⭕ 帰宅途中 2
──*──*──*── 帰り道
分かれ道でセロと別々の道を歩いて新居へ向かって歩いていると農場が見えて来た。
家畜を飼育する為の牧場をキノコン達に造らせていたのは知ってるけど、一体何時の間に農場まで造らせたんだか。
狭かった田圃,畑,果樹園,花壇も知らない内に拡大されていて、作っている作物も違っている。
作物の区別が付くように柵で囲ってあるし、柵の間には煉瓦で道が作られている。
何の作物なのか分かるように看板も付けられているし、手が込んでいる気がする。
田圃,畑,果樹園,花壇を区別する為に柵の種類も変えられている。
分かり易くて有り難いけど、キノコンって凝り性なのかな?
良く良く見渡して見ると大勢のキノコン達が協力をして作物の管理と世話をしてくれている。
自然に触れ合える農作業に心血を注いで熱心に取り組んでくれているキノコン達は誰よりも生き生きとしていた。
キノコン達の存在は本当に有り難い。
人間が御馳走の肉食系じゃなくて草食系だったら……完璧だったけどな~~。
可愛い容姿と可愛い仕草と可愛い声のキノコン達は心を癒してくれるマスコット的な存在なのに、オレより強い怪物なんだよな~~~。
解せないけど、平和的な風景だ。
見てるだけで荒んでた心も和みそうだ。
農場を過ぎると牧場が見えて来る。
牧場には様々な動物が放し飼いにされているみたいだ。
動物達の世話や管理もキノコン達が引く受けてくれている。
放牧されている動物達は絶対的な安全圏の中で伸び伸びと生き生きと暮らせているようだ。
馬,乳牛,山羊,羊,鶏…………馬と羊ぃ!?
何で馬と羊が居るんだ?
乳牛,山羊は牛乳要員で飼っているし、鶏は玉子要員で飼っているって事は知ってるけど、馬と羊って…………食べる目的で育ててるのかな??
牧場を通り過ぎると農具を持って歩いているキノコン達が歩いて来る。
可愛いキノコンに農具って似合わないな。
楽しそうにお喋りしながら歩いて来る。
キノコン:A
「 ──マオ様エリ! 」
キノコン:B
「 マオ様! 」
キノコン:C
「 マオ様ぁ~~~ 」
キノコン:D
「 マオ様、御早う御座いますエリ 」
農具を持ったキノコン達が嬉しそうに駆け寄って来る。
どっからどう見てもキノコンは可愛い♥️
オレに迄「 様 」を付けて呼んでくれて、好意的に接してくれるキノコン達の態度は素直に嬉しい。
セロの影響力って凄いよな。
マオ
「 御早う、キノコン達。
農具を持ってるって事は今から畑仕事か? 」
キノコン:A
「 はいですエリ。
今から果樹園の拡大する為に耕しに行きますエリ 」
マオ
「 耕す?
果樹園って拡大する程、狭かったっけ? 」
キノコン:B
「 狭くはないですエリ。
育てる果物を増やしたいですエリ 」
キノコン:C
「 セロ様からも許可は頂いてますエリ♪ 」
マオ
「 キノコンは農作業が好きなのか? 」
キノコン:D
「 大好きですエリ。
手塩に育てた野菜や果物をセロ様とマオ様に食べてほしいですエリ 」
マオ
「 収穫が楽しみだな。
キノコン達が丹精込めて育ててくれた野菜も果物も間違いなく美味しいに決まってるからな! 」
キノコン:A
「 エリ~~(////)
嬉しい御言葉ですエリ(////)」
キノコン:B
「 やる気がモリモリ出て来ましたエリ♪ 」
キノコン:C
「 張り切って果樹園を耕しますエリ! 」
マオ
「 そう言えば、今はどんな果物を育ててるんだ? 」
キノコン:D
「 赤林檎,青林檎,蜜柑,葡萄,柿,桃,栗…ですエリ 」
マオ
「 7種類も育ててるのに未だ広げるんだ?
凄いな 」
キノコン:A
「 キウイ,さくらんぼ,無花果,ビワ,木苺,ラズベリー,バナナ,渋柿,梅,すもも,マンゴー,パナップル,パパイヤ,ココナッツ,カカオ──色々と育てる予定ですエリ 」
マオ
「 また沢山あるなぁ。
この島国で手に入らない果物が多いんじゃないか? 」
キノコン:B
「 殆どが手に入らない果物ですエリ。
大きな町へ持って行けば、高値で売れますエリ 」
マオ
「 売るつもりなんだな。
食べ方が分からない果物はどうするんだ? 」
キノコン:C
「 均等の大きさにカットして、カットフルーツとして販売しますエリ。
盛り合わせカットフルーツも販売しますエリ。
フルーツ盛り合わせタルトや100%果汁ジュースも一緒に販売しますエリ。
試食用も準備しますエリ 」
マオ
「 へぇ、既に色々と考えてるのか。
キノコンって商売上手でもあるんだな。
フルーツたっぷりクレープやフルーツゼリーも人気が出そうだよな 」
キノコン:C
「 許可を取れれば屋台販売も可能ですエリ 」
キノコン:D
「 セロ様の魔法のお蔭で季節を気にせず、様々な果物や野菜を育てる事が出ますエリ 」
マオ
「 古代魔法って農作業にも活用出来るんだな~~ 」
キノコン:A
「 種を植えてから3日 ~ 10日で収穫が出来ますエリ。
収穫後は土の御手入れも不要ですエリ。
連鎖障害を起こす事もなく、次の種を蒔けますエリ 」
マオ
「 じゃあ、ほぼ毎日、何かは収穫が出来るようになるんだ? 」
キノコン:B
「 はいですエリ 」
マオ
「 田圃も畑も果樹園も広いから凄い収穫量になりそうだな。
あんまり多過ぎて痛んだり腐ったりしないのか? 」
キノコン:C
「 心配ありませんエリ。
収穫物は保存魔法で守られますエリ。
100年経っても新鮮な状態で食べれますエリ 」
マオ
「 それは凄いな。
飢饉になっても困らないように溜め込んでおけるわけだな 」
キノコン:D
「 この里はセロ様の結界に護られてますエリ。
自然災害,飢饉,疫病…等の影響を受けませんエリ。
マオ様、安心して日々を御過ごしくださいエリ 」
マオ
「 セロ、里全体に結界を張ってくれてるんだな 」
意外だな。
結界は敷地内だけだと思ってたんだけどな。
セロは…この里をどうして行くつもりなんだろう?
オレはキノコン達と別れて新居を目指して歩き出した。
◎ 訂正しました。
食べてほしいエリ ─→ 食べてほしいですエリ
とう言えば ─→ そう言えば




