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すなをは、すっかり諦め、耕平のされるがままになっている。
「コーヘイ、器用だねぇ」
感心したような目で見るすなをに、耕平は笑いかけた。
「慣れてるからね」
「慣れてる?」
すなをは首を傾げる。
「うん、最近は無いんだけど、中学までは、ほのかって、怪我ばかりしてたからね。まあ、ほのかはお姉さんぶって僕の面倒見てるつもりだろうけど、後先考えずに何でも首突っ込むし、ぶっちゃけ、僕から見たら、危なっかしいのはあっちの方だよ。……あ、ほのかってのは幼なじみね。最初の日に会ってるでしょ?」
「……そう」
……誰が居たかなんて、覚えてないし。
楽しげな耕平のその表情に、どういう訳だか、すなをの胃の辺りがちりちりと痛んだ。
「っで、何してたの?」
耕平は、包帯を結び「よし」と呟くと、すなをの顔を見る。
「……別にいいじゃん。あたしの事なんか」
何故か不機嫌そうなすなをの表情に、耕平は、ため息をついた。
「……まあ、悪戯も良いけどさ、時と場合を考えてよ」
「!」
すなをは、頭の天辺から、身体が冷えていくような感じに陥る。
「何度も言うようだけどさ、」
「違うって!」
「え?」
すなをの表情が険しくなる。
「だから、悪戯じゃないし!」
大声を上げ、頬をふくらますすなを。
耕平は、フフと力なく笑った。
何、怒ってるんだ?
すなをの考えていることが、今日ばかりは全く理解出来ない。
違うも何も、今、何時だと思っているんだって事。
それに、せっかく直した押し入れめちゃくちゃにして、怒りたいのはこっちだよ。
どこまでも自分本位のすなをに、呆れる耕平。
振り回されている自分が情けなくなる。




