⭕ 献上品が●っぱい 4
──*──*──*── 廊下
匕魅呼様の部屋を出ると部屋の前に見知らぬ男が両膝を付いて座っていた。
誰だろう?
セロフィート
「 貴方が匕魅呼様の兄上様の書状──筆跡鑑定を行った方ですか 」
筆跡鑑定をした男?
「 ──は、はい…… 」
セロフィート
「 大事な証人です。
逃げないなよう拘束し、閉じ込めておきなさい。
舌を噛み切らないよう、布を咥えさせるのを忘れないように 」
器人形:巫士
「 畏まりました 」
セロに命じられた〈 器人形 〉の巫士は、書状の筆跡鑑定をしたかも知れない男を拘束すると、何処かへ連れて行った。
マオ
「 セロ、あの人を拘束して何するんだ? 」
セロフィート
「 尋問します♪
新しい自白剤を試したいですし 」
マオ
「 うげぇ~~~~。
未だ自白剤なんて作ってたのかよ?
セロも好きだなぁ。
“ 大事な証人 ” なんだろ?
自白剤の実験台に使って大丈夫なのかよ? 」
セロフィート
「 量さえ間違わなければ、廃人にはなりません 」
マオ
「 間違える気、満々じゃんかよ… 」
セロフィート
「 そんなヘマはしません。
ワタシを誰だと思ってます? 」
マオ
「 …………遊ぶなら死なない程度にしとけよ?
一応さ匕魅呼様の関係者なんだし? 」
セロフィート
「 大丈夫です。
他にも実験台は確保してますし 」
マオ
「 え?
実験台を確保する時間なんてあったのか?
セロの実験台になりそうな人間なんて居たかな?? 」
セロフィート
「 使い捨ての実験台なら8名を確保しました 」
マオ
「 8名…………あっ、イカれ婚約者と乱交してた女の人達か!
えっ、マジで?? 」
セロフィート
「 未成年の里長が辱しめを受ける寸前でした。
8名も居合わせて居たにも関わらず、誰1人として匕魅呼様の助けに入らなかった者達です。
相応の罰を受ける資格があります 」
マオ
「 ははは…。
セロは容赦ないなぁ… 」
セロフィート
「 マオとワタシの邪魔になる様な相手を纏めて片付けられる絶好の機会でしょう 」
マオ
「 片付けるって……。
──で、イカれた婚約者の方はどうするつもりなんだ? 」
セロフィート
「 尋問します。
雇い主を知っていれば良いですし、知らぬなら──黒幕の元へ送り返しましょう 」
マオ
「 セロ、実は黒幕が誰なのか知ってるのか? 」
セロフィート
「 はい?
そんな事、一言でも言いました? 」
マオ
「 雇い主と黒幕は別人って事かよ? 」
セロフィート
「 さて──、どうでしょう?
必ずしも同一人物とは限りませんね。
自分が黒幕である事を隠したいなら、影武者を立てるでしょうし 」
マオ
「 影武者かぁ……。
仮にさ黒幕が影武者を立てて事を起こさせてるとしてだよ、其処迄して里を手に入れようとする理由って何なんだろうな? 」
セロフィート
「 何でしょうね? 」
マオ
「 セぇロぉ~~~~。
本当は理由も目的も知ってるじゃないのか~~? 」
セロフィート
「 まさか。
ワタシが知る筈ないです。
マオだけのセロフィートを信じてください 」
マオ
「 キノコンに潜入捜査させてるんだろ~~。
旬な情報が入って来るんじゃないのかよ? 」
セロフィート
「 はて……そんな事、言いました? 」
マオ
「 言ってただろーーーがっ!!
もうっ、何で惚けるんだよ…。
オレはセロの家族だろ?
ちゃんと教えてくれたって良いじゃんかよ… 」
セロフィート
「 マオ…。
“ 親心子知らず ” ですね 」
マオ
「 はぁ?
何だよ、それぇ~~。
セロはオレの親じゃないだろ! 」
セロフィート
「 親でなくても保護者です 」
マオ
「 キリッと真面目な顔して言うな!
オレは子供じゃないんだぞ!!
いい加減、子供扱いするなよ! 」
セロフィート
「 こんなに丁度良い高さに頭があるのに…… 」
マオ
「 頭の高さは関係無いだろ!
撫でるなぁ!! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオは怒りん坊さん~~~~♪♪ 」
マオ
「 歌わなくて良いよ… 」
全くもう……、セロは相変わらず秘密主義者だな。
肝心な事は何もオレには話してくれないんだ。
オレってば未だにセロから信用されてないのかな??
セロと会話しながら歩いて、謁見の間の襖の前に到着した。
謁見の間の前には侍女らしき人が左右に1人ずつ座っている。
侍女達が襖を開けて入れてくれた。




