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⭕ 海の碧、夕の赫 1


──*──*──*── 森の前


 解体した素材,下処理した肉,加工する骨はマオキノの分身体に任せる事にして、オレはマオキノと一緒に解体所を出て、森の前に立っている。


 森の前にはみちしるべの看板が設置されていた。


マオ

ほんに出来たんだな~~。

  煉瓦道かぁ。

  随分と横幅が広いんだな 」


マオキノ

「 荷馬車がとおれる広さで作られてますエリ。

  煉瓦道は埋め込み式で作られてますエリ 」


マオ

「 煉瓦道は右左に作ったのか? 」


マオキノ

「 右側が海方面,左側は里方面へ向かう煉瓦道ですエリ。

  一方通行だと里と海のおうらいに不自由しますエリ。

  左右に分けて不自由さを解消しましたエリ 」


マオ

「 じゃあ、オレ達は右側の煉瓦道を歩けばいんだな。

  左側の煉瓦道の前にある板は、進入禁止を意味するのかな? 」


マオキノ

「 マオ様、海へ行きましょうエリ 」


マオ

「 そうだな 」


 里と海のあいだを繋ぐ為に作られた場違いな煉瓦道の上を歩いて海を目指す。

 マオキノの話だと、夜はほのかに青白く光るらしい。

 動物やけものが横切っても煉瓦道が痛んだり壊れたり、雨風にさらされて劣化したりしないようにコーティング魔法マジックで強化された特殊な煉瓦を使っているそうだ。

 流石はセロだな。

 抜かりがない。


 知らない鳥のさえずりや動物の鳴き声を聞きながら天然の森林浴を満喫している気分になる。

 目的地が分かっていて、安全な道の上を歩いているってだけなのに、おおらかな気持ちになれるから不思議だ。

 里に到着する迄にさん(ざん)森の中を歩いたから、森の中を歩く事にはウンザリしていた筈なのにな~~~。

 やっぱりさ、心の支えになる道ってのは、必要なんだなぁ…。

 こんなに立派で綺麗な煉瓦道を作ってくれたキノコン達に感謝だよな❗


マオ

「 マオキノ、草が生えて土が盛り上がって煉瓦道がデコボコしたりしないのか? 」


マオキノ

「 大丈夫ですエリ。

  煉瓦道周辺には雑草のたぐいが生えないよう処置されてますエリ。

  土が盛り上がる心配も無いですエリ 」


マオ

「 ちゃんと考えて作られてるんだな 」


マオキノ

「 煉瓦道の上を歩いている限りはけものに襲われる事もないですエリ 」 


マオ

「 そうなんだな。

  じゃあ、安心して森の中を歩けるんだな。

  それにしても随分と歩いてないか?

  だ海に着かないな 」


マオキノ

「 里から海までは徒歩で20分ぐらいですエリ 」


マオ

「 マジかよ。

  20分も掛かるんだな 」


 そんな訳で、オレはマオキノと他愛無い話をしながら海を目指して歩いた。


──*──*──*── 海


 約20分、漸く海に到着した。

 海に近付くに連れてしおの香りが漂ってていた。

 じつは半信半疑だったんだけど、しおの香りを嗅いで、「 ほんに海があったぁ~~ 」って感激した。

 白い砂浜の奥には、太陽の光を反射して輝いて見える碧い海が広がっている。

 までも果てしなく続いているんだろう。

 風が吹いていて、波も出来ている。


マオ

「 ──やっぱりさ、海ってデカいよなぁ~~~!

  海面はキラキラ光って綺麗だし、海水は冷たくて気持ちいし、無駄にテンションが上がっちゃうよな~~ 」


マオキノ

「 マオ様、彼方あちらに工房がありますエリ。

  海苔,塩,ニガリを作ってますエリ。

  てんししている魚介類は、キノコンがじかに海水へ潜って取ってますエリ 」


マオ

「 もう始めてるんだな。

  里で新鮮な海のさちが食べるのも近そうだな 」


マオキノ

「 マオ様、新鮮な魚介類を炭火焼きしますエリ。

  御賞味くださいませエリ 」


マオ

「 いきなりたのに食べてもいのか? 」


マオキノ

「 勿論ですエリ。

  此方こちらに御用意させていただいてますエリ 」


マオ

「 用意がいなぁ~~ 」


マオキノ

「 キノコンの伝達能力の賜物ですエリ。

  里から海に到着する迄の時間で用意しましたエリ 」


マオ

「 …………つくづく、マオキノ達──キノコンが敵でなくてかったと思うよ。

  ほんにな 」


マオキノ

「 マオ様、キノコンがマオ様の敵になる事はありませんエリ。

  マオ様はセロ様の所有物ですエリ。

  ボクはセロ様の大事な所有物(マオ様)を御守りする為に誠心誠意お仕えさせていただきますエリ。

  キノコンが創造主ゴディオールであるセロ様に謀叛を起こし、反旗をひるがえすような事はありませんエリ。

  セロ様はキノコンにとって絶対主ですエリ。

  セロ様と敵対する事は全キノコンの絶滅を意味しますエリ 」


マオ

「 そ、そっか…。

  折角、生きてるんだもんな?

  絶滅はしたくないよな… 」


マオキノ

「 “ 生きている ” と言うよりは、“ 生かされている ” と言う方が正しいですエリ。

  キノコンの原動力(エネルギー源)は〈 (原質)(みなもと) 〉ですエリ。

  〈 (原質)(みなもと) 〉の供給なくしてキノコンは生存する事は出来ませんエリ。

  セロ様が〈 (原質)(みなもと) 〉の供給をめられれば、原動力(エネルギー源)を失ったキノコンは60秒以内に死滅しますエリ 」


マオ

「 へ??

  〈 (原質)(みなもと) 〉の供給がストップすると60秒以内にキノコンは死滅するのか?? 」


マオキノ

「 しますエリ。

  キノコンにとって〈 (原質)(みなもと) 〉はいのちみなもとですエリ。

  〈 (原質)(みなもと) 〉の供給をめる事が出来るのは、キノコンの創造主ゴディオールであり、絶対主であるセロ様だけですエリ 」


マオ

「 …………セロがキノコン達の命運を握ってるって事かよ… 」


マオキノ

「 人間に例えると〈 (原質)(みなもと) 〉は酸素になりますエリ。

  人間は酸素を絶たれると酸欠になって死に至りますエリ。

  それと同様にキノコンには〈 (原質)(みなもと) 〉が大事ですエリ 」


マオ

「 セロなら酸素も無くせそうな気がしてたかもだ…… 」


マオキノ

「 セロ様は〈 (霊妙な能き)(の主宰者、)(諸天善神)(諸菩薩) 〉に作られた〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉ですエリ。

  酸素を無くす事も〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換する事も出来ませんエリ。

  〈 ゴデ()ッセ(にん)ルロド(ぎょう)ール(さま) 〉も万能ではありませんエリ 」


マオ

「 そうなんだ?

  流石のセロでも空気,酸素を自由に出来ないんだな。

  安心したよ 」


 いや、ほんに安心した!!

 “ 万能じゃない ” って事は素晴らしいよな!!

◎ 訂正しました。

  キノコンがマオの敵になる事は ─→ キノコンがマオ様の敵になる事は

  僕はセロ様の大事な ─→ ボクはセロ様の大事な

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