ 」
起床して寝室から居間へ出たら、土間に血塗れの状態の見知らぬ男が1人、気を失ったような状態で倒れていた。
マオキノの言う通り、見知らぬ男には本来ならば付いている筈の両腕と両足がなかった。
傷口は塞がっているみたいで、血の出血も今は止まっているみたいだ。
こんな血塗れな男を目覚めたコウタ君が目撃しら大変だよな。
どうか眠っているコウタ君が目を覚ましませんように!!
セロフィート
「 マオ、オリィと一緒に温泉へ入って来てください。
ワタシは朝食の準備をします 」
マオ
「 うん、分かったよ。
オリィ、温泉に入ろうか 」
オリィ
「 クゥクゥ~~♪ 」
オレはオリィを抱っこして[ 洗面脱衣室・温泉 ]と書かれているドアの絵の中へ入った。
──*──*──*── 朝食後
マオ
「 マオキノ、この不届きな不法侵入者の尋問は上手くいったのか?
何か分かったか? 」
マオキノ
「 マオ様──。
一寸小突いたらベラベラと喋りましたエリ 」
マオ
「 マオキノが小突いたら死んじゃわないか? 」
マオキノ
「 死なない程度に調節と手加減しましたエリ。
歯が数本折れちゃいましたエリ。
テヘペロりんりんエリ♥️ 」
マオ
「 可愛いぞぉ、マオキノ♥️
それにしても凄く顔が腫れてるな。
これじゃあ、誰だか分からないんじゃないか? 」
マオキノ
「 相応の罰は与えますエリ。
顔が脹れていても何の問題ありませんエリ★ 」
マオ
「 そ、そうかな……。
それで──コイツの正体と目的は何なんだ? 」
マオキノ
「 はいですエリ。
コレが不法侵入した目的は、一命を取り止めたコウタ君を連れ去る事でしたエリ 」
マオ
「 連れ去る?
息の根を止めるのが目的じゃなかったのか。
眠ってる子供を誘拐しようなんて、とんだ悪党だな!
──で、連れ去った後はどうする予定だったんだ? 」
マオキノ
「 里に来る侍達を良く思っていない里人達への見せしめに、里の出入り口付近に磔る予定だったそうですエリ 」
マオ
「 はぁ?!
子供を磔にして見せしめに使う??
何を考えてんだよ!! 」
マオキノ
「 子供達を選んだのは、3日前に里へやって来た侍達の前を横切った無礼者だったからですエリ。
4人の御両親に小判を見せ付けて、子供と交換させたそうですエリ 」
マオ
「 こ、小判だって!?
時代劇ドラマで見た事あるぞ。
あの五平餅みたいな形をして薄っぺらい小判……なのか? 」
マオキノ
「 そうですエリ。
但し、小判の価値は日本とは違いますエリ。
この島国には大小判,中小判,小小判,丁銀,銭朱,銭文が貨幣として流通してますエリ。
銭文は5円玉だと思ってくださいエリ。
銭朱は50円玉だと思ってくださいエリ。
丁銀は穴の空いた500円玉だと思ってくださいエリ。
小小判は俵型コロッケを平べったくした大きさ,中小判は通常のコロッケの大きさ,大小判は文庫小説ぐらいの大きさですエリ。
1文の銭文が100枚で銭朱1枚の価値がありますエリ。
1朱の銭朱が500枚で丁銀1枚の価値がありますエリ。
1分の丁銀が500枚で小小判1枚の価値がありますエリ。
1両の小小判が50枚で中小判1枚の価値がありますエリ。
50両の中小判が100枚で大小判1枚の価値がありますエリ 」
マオ
「 マオキノ──、貨幣の事は後で紙に書いて教えてくれ。
えぇと──御両親達は小小判1枚で我が子をコイツの仲間達へ売り渡したって事なのか? 」
マオキノ
「 丁銀1枚──1分でも売り渡していたと思いますエリ 」
マオ
「 えっ??
でも丁銀は500円玉……なんだよな? 」
マオキノ
「 例えですエリ。
形や大きさが似ているだけですエリ。
この島国では丁銀1枚──1分で立派な長屋を借りれますエリ。
5年は家賃を支払わなくても住めますエリ。
小小判1枚──1両で立派な庭付き長屋を1軒買えてしまいますエリ 」
マオ
「 マジかよ…… 」
マオキノ
「 身分の低い平民は主に銭文と銭朱を使ってますエリ 」
マオ
「 そう、なんだな…。
子供を渡したら小小判が1枚貰えるなら我が子も簡単に売っちゃうもんなのかな? 」
マオキノ
「 子沢山な家族だと有り得ますエリ 」
マオ
「 金に目が眩んだ両親に売られた挙げ句に、複数の大人達から容赦のない殴る蹴るの暴行を受けて…………。
御両親からは小小判を没収しないとだよな!! 」
マオキノ
「 当然ですエリ 」
こんな酷い話があって良いのか?
侍の前を “ 横切った ” っていう詰まらない理由で目を付けられて──、信じていた両親に売られて──、幼い子供達が大人達から集団フルボッコのリンチを受けて────。
こんな事が滞在してる里で起こるなんて…………。
こんなの……許せる訳がないだろう??
この侍と仲間達には相応の以上の罰を与えてやらないと駄目だよな??




