⭕ マオキノの処分 2
──*──*──*── 浴室
マオキノ
「 セロ様……僕は浴室で罰を受けるのですかエリ… 」
セロフィート
「 ワタシがマオキノに与える罰はコレです 」
マオキノ
「 ボクが受ける罰…エリ 」
?
「 クゥ~~ 」
マオキノ
「 エリ? 」
?
「 クゥ~クゥ~~ 」
セロフィート
「 ワタシがお前に与える罰は、首長海竜の世話をする事です 」
マオキノ
「 エリ!?
セロ様… 」
セロフィート
「 首長海竜の子供はお前に懐いています。
マオには首長海竜の世話は出来ません。
マオキノ、ワタシの罰は不服ですか? 」
マオキノ
「 ──いいえ、いいえ、とんでも御座いませんエリ!!
有り難う御座いますエリぃ!!
誠心誠意、この子の御世話もさせていただきますエリぃ!! 」
首長海竜
「 クゥ~~~ 」
マオキノは自分に擦り寄り、甘えて来る首長海竜の子供を抱っこした。
首長海竜の子供はマオキノに抱き抱えてもらえて安堵している様だ。
マオキノはセロフィートの恩情に感謝しながら、円らな瞳から大粒の涙を流した。
セロフィート
「 マオキノ、その子はマオのペットです。
マオの御世話役とペットの世話を兼任しなさい。
出来ますね 」
マオキノ
「 出来ますエリぃ!!
やりとげますエリぃ!!
セロ様の御情けに全身全霊で応えさせていただきますエリ!! 」
セロフィート
「 宜しい。
お前の分身体に抱き抱えられている間、ずっと不安そうにしていました。
お前以外が献身的に世話をしても死んでしまうでしょう。
この子のに救われましたね 」
マオキノ
「 エリぃ~~(////)」
セロフィート
「 名前を付けてあげなさい。
温泉でも泳げる様にしました。
晴れた日には海へ連れて行き、泳がせてあげなさい 」
マオキノ
「 はいですエリぃ!! 」
マオキノは首長海竜の子供を抱っこしたまま、器用にセロフィートへ頭を深々と下げた。
セロフィートは浴室の中にマオキノと首長海竜の子供を残すと浴室から出て、洗面脱衣室からも出た。
──*──*──*── 居間
セロフィートがドアの絵から出て来ると、マオとセノコンが心配そうな表情で立っていた。
セロフィート
「 何してます? 」
マオ
「 セロ、マオキノの罰って何なんだ?
酷い事してないよな? 」
セロフィート
「 残念でしたね。
してません。
マオキノには首長海竜の子供の世話を任せました 」
マオ
「 首長海竜の世話?
それがマオキノに与えた罰なのか? 」
セロフィート
「 首長海竜の子供はマオキノに懐いています。
折角ペットにした首長海竜の子供が早々に死んでしまってはマオも嫌でしょう? 」
マオ
「 それは確かにそうだけど……。
そんなにマオキノに懐いてるのか? 」
セロフィート
「 仲間か家族か──目の前で、見ず知らずの生物に殺され、怪我を負わされたのです。
怯えていた首長海竜の子供が命を助けてくれたマオキノに懐くのは当然でしょう。
生き残る為の本能がマオキノを選んだのです 」
マオ
「 そうなんだ…。
何はともあれ良かったよ。
セノコン、マオキノは無事みたいだぞ。
良かったな! 」
セノコン
「 はいですエリぃ~~~。
良かったですエリぃ~~~。
セロ様ぁ~~、有り難う御座いますエリぃ~~!! 」
セノコンはマオキノが無事だと分かって安心したのか「 うぇ~~~~ん 」と大泣きを始めた。
気持ちは分かるよ。
余っ程嬉しかったんだよな?
大泣きする程、マオキノに与えられた罰が優しかった事に安堵してるんだよな?
気が緩んじゃったんだよな?
セロフィート
「 セノコン、泣き止みなさい。
マオキノは浴室に居ます。
マオキノは首長海竜の世話をする為、浴室に住み込みます。
他のキノコンにも伝えておきなさい 」
セノコン
「 畏まりましたエリぃ~~ 」
セノコンは「 ひっく、ひっく 」と泣きながら長屋を出て行った。
マオ
「 セノコン……めっちゃ泣いてたな。
マオキノと仲が良いんだな… 」
セロフィート
「 キノコンは兄弟であり家族です。
セノコンがマオキノを心配するのは当然です 」
マオ
「 ……オレもホッとしたよ。
マオキノを処分しないでくれて有り難な、セロ! 」
セロフィート
「 マオには敵いませんね。
マオキノは首長海竜の世話をする為、同居する事になります。
良いですね、マオ 」
マオ
「 良いよ!
首長海竜の子供と一緒に暮らすのか~~。
ロマンだよなぁ♥️
セロ、首長海竜って何を食べるんだ? 」
セロフィート
「 海草類,魚介類を食べます。
餌も散歩も親代わりもマオキノに任せれば良いです 」
マオ
「 じゃあ、オレは何をしたら良いんだ?
オレのペットなのにさ 」
セロフィート
「 マオは遊んであげてください 」
マオ
「 うん。
名前を付けてあげないとだよな?
どんな名前にしよう? 」
セロフィート
「 名付けもマオキノに任せました。
温泉に入って来てはどうです?
温泉で泳ぐ首長海竜を見られるのは此処だけですよ 」
マオ
「 だよな!
首長海竜が居る温泉に入れるって、実は凄い事なんだよな!
オレ、温泉に入って来るよ! 」
セロフィート
「 どうぞ。
温泉から出たら『 いいこと 』しましょう 」
マオ
「 う、うん(////)」
セロと『 いいこと 』が出来る(////)
久し振りに『 いいこと 』が出来るんだ!!
気合い入れて身体を洗わないとだぞ!!
セロが用意してくれた着替えの浴衣とバスタオルを持ったオレは、[ 洗面脱衣室・温泉 ]と書かれているドアの絵を通って洗面脱衣室へ入った。
◎ 訂正しました。
僕が受ける罰…エリ ─→ ボクが受ける罰…エリ




