うん、まず話しあおう
と思ったらすぐきましたね。
「一回落ち着いて」
「妾は落ち着いているぞ」
「なぜ僕なんだ?」
これは当然の疑問である。
「それに魔王ならそれなりに縁談の話が来ているはずだ」
「うっ」
魔王は少し詰まったような返事をした。
「せめて理由は教えてもらわないと」
魔王は恥ずかしいそうに顔を赤らめながら行った。
「ひ・・め・・・だ」
「なんて?」
「だから!ひと・・・れだ」
「もう一回」
「だから、一目惚れだと言っておろう!」
「僕に?」
「お主以外に誰がおる?」
「ふむ」
どうしようー!何、俺魔王に一目惚れされたの?
いつ!?
まあこの際そんなことはどうでもいい。
「他の縁談の話ではダメなのか?」
「妾は自分よりも強いやつじゃ無いと認めん」
なるほど。
「それにお主が見せたあの笑顔かっこよかった・・・」
また顔が赤くなってる。
恥ずかしいなら言わないでほしい。
というかさっきからこっちも恥ずかしい。
「それで、妾じゃ不服か?」
「そういうわけでは無いんだが・・・」
「じゃあ、問題ないだろう」
うーむ。何か作戦をたてないとな。
「魔王様、少しお話が」
「わかった。ちゃんと考えおくのだぞ」
そう言って、魔王は部屋を出て行った。
「さてどうするか。他の奴に好意が向ける用にできないかなぁ」
「それは無理じゃないでしょうか、マスター」
「私もそう思うぞ。魔王様は一途だからな」
「そうなのか。っていつのまに!?」
「マスターが考えている間に」
「同じく」
「怪我はもういいのか?」
「休んだおかげですっかり」
「そうか」
「お前らに単刀直入に聞く。
どうすればいいと思う?」
「方法は二つあります。
一つは嫌いだと言ってすっぱり諦めてもらう。
もう一つは武力で諦めてもらう」
「そうなるのか」
「まあ、ご主人があえて嫌われような態度をとって
過ごすってのもあるが」
「それも一つの案だな」
「というかマスターはなぜ魔王じゃダメなんです?
あんなに尽くしてくれそうないい子なのに」
「・・・笑わないか?」
「笑いませんよ」
「俺まともに付き合ったことがないから女性経験ないんだよ。
それであんな可愛い子に迫られたら、そのかなりテンパっちゃいそうで」
「あれ、私たちは平気じゃないですか?」
「だって武器と部下で、
お前らは仲間だし」
ピキッ
何か割れたような音がした。
「へー、つまり私たちには魅力が無いと?」
「そういうことなのか、ご主人?」
「いや、そんなつもりで言ったわけではないんだが」
「ならば、私もマスターの恋人候補に立候補します!」
「は?」
「いやいや、別に村正は俺のことマスターとしか思ってないでしょ?」
「本気でそれ言ってます?」
「えっ?」
「私が好きでもない人にキスしたり、
布団に潜り込んだりするかって聞いてるんです!」
「でもあれは契約だったし、布団も守るためってことならば・・・」
「マスターは本当に鈍ちんですね。
あんなの建前に決まってるじゃないですか。
契約は肌で触れ合えばそれで終了です。
それでも私がそういうことをしたってことは、
マスターのことが好きだからですよ!
主従関係とか武器だからとか関係なくひとりの少女として!」
「えっと・・・」
「私はあのダンジョンにいた頃少なからず内部をみることが
できたんですよ。だからマスターとリアが戦っていることも
初めから知っていました。
そして、マスターは私の刀身を見た時も純粋にカッコいいって
思ってくれてたじゃないですか。あの目はそういう目です。
さらに刀としてではなく、ひとりの人間として扱ってくれました。
それだけでもう十分です」
俺は村正の顔を見ることができなかった。
「そして少なからず、リアにもそういう気持ちがある
んじゃないでしょうか?」
「リアが?」
リアの方を見ると、珍しく赤くなっていた。
「でも特にリアに対しては何も・・・」
「恋に理由なんていりません。好きなったら
それはもう恋が始まってるんです」
「・・・そうか」
「さて私は立候補しましたが、どうします?
リアさん」
「・・・まだこの気持ちがそうなのか私には
わからない。ただの思い違いかもしれない。
もう少し時間が欲しい」
「そうですか。まあ、たしかに勘違いっていうことは
ありますしね。それでマスターはどうするんですか?」
「えっと、何を?」
「私と付き合うって言う第四の選択肢を生み出しましたが
どうしますか!?」
「まあ、いきなり言われたわけだし。まだうまく判断できない。
魔王様もまだ待ってくれると思うし、今はこのままにする」
「わかりました。じゃあ、私はマスターがとられないように
これから積極的にアピールしていきます。少しでも
振り向いてもらうために。
もう隠す必要ないですしね。
てな訳で」
ゴソゴソ
「何やってるの?」
「マスターの布団の中に入りました」
「えっと、出てくれ「いやです」
俺の言葉は遮られた。
「そうですか。リアまた引っ張り出してくれない?」
「本音を言ったのだから私がやるのは無粋だ」
ガチャ
「少しは考えてくれたかー?」
魔王様が帰ってきた。
gwが終わってしまった。
村「やっぱり結構強引でしたかね」
魁「かなり強引だったと思うぞ」
村「まあ、これで思う存分イチャイチャする理由ができたわけですから、多少のことはね?」
魁「いいのかよそれで」




