表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マネーの俺  作者: 佐藤 正夢
ヒエラポリス編
13/18

ドラゴンの肌って近くで見るとちょっと不気味。

巨龍の咆哮が夜空に響き渡る。

星々が震えているのでは?と思うほどの空気の揺れを感じる。

こんな状況でも夜中にうるさいな、なんて苦情を入れるような人は日本にいるのだろうか?一人くらいならいそうだ。

そんなことはどうでも良く、俺は現状で足が竦んでいた。


これやばいんじゃね。


額に汗を浮かべながら俺はボクシングのような構えを取る。まあ長剣グラムクロスはほとんど上手く使えないから素手なのは仕方ない。


さてどうするか。俺が使える魔法で目の前のドラゴンにダメージを与えられるもの••••••おそらく、いや絶対にない。


物理的な攻撃なんて何の意味もなさないし、やはりあの異能を使うしかないか。

俺は自分の両手を広げてみる。

最終手段というよりも俺がやれることはそれしかない。ただこんな規模の生物に向けて使ったことがないから、どんな風に用いればいいのか少し思案する必要がある。


個人的な戦闘の方法は決定した。

それよりも••••••


俺はシノビ部隊に目を向ける。

彼らの考えがより重要だ。これは個人戦じゃない。団体戦だ。それに俺自身はこの世界に生まれてまだ一月も経っていない。知識としてはある程度持っているが、経験はまるで乏しい。


シノビ達と連携することがこういう場合一番だろう。


「ドラゴン相手はさすがに無理よ。封印の方法を整えなきゃならないわね。」


ドラゴンを目の前にしてシオリもさすがに驚きが無かったわけではない。ただ驚いて行動が遅れるなんていう無能さは晒さない。

それはイルサックも同じだった。


「至急、転移手杖で神官達を連れてくるように部下に伝える。」


「ええ、そうして。それまでは持ち堪えるわよ、絶対に。」


イルサックが考えていることはおそらく転移手杖でグード森林に飛んで、エランテルにいる神官を連れてくる方法だ。


六人の神官が必要なドラゴン専用の封印魔法、龍星奉還りゅうせいほうかんを行えれば、なんとかドラゴンを封印することができる。これはすべて本の知識。

まあでも間違いないだろう。現状を打開できる唯一の方法がそれだと言っても差し支えない。


「みんな、里へ意識を向けさせないように!絶え間なく攻撃を加えるのよ!」


そう言うと先頭を切ってシオリが飛び出した。

ドラゴンの意識をこちらに向けるために派手な魔法をぶちかます。


「ワームフレイム!!!」


芋虫のように蠢く炎がドラゴンの首元に直撃した。予想通り、そこには傷一つ生まれない。


シオリは動揺しなかった。分かりきっていたことだ。ドラゴンを倒すことなど出来ないと。いや傷一つ付けることすら出来ないと。


痒いなと感じる程度にしかドラゴンの感覚は変化していないだろう。もっと派手に攻撃をしなくては。シオリは決心してすぐに行動を起こす。


「イノセント・ヘルドライブ!!!」

熱を纏う衝撃波が木々を燃やし尽くし、薙ぎ倒しながらドラゴンの脚部で爆発を引き起こす。

先ほどの魔法とは威力が違う。そして爆音も重なり、ドラゴンの聴覚をも刺激した。


ただやはり傷は一切ついていない。

目の前のドラゴンは地龍に分類されるものだ。地龍は特に耐久の面が優れているという。それを今実感できる。


ドラゴンは大きな目玉をシオリへと向ける。さすがに煩わしいと思ったのか、里ではなくシオリをターゲットに選んだようだ。


シオリとしてもそれが狙いだったので、思わずほくそ笑む。


他のシノビ達もようやく行動を開始した。

シノビは基本魔法を使えない。シオリは例外だが、他は魔法ではなくシノビ特有の魔法と言ってもいい忍術を使用する。それはイルサックもクロエもそうだ。


ただ忍術は派手とは程遠く、隠密性に優れたもので火を吹くだとか、雷を落とすだとか、そんなものは存在しない。


そのためドラゴンの注意を引く方法がシノビの彼らには到底考えつかなかったのだ。その上でシオリの存在もあった。シオリがいれば前段階、いわゆる注意を引くことはやってくれるだろうと予想したのだ。今は予想通りの展開だ。


シオリの魔法が彼らに勇気を与える。対峙する勇気を。


彼もその一人である。

どんな対価を払ってもいいから神官を連れてこいと部下に伝えたイルサックは暗闇に包まれた森の中を疾走する。


ドラゴンの後方へと回り込み、手裏剣を投射するが、跳ね返ってそのまま地面に落ちた。岩の壁に小石を放り投げるよりも無意味なこと、イルサックもそれは重々分かっている。頭では理解していても実際に攻撃して再確認するべきだろうと思った。


イルサックはドラゴンを見上げる。

こちらを見向きもせずに素早く移動しているシオリに対してだけ牙を剥いて威嚇している。


イルサックは思う。自分はこの生物にとっては虫以下なのだろう。しかし今は自分のことを周りを飛び回るハエのような邪魔者だと認識させることが最重要事項だ。


「対人戦闘ならば自信があるのだがな••••••」

そう呟いてからイルサックは両手で印を結ぶ。それが忍術を使用するための前準備。


「分身の術!」

見た目がどれも変わらない五人のイルサックが出現した。本物は一つだけ。これで文字通りドラゴンの目の前をハエのように飛び回ってやる、イルサックは意気込み、ドラゴンの尻尾から胴体へと体格には似合わないくらいの軽い身のこなしで駆け上がる。


シノビの極限なる身体能力でドラゴンの顔の前に躍り出る五人の影にシノビ全員が意識を向けていた。


「イルサックさんだ••••••!」

「俺たちも行くぞ!」

「ああ行こう!」


イルサックの姿を見てから他のシノビ達も一斉に飛び出していく。


同じように分身の術を駆使してドラゴンにとっての目障りな存在だと認識させようとしている。


しかし効果はさほどない。ドラゴンは歩みを止めることなく、徐々にではあるが里の方へと近付いている。

シオリの魔法でもドラゴンの移動をほんの少しだけ遅らせているだけだ。



俺こと鷲宮 康はどうするべきかと思案する。それは短い時間だった。数秒にも満たないほどに。


シノビと変わらないくらいの速度で俺は走る。

この目の前のドラゴンは俺が止める!こんな風に思うのは初めてだ。俺という魂が初めて思うことだ。

そう思いたかった。成し遂げることができれば英雄になれるのではないか。女の子にキャーキャー言われるのではないか。


偽らざる思いだ。うん、理由としてはあんまり褒められたものではないかもしれない。


ドラゴンの肌がくっきりと見えるくらいの近さまで俺は接近した。ドラゴンってやっぱトカゲみたいだな、なんてふざけたことを故意に考えて俺は苦笑する。


シノビの里には感謝している。シオリには感謝している。

恩返しを•••••••••しよう。


俺は強く、より強く、今までにないほど強く念じる。右手に力を込めると金色と銀色の光が漏れ出す。


あれこんな豪華絢爛な色出てたっけ?


初めての感覚に戸惑う俺だったが、今はそんなこと気にしている場合ではない。


「めちゃくちゃデカいのかましてやる!!」


思いきり飛び上がり、骨が折れてしまうほど強く右手を地面に叩きつけた。



「アルジャン ロワ!!!」


地面が小刻みに揺れ、やがて大地震のような揺れへと変わっていく。

どこぞの大魔法だとその場の誰もがそう思う。自然現象だとしても、こんな揺れはあり得ない。


発生源である俺も恐怖を感じるほどに。



同じ頃、何も出来ずに無力感に苛まれていたセラは突如としてきた大揺れにしゃがみ込む。いやそうせざるを得なかった。普通に立っていられないのだ。

何が起こったのかセラのいる場所からは分からない。


ドラゴンも周囲をキョロキョロと見回している。相手が人間ではないのに驚きの表情をしているのが理解できる。


次の瞬間、目の前のドラゴンがぐらっと傾いた。咆哮を上げてドラゴンはもがく。

今まで聞いたことがないような轟音がうねるようにセラの耳に聞こえてくる。

甲高い金属の擦れる音のような感じ。


セラは自然と走り出していた。草木を掻き分けて一直線にドラゴンの元へと向かう。

誰も止めようとはしない。なぜならセラの近辺にいた者は皆、同じ行動をしていたからだ。


ドラゴンがジリジリと沈むように下がっていく。


「大地が口を開いた?まさか••••••そんなことが。」

セラの耳に聞こえた声は誰の者かは分からない。しかし多くの仲間がそれと同じ思いを抱いていた。


ドラゴンに近付けるだけ近付くと思いもよらぬモノが視界を捉えた。硬貨だ。幾千万では及ばぬ硬貨の大海がそこにはあった。


全てを飲み込む金属の海。シオリは呆然とその光景を眺めていた。

力が抜けてシオリの手から短剣が落ちる。短剣は硬貨に飲み込まれ、目の前から消え失せた。


ドラゴンの両手両足が埋まり、そして胴体が埋まる。底無し沼のようにドラゴンは沈んでいく。



「シオリ様!イルサック様!神官を連れてきまし•••••••••な、こ、これは••••••?」

神官を呼びに行っていた部下は顎が外れたように口をあんぐりと開いたまま硬直した。


「何なのだ、これは••••••」

神官の一人、ペルガモンがか細い声で呟いた。ギリギリ言葉として認識できるくらいの小さな声で。


「こんな光景は見たことが••••••未知なる大魔法か?」

神官の一人、バブもペルガモンと同じような反応をしている。

他の神官のルンデヴァルト、ソルター、ギャンドレも若干の違いはあれど、驚きは変わらない。

しかし一人だけは薄い笑みを浮かべている神官がいた。その場にいた神官唯一の女性、ビオラ。彼女が笑っていることに他の誰も気付かない。


「どうしますか?龍星奉還の準備をしますか?」

薄笑みを真剣な顔つきに変えてビオラは先輩である五人の神官に問う。

答えはすぐには返ってこない。考える時間が長かったなんて理由ではなく、目の前の幻想的な光景から目を離せずに、聴覚に意識を向けていなかったのが理由だ。


「••••••あ、ああ、何があるかわからん。準備を始めよう。」

六人のうちで最も長く神官を務めているペルガモンがそう言うと、他の神官も目を覚ましたかのように準備を始める。


龍星奉還の準備。まあただ祈るだけだ。それは非常に長い時間が必要で、最低でも一時間は掛かるという。もちろん優秀ならばそれだけ早く、無能ならば比例するように遅くなる。そこは神官の腕の見せ所だ。


ドラゴンを封印する機会は早々ない。翼竜のような小さなドラゴンであれば冒険者が何の苦労もなく倒せるほどの力しかないため、封印する必要がない。ただ今回のような地龍は人間が倒すことのできるレベルを超えているため、封印が必要だ。もっとも地龍のようなドラゴンを倒せる人間がいないわけではない。しかしそんな者はアトランティスの中でも数少ない。低すぎる可能性に頼ることなど出来ない。ということで高確率な方を選択したというわけだ。


祈りの準備が終了する。

神官はドラゴンを囲むように適当な六ケ所に散らばった。

そして六人が高らかに叫ぶ。


「世界の理を捻じ曲げろ••••••龍星奉還!!!」



地龍はもはや頭しか地上からは見えていない。手足、胴体、尻尾•••他の全てが飲み込まれている。にもかかわらず、神官たちは龍星奉還を行った。それは悪いことでは決してない。無意味であることは誰の目にも明らかであったが。


青白いオーラのような薄い霧がドラゴンを包み込み、夜空へと粒子となり消えていく。

どうやら成功したらしい。地面から顔を出していたドラゴンは消失した。残ったのは金貨や銀貨、銅貨、青銅貨が含まれた硬貨の海だ。


うわぁ!金だ金だ!とテンションを異常に上げる無粋な者はいない。

水面に近づくみたいに硬貨の海に恐る恐る手を近づける挑戦者なら何人かいたが。

人間は好奇心には勝てないようだ。


シオリもその一人だ。手に持った硬貨を見つめてからジャラジャラと硬貨の海に返す。そんなことを数回繰り返してから呟く。


「本物みたいね••••••」


「シオリ!こりゃあ一体何の魔法だ?」

イルサックが木から飛んで、シオリの背後に降り立つ。

「こんなことができる魔法はこの世に存在しないわ。」


「まさか。じゃあこれは神の仕業とでもいうのか?」


「ある意味、そう考える方が納得がいくわ。」


シオリは今まで無意識に肩の力を入れていた。それがふっと抜ける感覚。やっとのことで本来の自分に戻ることができた。


「••••••いや、今のは忘れて。この世に神なんていないわ。でもそうすると私の知らない魔法があるということ。」


「そんなこともあるだろう。お前が知らない魔法だって存在するはずだ。」


自分の知識を疑えと言われている気がした。イルサックにはそのような意図は決してなかっただろうが。

シオリは少しだけ反省する。魔法の全てなど理解しているわけがない。一端を垣間見ただけで全てを理解したつもりになっていた。


「そうね、少し思い上がっていたみたい。」


「それでどうする?一度里の方へ戻りましょう。何か起きている可能性も否定できないわ。」


「ああ、そうだな。」

イルサックは頷き、同意の意思を示す。

その時、硬貨の海が淡く白い光を放ち始めた。元々金や銀色だったからか、そんなに目立った変化ではない。


そんな硬貨の海が目の前から転移するかの如く、消え失せた。

シオリとイルサックが言葉を失っていると遠くで二人を呼ぶ声が聞こえてきた。声の主はセラだった。


「どうしたの?」


「はぁ、はぁ、お二人とも•••見ませんでした?」

荒い息遣いに肝心な部分が聞き取れなかった。


「セラ、落ち着いてからもう一回言って?」

シオリはセラの肩に優しく手を乗せた。

セラは一度深呼吸してから再度口を開く。


「コウを見ませんでしたか?」


「コウ?一緒じゃなかったの?」


「はい、ドラゴンの方へ飛び出して行って、それから見てないんです。」


「周辺一帯をくまなく探すように部下全員に伝えるぞ?」


「ええ、お願い。」


イルサック、そしてシオリの対応はとても早急なものだった。


それにセラは戸惑いを覚えた。自分達は彼等からしたら部外者であることに変わりはない。見捨ててもおかしくない存在なのではないかと。これは今まで生きてきたセラの経験がそう判断させた。そういう対応に慣れてしまっていた部分が多分にあったのだ。


セラはそれを口にしていない。心でそう思っただけだ。でもシオリには彼女が何を考えているかがすぐに理解できた。


イルサックが少し離れて部下達に念波を送るのを確認してからシオリは話し始めた。


「あなたたちはもう部外者じゃない。それに私の方から里に呼んだのよ?部外者だから助けないなんて言うはずないでしょ?それにね、共にご飯を食べて、共に遊んで、共に笑って、そんなことをしてるのに仲間じゃないわけないでしょ。」


諭すように優しく語りかけるシオリにセラは何かに気付いたような表情を見せてから、小さく笑った。


「はい••••••そうですよね•••仲間ですもんね。」


「ええ、そう。仲間よ。」


セラは丁寧に腰を折り、頭を下げることによって感謝の意を示した。


「シオリさん。」


「何?」


「私、顔に出てました?」


「ええ、思ってることバレバレよ。」


セラはあははと苦笑しつつも直さないといけないなと素直に思った。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





暗い森の奥深くから眩しいほどに白き光が放たれる。城から眺めていた紺色のローブを纏う男達は一様に何が起こったのかと騒ぎ出す。


「うるさいですよ。夜分遅くに。国民の皆様の睡眠を邪魔するのは良くないです。」

そんな男達を眉を顰めながら不快だというばかりに批判したのは左側が真っ黒、そして右側が真っ白にきっちりと分けられているローブを着た優男だった。


「し、しかし、今の白い光は?」


「知る必要のないことです。」

男の言葉をすっぱり切り捨てて、いつの間にか手にしていた湯気の立つコーヒーを一口啜った。

「ドラゴンでもダメですか。ユーティリアの言う通りかもしれません。シノビとは忍耐力の塊だと••••••あながち間違いでは無さそうですねぇ。」


「メドヴィス様、隠密調査に出ていた者が戻って参りました。」


「おお、もうそんな時間でしたか。今から出迎えましょう。」

にこやかな笑い顔を見せたメドヴィス。しかし目は死んでいる。彼の目を視界に捉えるだけでその場にいた男達はぞくぞくと背筋に悪寒が走るのを感じた。


報告をした男はその場にいた男達とは違い、衛兵の格好をしている。

彼も平静を装っているように見えるが、背中にはべっとりと汗が滲んでいた。



メドヴィスは衛兵の案内で城の大門を潜り、外へ出た。ひんやりとした微風が肌を撫でるように優しく通り過ぎていく。メドヴィスには不快なものだったが、慣れているので別にどうということも無い。

城のすぐ外には大通りに面した石造りの家がずらっと左右に建てられている。明かりは全て消えており、物音ひとつせずに静まり返っている。国民はもう就寝している時間だ。



ふとメドヴィスの視界に入ったのは気を失っているのであろう男とその周りを囲んでいる黒の暗殺者達。

彼らはメドヴィスの方に向かって一様に片膝を立て、頭を下げている。


「この方は?」


「はっ!森の中で倒れていたのを発見しました。格好から見てシノビだと思われるので殺そうかと思ったのですが••••••メドヴィス様のご判断を拝聴した方が良いと思いまして••••••」

メドヴィスの疑問に暗殺者の一人が答える。


「ほう•••••••••」

メドヴィスは目を細めて、その暗殺者を見据える。目に見えて暗殺者は震え始める。端から見ても分かるくらいに。


「••••••素晴らしい。いや素晴らしい判断ですよ。暗殺者君。いや、これは失礼•••あなたの名前は?」


「バルトと申します。」


「バルト君ですか••••••うん、覚えておきましょう。今後何か褒美を与えなければいけませんね。」


「ありがたいお言葉です。」


「とにかく感謝します。それで本題としてシノビはこちらの方に向かってきていましたか?」


「いえ、そそくさと里の方へ退却していきました。」


「まあそうでしょうね。地龍を倒した方法は何でしたか?」


「龍星奉還を行ったものと思われます。」


「まあそれも予想通りですね。というよりもそれくらいしか方法は無いですからねぇ。」

メドヴィスは何故か面白がっているようだ。それがどうしてかは誰にも分からない。


「うん、大体は理解しました。もう下がっていいですよ?こちらの方は牢獄に入れておいて下さい。」


「はっ!了解しました!それでは失礼致します。」


気を失った青年と共に瞬時に消えた暗殺者達。その素早さはメドヴィスも思わず拍手をしてしまいそうになるくらいだった。


「さて、面白くなってきましたね••••••くくく。」


メドヴィスの歪んだ笑顔が夜の闇に溶けていった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ