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これは青い空で…アレは白い雲。
そして…どこまでも続く宇宙を俺は見ている。
この明るいのは太陽が俺の目の前ににあるからで…
つまり…俺の背中側は夜だ。
古ぼけた田舎の高校に東京から引っ越してきたのは一週間前で…
早くも俺は学校の屋上で…
『なあ雪斗!』
そして、突然俺の視野に割り込んだのはインスタントフレンドの…
『守!邪魔だ。そこをどけ』
守は、俺が転校してきた当日から俺に付き纏う片思いな友達だ。
片思いというのは俺が守に好意を持ってるわけじゃない。勝手に守が俺を友達だと思っているのだ。
別に俺は友達だとは思っていない。
そもそも友達って…なんだ?
だから奴は俺にとってインスタントフレンドってわけけだ。
『雪斗!またサボってんのか?』
『お前には関係ないだろ…だいたい俺に付き纏うな』
『付き纏うなって!酷い奴だなお前、俺達、友達だろ!』
『…その友達って何だ?俺はいつから、お前と友達になった』
守は俺の隣に片膝を立てて勢いよく座ると両手を背後に下ろし手をついた。
どうやら空を見上げているようだ。
そのまま静かな空を数秒眺めた守は自信満々に話す。
『出会った時!』
『はっ!?』
俺は、理解不能な奴の言葉を建築的に考えたが意味がわからなかった。
『だってさ…友達になるのに理由とか…許可とかさ…無いだろ!!そんなの…いらないだろ…』
俺は、呆れ顔で答える。
『お前って本気で自己中だな!俺は1人になりたいんだ!俺に構うな!これが俺の答えだ…消えろ』
守は静かに立ち上がると背を向けたまま話す。
『自己中はどっちなんだかな!?まるでお前は…この空だ』
そのまま守は振り返る事なく階段に消えていった。
『俺が…この空みたい?…また理解不能だ…』
『あのぉ…そろそろ』
『俺が?この空!?…あいつアホか?…あ〜!後味が悪い事吐き捨てやがって!…』
俺は、意味深な捨て台詞を建築的に理解出来ずイライラしていた。
すると、突然女性の声が背後でする。
『あのぉ…雪斗君…そろそろ屋上の鍵しめないとだから…』
そこには、水谷川色葉が立っていた。顔を赤くして、なんだかビクビクしているようだ。
『悪い…出るよ』