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国と彼女のはじまり

アミュール家は代々王国に「守護者」として仕える家系だった。

この国マルテシアはもともと隣国のナイニアの一つの地域だった。

だが、肥沃な土地が多いことでほかの地域に比べて税収が高く、また魔法技術の目覚ましい発展から、徐々に中央から危険視されるようになった。



国からの圧力が年々強くなっていった頃、その地域を納めていた辺境迫が独立を宣言。

国と壮絶な戦いを繰り広げたが、今まで培った魔法技術を用いて善戦。

戦いは10年以上続き、このままでは国自体が滅ぶと危惧した中央は正式に州の独立を決め、州の真ん中を流れる大河にちなみ「マルテシア王国」となった。



辺境泊は王となった。

そして、辺境伯を守り勝利に導いた4人のナイトは、それぞれ研究していた魔導を駆使した戦いが評価され、「守護者」として国で奉られることになった。



培った魔導の種類にちなみ、彼ら4人はそれぞれこう呼ばれた。

黒魔法を使う『ダークナイト』

自然の力を支配する『アークナイト』

星の力を司る『ルーンナイト』

白魔法を使う『ホーリーナイト』

その騎士達の子孫もまた、代々国の守護者として政治で重役につくことになる。


アミュール家はダークナイトを始祖に持つ、守護者の一族だった。


一族の者は魔法を使えるのかと言われれば、戦争が当たり前にあった時代と違い、研究も昔ほど活発ではないため満足に使うことはできなかった。


そのため、守護者の家では16歳になると儀式が行われる。

過去のナイト達の力を継承するのだ。


始祖の魔力は強大で、死してなおその力は残り続けた。

自分たちの成し遂げた成果をさらに発展させて欲しいと、死ぬ前に自分の魔力を宝石にこめたのだ。

一族の長はその宝石を受け継ぎ、宿る力を消費する形で魔法を使っていた。


アミュール家の継承者は妹のマリー。

通常であれば長子のルカのはずだが、それはできない。


ルカは妾の子だからだ。



父がメイドの一人に手を出した。

異国の血が少し流れていた母が物珍しかったのだろう。

そして生まれたのがルカ。

父親は最低にも、同じ時期に正妻とも子を作っていたので、一月違いの姉妹ができあがった。

ルカの母は体が弱く、子供を生んですぐになくなった。

ルカは温情でアミュール家に住まうことになった。


だが、その境遇の子供が受け入れられるわけもない。

ルカは妾の子としてさげすまれ、ろくな教育も受けられなかった。

幼い頃はなんとか親の愛情を得ようと、いい子であろうとしたが、いくらがんばっても妹のように愛されることはなく。

結局、16歳の儀式の際に起こったある出来事をきっかけにルカの人生はさらに崩れていくことになる。



16歳の儀式がもう一度やってくる。



ベットの中で目を瞑れば、あの時の出来事が鮮やかに浮かび上がった。

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