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突然! 湧き上がる怒りの中で、、、。

作者: 七瀬




僕の中には、【魔物がいる!】


普段は、穏やかで優しいと言われる僕が、、、。

突然! どこからともなくやって来る自分の中の怒りで。

自分を見失う事があるんだ、、、!





僕の名前は、『曽根 アキラ』36歳、独身で会社員だ。



最初に、僕の中に魔物がいると気づいたのは、、、?

僕が8歳の時の事、、、。


僕の家族は、お父さん、お母さん妹とおじいちゃん、、、そして僕の

5人家族だった、、、!


おじいちゃんは、一代で自分の会社を大きくした人で。

僕のお父さんは、おじいちゃんの会社を受け継いだ人なんだ。



・・・と言っても?

お父さんは、婿養子で会社を受け継いだから...。

おじいちゃんは、やたらと、、、?

お父さんに厳しく当たったんだよ、、、!


おじいちゃんは自分で、小さな会社を大きくしたもんだから、、、?

お父さんの代でも、もっともっと大きく成長させてほしいという思いが

強くあったんだろうけど、、、?


お父さんは、僕たちの前だと、、、。

本当に、疲れ切っていたんだ、、、!


そんなお父さんの姿を見ていた、お母さんが何度も何度もおじいちゃんに

お父さんの事を、【もっと優しく教えてあげてほしい】と頼んだのだけど。


おじいちゃんは、お母さんの声を受け入れなかったんだ、、、!





お父さんは、おじいちゃんの会社を受け継ぐプレッシャーから、、、。

首をつって死んでしまった、、、!


僕や妹に、とっても優しいお父さんだったのに、、、。

お母さんは、そこから精神的におかしくなっていって、、、。


僕たち家族は、めちゃめちゃになってしまった、、、!

でも、おじいちゃんは自分の会社を受け継がせたいから今度は僕に...。




僕はおじいちゃんに、この会社を僕が受け継ぐ事は出来ないと強く言った

ところまでは、、、覚えているんだけど。


そこからの記憶が、僕の中で残っていない、、、!

その時の事を、思い出す事も出来ないんだ、、、!



僕が次に覚えているのは、、、?

自分の部屋のベットに座っていたところから...。


しかも、、、?

手が血まみれで、右手には血がべっとりとついたナイフを持っていたんだ!




会社の倉庫の中で、おじいちゃんが誰かに刺されたと後から聞いて。

直ぐに、僕は僕だと分かったんだ、、、!


でも、あまりの恐怖で僕はすべてを隠す事に決めて、、、!

服に飛び散った血痕や手についた血、それに血が着いたナイフを処分したんだ!


結局、僕が怪しまれる事はなかった、、、!

おじいちゃんは、会社で働いていた従業員の人たちからも恨まれていたし!

いや? 他にもたくさんおじいちゃんを恨んでいた人はいたと思う。



それが、僕が15歳の時の事だった、、、。



あれから、21年経った今、、、。

僕は、その事をすっかり忘れていたんだ、、、!


おじいちゃんの会社を受け継いだのは、、、?

僕のお母さんだったから、、、。


妹も、お母さんの力になりたいとお母さんと一緒に今は頑張っているよ!




僕は、大学に行くため、、、。

あの街を出る事にしたんだ、、、!


たまに、僕の中の魔物が僕に訴えかけてくるよ!

【次の餌は、まだか?】


そんなモノないよと僕が答えると、、、。

僕の中の魔物は、ニヤッと笑い僕にこう言う。


【時期に、新しい餌が向こうからやって来る!】


・・・僕が、どう言う事だ! と言うと、、、?

僕の中の魔物は何も、答えなかったんだ...。




僕の中の魔物が言った通り、、、。

僕に、新しい彼女が出来たんだ、、、!


彼女の名前は、『上崎 みおな』 26歳、事務の仕事をしている。


彼女は、明るくて派手な女の子なんだ、、、!

男がほっておかないタイプの女の子なんだよ、、、!


僕は、彼女と付き合いだして、、、。

ヤキモチを妬く事が多くなったんだ、、、!


『ねえ、みおな! 昨日は、誰と一緒にいたの、、、?』

『あぁ~! 会社の人よ!』

『男の人か?』

『まあ~そうね!』

『二人きりだったのか? 僕という【彼氏】がいるのに、どうして他の男と

二人きりでいるんだよ、、、!!!』

『何? また、ヤキモチを妬いてるの、、、?』

『・・・そういうんじゃないよ!』

『アキラって? まるで、子供みたいなのね、、、?』

『・・・・・・』




僕は、また僕の中の魔物を呼び出してしまったのかもしれない、、、!





・・・朝起きると?

僕の部屋中、血まみれになっていて、、、。

みおなが、胸にナイフを刺したまま息もせず、倒れていたんだ、、、!



僕は、また僕の中の魔物がやった事だと分かった。

直ぐに、また僕は証拠になるモノを全部処分したんだ、、、!



そして、僕はみおなを夜遅くに、昼間に借りてきたレンタカーの車に

みおなの死体をトランクに乗せて、山奥に埋めにいったんだよ、、、!




あれから、半年、、、。

まだ、誰にも見つかっていない、、、!


警察も、僕とみおなの関係を聞きにはきたけど、、、。

それっきり、この事件は迷宮入りという形で終わってしまったんだ...。


まさか!? 誰も“殺人事件”だと思ってないんだよ、、、!




僕は、今も! この僕の中の魔物と一緒に居るよ。


【さあ! 次の餌をよこせ!】

『・・・・・・』





最後までお読みいただきありがとうございます。

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