✒ 献上品が●っぱい 3
──*──*──*── 里長の自室
オレはセロと一緒に里長である匕魅呼様の自室の中に居る。
匕魅呼様は既に着替え終えていて、きちんとした身なりで座っている。
ただ匕魅呼様の表情は暗くて固い。
セロフィート
「 匕魅呼様──、あの無礼者は何者です? 」
セロは心細そうな匕魅呼様の向かいに据わっていて、震えている小さな手を優しく握っている。
里長:匕魅呼
「 ………………あの者は…………我の…………婚約者なのだ…… 」
うわぁ…………声が震えているし、今にも泣きそうな顔をしているよ……。
匕魅呼様が望んだ相手ではなさそうだな。
品位が欠落してたし、何よりもセロを見て欲情してたからな!!
セロフィート
「 婚約者…ですか。
──政略結婚と言った所ですか 」
里長:匕魅呼
「 …………うむ…………そう…だと思う…。
兄上…からの書状を持って来ていた……。
兄上は…里長である我と……あの者を夫婦にして…………この里を………………うぅぅ…… 」
セロフィート
「 未成年の匕魅呼様に対して、一回り以上も歳の離れた相手を婚約者に寄越すとは── 」
マオ
「 セロ、匕魅呼様の兄上様って、この里を手に入れて何がしたいんだ?
此処って辺境地にあるような里だろ? 」
セロフィート
「 本当に匕魅呼様の兄上様の書状なのか怪しいですね 」
マオ
「 匕魅呼様の兄上様が書いた書状じゃない事ってあるのかよ? 」
セロフィート
「 匕魅呼様、その書状は本当に匕魅呼様の兄上様がお書きになられた書状ですか?
筆跡に間違いはないですか?
匕魅呼様、書状の筆跡を確認したは誰です?
その御方を此処へ呼ぶ事は出来ますか? 」
里長:匕魅呼
「 ……出来るぞ…。
呼べば良いのか? 」
セロフィート
「 その御方を部屋の前に待機させてください 」
里長:匕魅呼
「 ……う、うむ……。
そのように計らわせようぞ… 」
室内で控えていた匕魅呼様の侍女の1人が、匕魅呼様に言付けを頼まれて室内から出て行った。
セロフィート
「 有り難う御座います、匕魅呼様。
大事な証人ですから、手荒な真似は致しません 」
マオ
「 セロ、書状が偽物だったら大問題になるだろうけどさ、本物だったら婚約者は兄上様が寄越した正式な婚約者──って事になるんじゃないのか? 」
セロフィート
「 書状が本物だとしても、婚約者も本物とは限りません。
兄上様が匕魅呼様の為に寄越す予定だった本来の婚約者は、既にこの世に存在せず──、何者かの息の掛かった別の者が婚約者に成り済まし訪れた線も捨てきれません 」
マオ
「 おぃおぃ、幾らなんでも手が込み過ぎてないか?
何でそんな面倒な事をする必要があるんだよ? 」
セロフィート
「 それは──、この里を手に入れようとしている者に訊ねるしかないでしょう 」
マオ
「 婚約者なんだから焦って匕魅呼様を無理矢理襲う必要もないと思うんだけど──、何であんな阿呆な事を態々したんだろうな??
天性の阿呆なのか? 」
セロフィート
「 どうでしょうね。
匕魅呼様の婚約者でありながら女人を8名も侍らせて楽しんでいたような男です。
陸な大人ではないのは明白です。
マオの言う通り、本当の婚約者であれば態々里長を手込めにするような暴挙に出る必要はないです。
一回りも歳上なのですから、未成年の匕魅呼様に対しても余裕を持ち、大人な対応が出来た筈です。
早目に既成事実を作ろうと焦っていたのかも知れません 」
マオ
「 酷い男だな!
彼奴の●●●●を切り落として殺ろうよ!
2度と子作りなんか出来ないようにさ! 」
セロフィート
「 マオ、言葉を慎んでください。
匕魅呼様の前です 」
マオ
「 あ……御免…… 」
セロフィート
「 婚約者が本物であろうと偽物であろうと、年端もいかぬ里長への無礼千万な行いに対しては厳しく罰しなくてはなりません。
匕魅呼様を侮辱した事は、里に暮らす全ての里人を侮辱した事になります。
犯した罪の重さを知らしめ、悔い改めさせなければなりません。
匕魅呼様──、婚約者の件をマオとワタシに一任してください 」
里長:匕魅呼
「 …………セロ殿と…マオ殿に……任せるのか?
然し…………良いのであろうか… 」
セロフィート
「 良いのです。
困っている友に手を差し伸べ、手助けするのは友の役目です。
匕魅呼様の憂いをマオとワタシで晴らします 」
里長:匕魅呼
「 …………うむ…では──、婚約者の件は……セロ殿とマオ殿に一任する。
…………頼めるかの? 」
セロフィート
「 お任せください、匕魅呼様。
婚約の件も白紙に戻して差し上げます 」
里長:匕魅呼
「 白紙に戻す??
そんな事が出来るのか?? 」
セロフィート
「 マオとワタシに一任してくださるのでしょう?
それぐらい出来ます 」
マオ
「 だよな。
セロに出来ない事なんて、そうそうないもんな 」
古代魔法を使えるし──、〈 テフ 〉を構成したり、〈 テ
大抵の事なんか朝飯前だよ!
どんなに強くて偉くて権力を持ってる奴だって人間である以上は、セロに喧嘩を売って敵
返り討ちに遭って、実験台
セロフィート
「 匕
見ていただけますか? 」
里長:匕魅呼
「 我
分かった……。
謁見の間
セロフィート
「 有
マオ、謁見の間
マオ
「 うん。
匕
名残惜しそうな表情をしている匕
匕




