エピローグ
────今日ぐらいは退屈じゃなくなるかな。────
毎日学校、学校なくだらない退屈な日々に少しでも抜け出せるかと、地元のちっさいスーパーでバイトして貯めたお金を使い「一人旅」なるものに出かけて見た。
フェリーに揺られ、向こうに広がる海を見渡しながら椅子に座り必死に現実逃避をしていた。
────なにかアニメや漫画みたいな非日常的なことでも起きないかなぁ。───
しかし頭の中に浮かぶのは3日後にある学校のこと。
実のところ高校受験の際に第一志望に落ちていまの高校に通っているのだが、なにを考えるにするも、もしあの高校にいけていたらなぁという反実な仮想が必ずでてくるのである。
「今日は一人なんですか?」いきなり見知らぬおばさんに尋ねられた
「あぁ、はい。そうなんです。」と、精一杯の作り笑いで答えた。
よくクールだとか、冷たいだとか他人に興味があまりないからかよくそんなことを言われる。
だから精一杯の作り笑いでさえも不安が残っていた。
すると
バキッッ! なにか音がする。
次の瞬間
バキバキッ ドゥゥオオオオォォンンッッ!
聞いたこともないようなすごい音がした。すぐさまフェリーから身を乗り出し外を見ると海面にはとてつもなく巨大な渦潮が発生している。
「あぁ。俺、今から死ぬんだな」船体の下部の損傷が激しかった。これを目にした時点で自分、広海宇宙はそう思った。
しかし、広海宇宙はある場所にいた。
その場所とは一体。