どうしよう...
模試の勉強やる気が出ない。
「こんなところで一人でいるなんてなあ、
警戒してなかったのかあ?」
さてどうするか、あれ、でもこの声どっかで聞いたことが
あるような・・・
まあ、いいや。早く戻らねば。
あとは少女っぽい感じで振る舞ったほうがいいよな...
「はい?」
俺は出来る限りそれっぽい感じで声を出し、
振り向いた。
そこにいたのは、
こいつら村正にナンパしてきた3人組じゃねえか。
どうりで聞いたことのある声だ。
「あのー、どうかされました?」
だが、声をかけてきた奴が動かない。
「好きだ!付き合ってくれ!」
「はいぃぃぃぃ!?」
何を考えてるんだこいつは?
「前に似たような銀髪か白髪かわからんかったが、
姉ちゃんに声をかけたが見事に返り討ちにされてな。
だが、あなたは違う!」
ちょっと待って、まだ整理が・・・
というか二人称があなたになってる!
「その姉ちゃんはただ声をかけて見ただけだが、
あなたは本当に気の迷いなんかじゃない!
本当に恋をしたんだ!」
すごい顔が引きつりそう。
なんて返せばいんだろう。
まあ、こうでいいか。
「すいません、私、自分より強い人以外興味ないので」
「ならば俺、いや僕と勝負してください」
今度は1人称が僕になった。
人って好きな人の前ならここまで変われるんだなあ。
「アニキ、前みたいにコテンパンにされるかもしれないし、
やめといたほうが」
「バカヤロウ!それでもここで諦めたら
意味がないじゃねえか!」
しゃあない、やるしかねえか。
「わかりました。もし私に勝てたらその話受けましょう」
すると、自動的にフィールドが展開された。
そういえば戦闘すると自動的に結界が張られるんだっけ。
「お前らはそこから見てろ。
では行きますよ、お嬢さん」
あの時とは意気込みが違うのか、腰につけたあったけんを抜き
突っ込んできた。
だが、
時を止めてもバレないかな、まあいいや。
普通に身体能力にさを見せてやろう。
俺は一瞬で相手の懐に潜り込みストレートを食らわせた。
「ゴハッ!」
アニキと呼ばれたそいつは血を吐いて倒れた。
こいつが相手だったから、勝てたが、魔王ともし
戦うことになったら勝てるんだろうか。実戦経験全然ないし。
その後フィールドは自動で解かれた。
「手加減しましたので、死んではいないと思いますが、
一応手当をそこのお二人お願いします」
そう言って立ち去ろうとした時、
「待ってくれ」
あの男が顔だけあげて言ってきた。
「あなたはなぜそこまで強いんだ?」
「さあ?」
そう言って俺は立ち去った。
「今こんながたいで、あなたとはもし勝っても見た目的に
つり合わないかもしれないが、絶対にあなたとつり合うように
なって、そしてあなたよりも強くなってみせる!」
この先この男が本当にイケメンになって
ドラゴンを一人で狩れるくらいの
一流冒険者になるのはまだ誰も知らない。
「そういえば!まだ変身解いてない。
どこで解こうか」
路地裏はもうこりごりだし、第1個の姿でいるのはまずい。
なぜかというと、本人が個の姿を見られるのがすごく恥ずかしいからだ。
というか、さっきのやつに見られてるじゃねえか。
ま、この先金輪際合わないと思うからいいか。
幸いまだ路地裏から大通りに出てないから、他の人には見られてはないはず。
いいや、リアの家までワープ!
「よし戻ってきたな、ここなら変身解除」
さて、冒険者ギルドまで行こうか。
十二神将ってもう名前からかっこいいよね。




