表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜空と星  作者: 小田桐
25/31

海へ

 由美さんが乗り物に弱かったのが意外だった。

 祐介のおばあさんがやっている海の家に行くために俺たちはバスに揺られている。


「気持ち悪いよ〜」


 今にも吐きそうな顔で由美さんが弱音をあげる。

 そんな顔をしていても美人は絵になるんだね、と他人事にように考えていた。


「大丈夫?」


 実際はたいした心配はしてないんだけど、声をかける。

 乗り物酔いしたぐらいで人間は死んだりはしないしね。


「全然、雨夜くんの膝に吐いていい?」


「絶対にイヤです」


 後ろの席では亜美さんと星子が楽しそうに話している。

 祐介はすでに現地にいて一緒にはいない。

 どうやら、由美さんが乗り物に弱いことを知っていて俺を生け贄にやったらしい。亜美さんも星子も酷いや・・・・・。


「由美、辛いなら袋渡そうか?」


 亜美さんの旅行鞄から袋が取り出され、俺に渡される。

 どうやら、俺に処理しろということらしい。


「いらない」


 必死に耐えてる由美さんが少し可愛い。

 俺の中では小悪魔的なイメージの強かった由美さんだけど、今日で少し見る目が変わった。もちろん、良い意味でだ。


 バスの中で終始、ウエッとかオエッとかッグとか隣で聞こえていたが気にしない。

 かなり気になるんだけどね・・・・・。

 というか、俺まで気持ち悪くなってきた・・・・。


「潤平、大丈夫?」


 後ろから様子を見ていた星子から声をかけられる。


「大丈夫かな、たぶん」


「辛くなったらこれ使って」


 またしても亜美さんの鞄から取り出された袋を渡される。

 俺と由美さん、どちらも死にそうな顔をしながらバスを降りることになった。



「まだ着かないんですか?」


 今度は汽車に乗っている。

 祐介のおばあさんの家ってどれだけ遠いのさ?


「もう少しかな、この後バスに乗って到着」


「すごく遠いんだね」


「そうだね、半日かけて海に行ってるからね。まぁ、それでも帰りは車で送ってもらえるから楽なんだけどね」


 駅で食事を済ませてからバスに乗りようやく海にたどり着いた。

 移動だけで疲れてしまった俺は、その日は仕事らしいことはなにもせず部屋でぐっすり寝ていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ネット小説ランキング>恋愛コミカル部門>「夜空と空」に投票>
ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ