突然! 湧き上がる怒りの中で、、、。
僕の中には、【魔物がいる!】
普段は、穏やかで優しいと言われる僕が、、、。
突然! どこからともなくやって来る自分の中の怒りで。
自分を見失う事があるんだ、、、!
▽
僕の名前は、『曽根 アキラ』36歳、独身で会社員だ。
最初に、僕の中に魔物がいると気づいたのは、、、?
僕が8歳の時の事、、、。
僕の家族は、お父さん、お母さん妹とおじいちゃん、、、そして僕の
5人家族だった、、、!
おじいちゃんは、一代で自分の会社を大きくした人で。
僕のお父さんは、おじいちゃんの会社を受け継いだ人なんだ。
・・・と言っても?
お父さんは、婿養子で会社を受け継いだから...。
おじいちゃんは、やたらと、、、?
お父さんに厳しく当たったんだよ、、、!
おじいちゃんは自分で、小さな会社を大きくしたもんだから、、、?
お父さんの代でも、もっともっと大きく成長させてほしいという思いが
強くあったんだろうけど、、、?
お父さんは、僕たちの前だと、、、。
本当に、疲れ切っていたんだ、、、!
そんなお父さんの姿を見ていた、お母さんが何度も何度もおじいちゃんに
お父さんの事を、【もっと優しく教えてあげてほしい】と頼んだのだけど。
おじいちゃんは、お母さんの声を受け入れなかったんだ、、、!
*
お父さんは、おじいちゃんの会社を受け継ぐプレッシャーから、、、。
首をつって死んでしまった、、、!
僕や妹に、とっても優しいお父さんだったのに、、、。
お母さんは、そこから精神的におかしくなっていって、、、。
僕たち家族は、めちゃめちゃになってしまった、、、!
でも、おじいちゃんは自分の会社を受け継がせたいから今度は僕に...。
▼
僕はおじいちゃんに、この会社を僕が受け継ぐ事は出来ないと強く言った
ところまでは、、、覚えているんだけど。
そこからの記憶が、僕の中で残っていない、、、!
その時の事を、思い出す事も出来ないんだ、、、!
僕が次に覚えているのは、、、?
自分の部屋のベットに座っていたところから...。
しかも、、、?
手が血まみれで、右手には血がべっとりとついたナイフを持っていたんだ!
*
会社の倉庫の中で、おじいちゃんが誰かに刺されたと後から聞いて。
直ぐに、僕は僕だと分かったんだ、、、!
でも、あまりの恐怖で僕はすべてを隠す事に決めて、、、!
服に飛び散った血痕や手についた血、それに血が着いたナイフを処分したんだ!
結局、僕が怪しまれる事はなかった、、、!
おじいちゃんは、会社で働いていた従業員の人たちからも恨まれていたし!
いや? 他にもたくさんおじいちゃんを恨んでいた人はいたと思う。
それが、僕が15歳の時の事だった、、、。
▽
あれから、21年経った今、、、。
僕は、その事をすっかり忘れていたんだ、、、!
おじいちゃんの会社を受け継いだのは、、、?
僕のお母さんだったから、、、。
妹も、お母さんの力になりたいとお母さんと一緒に今は頑張っているよ!
*
僕は、大学に行くため、、、。
あの街を出る事にしたんだ、、、!
たまに、僕の中の魔物が僕に訴えかけてくるよ!
【次の餌は、まだか?】
そんなモノないよと僕が答えると、、、。
僕の中の魔物は、ニヤッと笑い僕にこう言う。
【時期に、新しい餌が向こうからやって来る!】
・・・僕が、どう言う事だ! と言うと、、、?
僕の中の魔物は何も、答えなかったんだ...。
▼
僕の中の魔物が言った通り、、、。
僕に、新しい彼女が出来たんだ、、、!
彼女の名前は、『上崎 みおな』 26歳、事務の仕事をしている。
彼女は、明るくて派手な女の子なんだ、、、!
男がほっておかないタイプの女の子なんだよ、、、!
僕は、彼女と付き合いだして、、、。
ヤキモチを妬く事が多くなったんだ、、、!
『ねえ、みおな! 昨日は、誰と一緒にいたの、、、?』
『あぁ~! 会社の人よ!』
『男の人か?』
『まあ~そうね!』
『二人きりだったのか? 僕という【彼氏】がいるのに、どうして他の男と
二人きりでいるんだよ、、、!!!』
『何? また、ヤキモチを妬いてるの、、、?』
『・・・そういうんじゃないよ!』
『アキラって? まるで、子供みたいなのね、、、?』
『・・・・・・』
*
僕は、また僕の中の魔物を呼び出してしまったのかもしれない、、、!
・・・朝起きると?
僕の部屋中、血まみれになっていて、、、。
みおなが、胸にナイフを刺したまま息もせず、倒れていたんだ、、、!
僕は、また僕の中の魔物がやった事だと分かった。
直ぐに、また僕は証拠になるモノを全部処分したんだ、、、!
そして、僕はみおなを夜遅くに、昼間に借りてきたレンタカーの車に
みおなの死体をトランクに乗せて、山奥に埋めにいったんだよ、、、!
▽
あれから、半年、、、。
まだ、誰にも見つかっていない、、、!
警察も、僕とみおなの関係を聞きにはきたけど、、、。
それっきり、この事件は迷宮入りという形で終わってしまったんだ...。
まさか!? 誰も“殺人事件”だと思ってないんだよ、、、!
僕は、今も! この僕の中の魔物と一緒に居るよ。
【さあ! 次の餌をよこせ!】
『・・・・・・』
最後までお読みいただきありがとうございます。