2回目
優子と佐織が見守る中で遅い朝食、早い昼食呼び方はどっちでもいいのだが、それを食べ終わると3人で優子の部屋に行った。
最近買ったばかりのゲームを3人で順番に対戦して遊んだ。
「負けた人がおごりでアイスを買ってこない?」
この中では俺が一番弱い、そんな俺におごらせるつもりで妹は提案してくる。
それでも弱い癖に負けず嫌いな俺はもちろんオーケイするし、佐織だって断ったりしない。3人で遊ぶときのいつものパターンってやつだ。
勝負は時の運。
それとも言い出しっぺの法則と言うのだろうか、負けたのは言い出しっぺの優子。
「俺はバニラね」
「私は雪○だ○ふくがいい」
こうなるのは優子にとって想定外だった出来事だろう、財布を眺めてお金を計算している。俺は助け船を出すつもりはない。勝負の世界は厳しいんだ。
結局は文句を言いながらも不満そうな顔をして買い物に行く妹、それを玄関まで見送ってから部屋に帰る。
部屋の主が居なくなった部屋で佐織と2人きりになった。
「ゲームでもしてるか?」
「ん〜、少し疲れた」
佐織はそういって俺の膝の上に頭をのせた。
いつものことなんだが、朝のキスがあって少しドキドキしてしまう。
改めて見ると佐織は可愛い。
「ジュンくんの膝って落ち着く」
「そか」
俺は答える。もっと上手い言い方があるだろうに。
やることがなく何となく佐織の顔を眺めていた。
特に唇を見ていると柔らかい感触を思い出す。
「私の顔みてて飽きない?」
不意に佐織に言われる。
思わずドキッとしてしまう。
「ああ、可愛いと思っててね」
なんとか誤魔化す俺。
「キスしたくなるほど?」
佐織は悪戯な笑みを浮かべてる。
困った、どうしようか。
「したいと言ったらさせてくれるの?」
うろたえながらもそれを見せずに余裕をもって口にする、自分ではそんなつもりで。
「別にいいよ」
佐織が俺の膝から頭を上げ手を首筋に回す。
そのまま、唇が重なった。
「また、しちゃったね」
そう言って佐織が俺から少し距離を取る。
「誰にも内緒だよ」
照れるような笑みを見せて佐織が微笑んだ。
優子が帰ってきたのはそれから10分ほど立ってからだった。