(4-4)
「それよりもさ」
「……うん」
「えっと、いつまでこうしていればいいのかな、僕達」
「!」
耕平の問いに、すなをは自分達の状況を把握すると、慌てて耕平を抱きしめていた手を離した。
耕平も、気恥ずかしさを抱えつつ、起き上がる。
「べべべつに、ちょっと寝ぼけていただけなんだからっ。その、だからっ、わ悪かったわよっ」
慌てて起き上がり、着衣の乱れを直すすなを。
「違うな」
「な、何がよっ」
顔を赤くするすなをに、耕平は口の端を上げた。
「こういう時は、『ごめんなさい』だって言ったよね。それとも、契約解除されたい?」
「だっ、えと、……その、……ご、ごめんなさい」
すなをは、上目遣いに耕平を見上げ、口の中でぼそぼそと呟いた。
「よろしい」
耕平は、うんうんと頷く。
「じゃあさ、ごめんなさいついでに、僕の部屋のがれきを片付けてね」
「……うん、わかったわ」
すなをは、あっさりと頷き、さっと目尻を拭うと、立ち上がった。
「あっ、あたしね、魔法はこんなだけど、空飛ぶのは誰よりも上手よ? そうだっ! 今から空飛ぼうか~。本当はこんな事しないんだけど、今日は特別っ!」
いきなり、これは名案とばかりに目を輝かせるすなを。
「遠慮しておきます」
「な、何でよっ!」
即答の耕平に、すなをは頬をふくらませる。
……この状況で、どこから出てくるんだ、その自信は!
「さっきの状態で、何の説得力もないし。まだ死にたくないし」
「本当のことなのに~」
「とにかく、片づけるよ? 明日叔母さんにばれたら大変なんだから。早起きして片付けようとしてたし」
「本当のことなのに~」
すなをは、自尊心を傷つけられたのか、不満げに繰り返す。
「片付け手伝う? それとも、契約解除されたい?」
「うっ……。わ、わかったわよ」
「よしっ、じゃあ、僕の部屋に集合!」
耕平は、こみ上げる笑いを堪えながら、すなをの部屋を後にした。




