僕は醜い不届き者。
ブルーライトで自分の体を明るくする。
外はよく晴れているようだ。しめているカーテンから白いような黄色いような光が差し込んでくる。背後には壁が見えないほど積み上げられた段ボールが私を急かすように立ちはだかっている。
このような生活を始めたのはいつ頃だっただろう。私が「人間として」扱われなくなったのは。
長いこと声帯もふるわせていない。だが、目の前の光源では音楽がずっと流れている。
今日もまた、一言コメントが流れるSNSサイトと、誰かに「歌わせ演奏させる」生活に入り浸るのだ。
ところで、先程からなにかの気配がするのは何だろう。地を這うテカテカしたような何かが音を立てている気がするのだ。
まあ、気にしなくてもいいだろう。何であろうと意識さえ向けなければどうでもよくなるだろうから。そう思い、目の前の四角い媒体に目を向けた刹那、コツン。なにかが頭にタックルをしてきたようだ。反射的にそいつを目で追う。
……アレだ。完全にアレだ。漫画でよくヒロインに叫ばれる、新聞紙で潰されるアレだ。
「…うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
考えるよりも先に声が出た。漫画の展開と同じく逃げ回り逃げ回り、ようやく新聞紙でカバーし素足で踏み潰した。
や、やっと仕留めた…。我にかえる。思わず口を手で覆う。
____声を、出してしまった。
潰したヤツのことも考えることもできないくらい黒いものが脳みそを覆い尽くす。
ああ、嫌なことを、忘れたくて仕方のなかったことを思い出してしまった。悪夢のような現実を。
目の乾燥など気にもせず、瞬きなどせず、ただ目の前のコメントが流れる光景だけをぼんやりと、しっかりと、見つめていた。
閲覧ありがとうございます。初めまして、ひだまりなすずと申します。
2年ほど前に占いツクールさんで二次創作をしていましたが、こちらで執筆活動を開始させていただこうと思います。
あらすじにも書きましたとおり、高校生です。言葉足らずな箇所があれば申し訳ございません。少し目を瞑っていただけると幸いです。
不定期更新ではありますが、一週間に一度は更新をさせていただきます。
最後まで主人公の成長を見届けていただけると嬉しいです。