春風
薄手のカーディガンも
汗ばむ陽気に
手をかざして
歩むごとに
芽吹くような
息を弾ませてる
スタートもゴールも
一緒だって笑う
いい加減さで
春風は吹く
忘れ去りたい
思い出と
そうはならない
確信と
LikeにLove
その中間の
気持ちの淡さに
フィットしてる
ピン、と張った
水面のように
若い緑の
焦燥
柔く立ち上がる背に
揺れれば
崩れる儚さを
きっと
知ってる
でも行くから
一方的な
会いたいも
追いつけない
さよならも
駆けていく足音から
透き通る
切らした息も
見上げた空も
何もかも
奪いたい、今
濡れた目尻に
春風は吹く