⭕ 帰宅途中 3
マオ
「 あれ──、こんな所に池なんてあったかな? 」
抑里に池なんて無かったような気がする。
セロが作らせたのかな??
池を見ながら歩いていると、何かをしているキノコン達が居た。
マオ
「 キノコ~~~ン!
何してるんだ? 」
キノコン:E
「 マオ様、御早う御座いますエリ 」
キノコン:F
「 養殖池を作ってますエリ 」
マオ
「 養殖池ぇ?
養殖って──、魚でも育てるのか? 」
キノコン:G
「 はいですエリ。
日本で人気のあった鰻,鮭,鮎,鰯,鮪,鰹,鯵,ほっけ,鰆,鰤,秋刀魚,穴子,烏賊,蛸,牡蠣,ホタテ貝,アサリ,シジミ,鮑,車海老,伊勢海老,オマール海老…等々を養殖する為の池ですエリ 」
マオ
「 へ、へぇ……沢山養殖するんだな。
川魚と海魚が混ざってるけど大丈夫なのか? 」
キノコン:G
「 大丈夫ですエリ。
セロ様の魔法で混ざらないようになってますエリ 」
キノコン:E
「 養殖池の中は各々の魚介類に合った環境に整えられてますエリ。
結界魔法が張られているので、天候や気候の変化にも左右されませんエリ。
御世話も楽チンですエリ 」
マオ
「 そ、そうなんだ。
楽チンに越した事はないよな?
餌さはどうするんだ?
魚によって違うんだろ? 」
キノコン:F
「 セロ様が用意してくださった餌は、全ての魚介類に使える万能餌ですエリ。
餌が1種類に統一されているので楽チンですエリ 」
マオ
「 随分と手間が省かれてるんだな。
里意外にも出荷する予定なのか 」
キノコン:G
「 勿論ですエリ。
新鮮で美味しいお魚さん達を提供出来ますエリ 」
キノコン:E
「 セロ様は──、この小さな島国で衣食住の “ 食 ” を牛耳るおつもりですエリ。
ボク達はセロのお役に立つ為、養殖業に心血を注ぎますエリ 」
マオ
「 そ、そっか。
セロの為に有り難な?
キノコン達が手塩に育てた新鮮で美味しい養殖魚が食べれる日が楽しみだよ 」
キノコン:G
「 マオ様~~(////)
ボク達、誠心誠意,全身全霊で養殖業に励みますエリ!! 」
キノコン:E
「 絶品で極上の養殖魚を献上させていただきますエリ!! 」
マオ
「 有り難な。
セロと一緒に期待しながら心待ちにしてるよ 」
キノコン:F
「 エリぃ~~~(////)
嬉しい御言葉を頂きましたエリ♥️♥️♥️ 」
キノコン:G
「 死ぬ気で頑張りますエリ!! 」
マオ
「 ははは… 」
セロが衣食住の “ 食 ” を牛耳るつもりでいるって??
オレ──、何も聞いてないんだけど!?
セロめぇ、何でオレばっかり仲間外れにするんだよ!!
養殖池を作ってる事も何で教えてくれないんだよ……。
色々とモヤモヤを抱えながらキノコンと会話を終えたオレは、新居を目指して歩き出した。
暫く歩いていると、茸栽培所の前を通り掛かった。
数体のキノコン達が茸栽培に熱中している姿が視界に入る。
やっぱり、キノコンだからなのか茸の世話をしているキノコン達が1番生き生きしているように見える。
日本で暮らしていた時に良く食べていた椎茸,舞茸,榎茸,しめじ,なめこ,松茸,エリンギ,マッシュルーム,木耳,トリュフ…等々の茸類を栽培しているみたいだ。
キノコン達が育ててくれてる茸はセロが独断で育てた怪しい茸よりも安心して食べれる。
1番心配する問題は、セロに感化されて変な茸を栽培してないか──って所かな。
オレに気付いてくれたキノコン達が駆け寄って来てくれる。
嬉しそうに近付いて来てくれるキノコン達は、やっぱり可愛い~~♥️
癒される。
この里は癒しで溢れているよ!!
何だかんだ言って、里人達もキノコン達と自然に打ち解けて仲良くしてくれているみたいだしな。
やっぱりさ、外見って大事なんだな。
里人達はキノコン達の可愛い容姿と可愛い声に完全に騙されている訳だけどな~~~~。
里に来て未だ3日しか経ってないのにキノコン達は何時の間にか里人達のマスコット的存在として君臨している。
恐るべし、キノコンの順応能力!!
キノコン達と他愛のない会話を済ませて茸栽培所を離れて歩いていたら、里の唯一の出入り口となっている場所から声が聞こえて来た。
マオ
「 何だろうな?
セロからは『 寄り道しないで返る様に 』って言われたけど、…………あの人集は気になる!!
此処迄は寄り道しないで来たんだし、一寸だけ様子を覗くぐらいは良いんじゃないかな? 」
里の出入り口を通り過ぎて少し歩けば新居に着く。
新居は目と鼻の先だ。
そうだよ、一寸ぐらい良い筈だよな!
そんな訳で、オレはセロとの約束──って言うか、言い付けを破って里の出入り口を目指して駆け出していた。
◎ 訂正しました。
僕達は ─→ ボク達は
僕達 ─→ ボク達




