後日談②
予想とは違ったが、グリムの両親はかなりの富豪だったようだ。それでアスモデウスが転移してくるのが遅れたそうだ。取りあえず、彼に見本を渡して他の富豪さん達に連絡をしてもらう事になった。ステラの両親にはジュネーブにある大きめのオークション会場を押さえて貰った。テレビ中継も入れて、TV電話による世界中の富豪が参加できるようにする。父さんには日本のマスコミに情報をリークしてもらった。まあ、日本人が発掘した大量の宝石をオークションに出店するという情報だ。それも世界最大になるであろうビックジュエルだと。これらのしたくに2ヶ月かかるそうだ。
その間、俺達は一旦戻ってあちらとこちらの世界の時間軸を調整したり、保険の為に他の大陸調査の為に何体か送り出しておいたくらいだ。
ワールドドアは流石クリアーアイテムなだけあって、様々な設定が出てきて大変便利だ。なんていうか、誰でも使える簡易ゲートだ。行った場所限定で、持ち込めるのはその世界に存在していた物だけだ。俺達の服は加護とか魔法が込められてアウトだったが、こっちで一度作ってしまえば問題なかった。クロネの移動も同じ理由でこちらの世界に強制的に持ち込んで、認識させたので可能になった。これを考えると、同じ世界内での移動は特に問題無いという事だ。まあ、転移術が使えるのだからあんまり意味が無いが。
さて、妹の愛莉はお願いを色々と聞いてあちらの世界に連れて行ってやったり、魔法を教えたりした。その代価としてリア達のサイズを測って、服の購入をお願いしたのだ。連れて行くのは服装的に問題無いアリスとシズクだ。シズクの服装は可愛いらしいワンピースタイプだし、アリスは前にリアが分体で着ていたゴスロリドレスみたいな物なので問題は無い。という訳で、女性3人と男1人で出かけた。
「これがお父様の世界ですの……」
「なんていうか……汚れてるね!」
「そうだな」
コンクリートジャングルと呼ばれる都会に精霊達は嫌なようだ。その存在を考えると当然かも知れないが。
「そりゃ、あんな大自然と一緒にしたらダメだよ……むしろ、私としては周りの眼がね……」
リアとシズクの完成されたと美やら、漫画やアニメの世界から出て来たような美少女っぷりに皆が驚いてこちらに注目したりしている。シズクの髪の毛はアクアブルーのままなのも驚かれるだろうが、小学生くらいの少女がそんな姿をしていても、特に問題は無いと思われるだろう。ましてや隣に金髪ツインテールのゴスロリ少女が居るのだから。
「視線が鬱陶しいよ……」
「しばらくは諦めろ。無視すればいいさ」
「でも……」
「アレは何!」
「気になりますの……」
2人は好奇心の赴くままに行動して、あっちへふらふら、こっちへふらふらする為、俺が手を繋いで居る。愛莉は前を歩いて先導してくれている。
「あっ、あそこだよ」
「わかった。ほら、シズク、アリス。行くぞ。後で買ってやるから、後回しだ」
「は~い」
「分かりましたの」
お店に入って、色々な服を購入していく。資金は全てダイヤモンドなどをステラの両親に販売して手に入れた。正確には大量に渡し、オークションに必要な資金として貰ったのだが、その一部を生活費として貰っておいた。ただ、額は1億だが。
「これなんか良さそうだよ?」
「そうですわね」
「アリスはこっちー」
皆が好き勝手に選ぶ。俺はしばらく待っているだけだ。愛莉にも好きに買っていいと言ってあるので、高級店で気兼ねなく買い物している。その間に俺は一つの実験を行う。先ずはメガネ屋でカラーコンタクトを購入し、リアから貰った瞳に付けて色を変える。この世界に戻ってからも瞳の力は存在する。そして、大陸を支配してから瞳の力は強くなっている。一部の未来を見る程度の事ができる。もちろん、魔力を大量に使うが。さて、何をするかと言えば簡単だ。
ロトとビッグを買う。今は合計で18億円。そして、未来を見る。すると数字が現れてくる。その数字と前後を多数書いてやる。前後にずれるかも知れないが、その辺の数値にしておけば当たるのは確実だ。
それから、俺も数百万もするスーツを購入し、大量に買った会計を行い2008万円を支払い、帰宅。皆で着替えてファンションショー。
次の日にはリアとラクロアの2人と出かけて、レミニンスという企業名で店を立ち上げて、宝石の指輪などをネットで大量に販売する。それと同時に市役所に行き、廃村となった村や周辺の山を購入し、私有地にする。このお金は宝石類を担保にして銀行から借り受けた。
「さて、ラクロア、リコリス、ハクア、やってしまえ」
「ああ、任せろ」
「はい。では、作りましょう」
「うむ。やるぞ」
まずは地震を起こして、山を崩す。そこにラクロアとリコリスがトンネルを掘る。もちろん、ハクアが土地の強化と制御を行う。これによって、みるみるうちに天然物の洞窟が完成した。ここを鉱脈としておく。他にも千両箱を作って、時間経過をさせたりする。金塊には徳川の紋章を入れてやる。他にも底の方に鉱脈などを作る。
「さて、ここに豪邸を作るんだが……」
「シズクの要望はプールと泉だったよな……」
「うむ。広くていいし、好き勝手に作るとまずいんだっけ?」
「この廃村を購入して2ヶ月で大規模工事を行うとか、無理だろ……いや、発掘という感じにすればいいか」
「それでも色々と問題でそうだがな……やっぱ、買い取る方がいいか……いや、ちょっと待てよ。おい、ゴーレムって機械にできないか?」
「んーできるぜ。アタシ達の世界にも機械仕掛けの魔導ゴーレムは存在するからよ」
「ですが、魔力が勿体無いですよ。機械部品に代わりが必ず必要ですから……今のラクロアなら平気でしょうが……」
「なら、ゴーレム……いや、ロボットを労働力として7000体ほど24時間働かせれば問題無いだろう。動力の部分は公開して、フレームを魔法金属にしてしまえばいい。ロボットも販売してしまえば技術公開も断れる。勝手に調べろと言えばいい。強固なプロテクトというか、分解すると魔法効果を自壊させるようにすれば……いや、寄生精霊を仕込めばもっといいな」
「じゃあ、豪邸を作っちまうか」
「ああ」
「では、我は道の整備を行おうかの」
「頼む」
リコリスとラクロアが瞬時にこちらの豪邸の設計図を元に改造した物を使って豪邸を作成していく。ハクアがトンネルではなく、山を崩した所にコンクリートの道を作成する。廃村には瞬く間に巨大な豪邸が出現し、そしてどんどんいろんな物が作られていく。例えばウォータースライダーがあるプールとか。湖も作成され、底には神聖水樹が増えられて綺麗な水を周りに供給しだす。
「大地の加護も与えてやったわ。これで動植物ももっと増えるはずじゃ」
「あっ、スキーしたいですから山の斜面を改造しましょうよ」
「そうじゃな。では、どうせならジャングルジムも作るかの」
「湖も深くして、魚を泳がせましょう。潜って戯れるように」
「あーアタシ日本家屋も作ってみたい。広いから両方でいいよな」
超豪華な家が洋風で1日もかからずに錬成され、和風の家が離れとして作られた。庭園もだ。離れまで数キロあり、その間は庭になって、プールや庭園などが置かれている。ロボット用の格納庫も次の日には作られて、何故か向こうのドワーフ達も作って送り込んできたので、合計38000体となった。山にはニャンコ達や機械精霊虫達を放ち、警備にあたらせる。
道路を整備した所には機械精霊虫達が警備員として立ち、少し離れた所に作られた他の豪邸には半精霊の子達が住んで管理してくれる。ここまで一週間だ。
「な、何これ……」
「愛莉、これが精霊の力だ」
「ありえない!」
驚愕する愛莉を放置し、他の子達は好き勝手に移動して部屋を決めていく。ここが新しい俺達の住まいになる。愛莉もこちらに移ってもらう。どう考えても、あそこじゃセキュリティが低すぎるし、襲われる可能性がでかいから、オークション前日には引き払ってこちらに移り住む予定だ。
「でも、これで私もお金持ちの家の子に……」
愛莉は成績がいいから、上流階級の学校に推薦入学している。その為、他の学生達に色々と言われているようだ。さて、残りは外の業者に依頼して塀を作ってもらう。ただ、その前に道を政府の許可を得て整備させてもらう。全てこちらの金で、人も用意して行うといったら、大喜びされた。そんなわけで、一瞬で整備してやった。その後、外の業者を呼んで、塀の作成をして所有地を囲んでもらう。この時にロボットを連れたラクロアが協力してやると大変驚かれた。技術の公開はしないが販売してやるとは言っておいた。情報は漏れるだろうが、侵入はさせない。土地の内部を巡回するロボットに、監視のニャンコ達が居るのだ。侵入者には容赦無く捕まえて洗いざらい喋って貰った後、警察に引渡し、録画した映像をネットにUPしてやる。それと同時にロボットの販売を特許及び安全性の確認が取れ次第販売を行うとも書いてやる予定だ。
実際に広い上に山の中での作業なので、なかなか進まない。
「さて、ちょっと出かけてくるか。クロネ、猫形態でステラと共に護衛してくれ」
「にゃあ」
「いいよ」
ステラとグリムは一旦戻って、長期滞在で日本にちゃんと入国し直した。その為、国籍上は問題無い。なので、今日は銀髪美少女と猫を連れてデートだ。金融機関より、直接電話が来て、ロトが当たった事を教えてくれた。1等だけで8億。ロトを運営している連中は泣き喚いたそうだ。その賞金を受け取りに行くのだ。護衛は多い方がいい。
まあ、俺自身も既に桁違いの能力だが、ステラやクロネは文字通り存在としての格が違うからな。
移動はハイヤーだ。
「ねぇねぇ、クレープ食べていい?」
「ああ、いいぞ。クロネも買うか」
「にゃあ。いちごがいい」
「私はジャンボデラックス!」
止めてもらって、2人に買ってあげた後、食べながらハイヤーで銀行へと向かう。銀行で手続きをすると、驚愕の表情とヒソヒソと噂されるが、それは全て聞こえるし、やっかみとかも相当ある。
「ねぇねぇ、何買うの?」
「何か欲しいのがあるのか?」
「んージャパニーズゲームでしょ、マンガ、ライトノベル……とにかくいっぱい!」
そういえば、オタクだったな。クロネは首をかしげている。生暖かい眼が注がれている。
「クロネは欲しいのあるか?」
「にゃあ。首輪が欲しい」
自分の首を指差して首輪を要求する。その言葉によって更に俺は冷たい視線にさらされる。ステラも首輪をしているし。ちなみに声はステラが発したと思われたようだ。クロネはステラの頭の上に居るしな。
「まあいいや。じゃあ、秋葉原に行くか」
「やった!」
手続きを終えたら、数日後に入金されるそうなのでそのままハイヤーで買い物に行き、ステラが容赦無く購入していく。
「おい、ところでパソコンやTVを買うのはいいが、そもそも電気が来てないぞ」
「ネットも無理?」
「ああ」
「そ、そんな……」
「まあ、電力はキリルがやってくれるだろうが……いや、自家発電機を買えばいいか。パソコンは買っておけ」
「はーい」
大量の物を購入して、発送をお願いしておく。前の家にお願いして、そこからまとめてトラックで運んでもらう。それしか方法がない。帰ったら、ステラはさっそく持ち帰ったライトノベルを読み出す。みんな、読みだしたりする。もしくは沢山買ってきた携帯ゲームを行っている。電池がやばくなったらキリルが高速充電を行っている。
数日後には入金が確認され、それの融資の話が家の電話にひっきりなしにかかってくるので電話線を抜いて、ステラの携帯電話を使って連絡を取る。荷物は運び込んで、届いた発電機をラクロアとリコリスが魔改造して、潤沢な電力を作り出した。後は役所に向かって、電柱と回線の発注を要請した。費用は数億かかるそうなので、さっさと出してやる。もちろん、明細書をちゃんと提出するように言ってだ。
この頃になると、幸運男として俺の事はワイドショーなどで取り上げられる。なので、役所を出たら写真を撮られるし、ノーコメントで通すし、寄付はしないと宣言した。既に金の使う場所も決まっていると。それでも来るマスコミさんは社名などを記憶して情報を一切流さないし、取材も応じないと言っておいた。餌として、近々行われるオークションに3社だけ招待してやると言っておく。
そして、オークション前日になれば選んだ3社の人達と一緒に飛行機をチャーターしてジュネーブへと向かった。引越しは全部妹達にお任せだ。
ジュネーブに到着すれば直ぐにオークション会場に入り、品物を渡してやる。この時、知らせていなかった事を教え、記者達に宝石を取材させた。他の国のマスコミも来ているので一緒にだ。
そして、時間になればオークション会場に入り、壇上に上がる。
「リクト・ヤマガミと申します。長い挨拶は面倒なのでいたしません。皆さんの時間も勿体無いですしね。ただ、この度は集まっていただきありがとうございます。それでは、日本で見つかった宝石類をお見せします」
アイディリアとキリルが大量の宝石類を運んでくる。その大きさに皆は騒然となる。大きさはかなり大きく、グレープフルーツサイズのダイヤモンドやサファイアなどが大量にあるから当然だ。明らかにサイズがでかいし、数も多い。
「さて、出品の品はもう1種類ございます」
偽物であるが、金には変わらない徳川埋蔵金を大量に出す。これも驚いてくれる。
「最後の一つはまだ準備が出来ていませんので、先ずはこの宝石類から行わせて貰います。なお、バラでは行いません。宝石箱とセットです。鑑定書のコピーは配布された資料に載せておりますので、ご参照ください。では、お願いいたします」
変わって、本職の人にお願いする。直ぐに競売は億を超えて、直ぐに百億に突入する。凄く楽しい。富豪達は寄生させて、できる限りの高値を付けてもらう。
「さて、次の商品は皆様憧れの商品。男のロマンといってもいい代物ですが、ここには入りきりませんので外が見えるテラスに移動してください」
俺の言葉に移動する人達。全員が移動したら、起動させる。
「ばかな、ロボット!」
「人型機動兵器……っ!?」
「さ、さすがジャパニーズ……○○ダムを作り上げたというのか!!」
「なお、これは自動操縦、人工知能で動いておりますので、乗る事は出来ません。では、競りを行いましょう。こちらの仕様書に動力の説明などは載せております」
こちらは1機671億円で52機売れた。なお、この値段を目安に販売すると言っておいた。太陽エネルギーによる熱エネルギーを元にプラズマモーターを動かし、魔法金属による増幅を行っているので非常にクリーンだ。基本。それと同時に一言言っておく。
「これと同じ機体が多数ございます。こちらの販売は各国に工業用として100機売る用意がございます。ただし、私の身に何かあった場合、残りの機体が国内で暴れまわる可能性がございますので、お気を付けください。武器は搭載していませんが、この巨体で出来た鉄の塊ですからね。それと、購入時には戦闘用として使用しない誓約書を書いていただきます。あくまで工業用……もっと言えば宇宙開発用ですからね。それと、仕様書にあるように、災害時には非常用の電力供給用装置にもなります」
この説明に納得してもらった。後は色々と細工を行っておく。オークションが終わると直ぐに取材が来るが殆どをノーコメントで通し、接触してきたアメリカの高官に技術を独占して購入したいと言われたが、断ってそのまま帰国する。だが、途中で特殊部隊が止めに来るが……可哀想な事になった。
「あは、アハハハハ!! この程度が正義を語るアメリカの軍隊なの? 弱すぎだよ!」
「う、撃てっ!!」
「遅い、遅い、遅すぎる! 私は赤い彗星さんみたく3倍とかみみちくないよ!」
瞬時にステラが素手で無力化していく。キリル達も同じだ。この国に銃刀法違反は無い。なので、装甲車も切断し、瞬く間に制圧する。その後、寄生させて暴露してもらう。この情報を世界中に発信する。所属とか誰の指示でやったかなどだ。なお、アメリカにはペナルティとして謝りに来るまで売らないとネットに流しておく。ニャンコ達を放って収集した情報では一部が俺達の技術を独占しようとした結果みたいだ。
そして、帰国する。帰国途中に戦闘機が飛んできたが途中で暴風にやられてバラバラになった。
帰国すると莫大な数のマスコミに襲われる。
「今回手に入手されたお金の使い道はどうなさるのですか!」
「あのような戦争の道具を作って憲法違反ですよ!」
実際に警察や自衛隊が来ているが、手を出さない。出した瞬間、手痛いしっぺ返しが来るのがわかっているからだろう。国内に各国100機ずつ売るのだから数百体が存在していると言ってあるのだ。
「取りあえず、使い道ですが……政治家や官僚次第ですね」
「え? それはどういう……」
「手に入れたお金を使って借金を全部とはいかないでも大半を払ってあげてもいい。でも、先ずはお願いに来るのが先決でしょう。そうですね。一週間後、政治家全員と官僚のトップが同時にくれば話し合い次第で払ってあげましょう。復興だってうちのロボットを使えば直ぐですよ。でも、法律とか許可とかあっち次第ですしね。後は全てそれからですね。では、私達は帰りますので。迎えも来ましたし」
空から舞い降りてくる機械のロボット。それは飛行している。その手に飛び乗って俺達は帰宅する。
「さて、計画通りになった。富豪達は寄生できたし、次は政治家だ」
帰った場所は更に魔境になっていた。どんなのかっていうと、秘密基地だ。山が割れて滑走路が現れてロボットが収納される。山の内部はくり抜かれて研究所になっていた。
「ラクロア! ハクア!」
「反省はしている。だが、後悔はしていない」
「うむ。この秘密基地とは素晴らしいのじゃ、作らねばならぬだろう!」
2人はロボットモンのDVDを持っていた。赤い彗星が出て来る奴で、水中から基地を攻める奴だな。ダメだ、中二病になってそれを実現できる力を持つ奴らは本当に恐ろしい。
一週間後、政治家達と官僚達がやって来た。中に入って、ロボットを整列させて歓迎してやると驚いて固まった。その後、案内してさっさと全員を寄生させる。その後、話し合って帰って貰った。その後のニュースで重大発表がされた。
『我が国は一定以上の収入または貯蓄のある者達に限って、本人達の合意の元であれば一夫多妻、一妻多夫を認める事とします。また、衆議院、参議院による連立政権を立ち上げます。それに伴い、我々の給料を50%カットし、全てを復興にあてさせて貰います。また、寄付により借金は無くなりました。各家庭に還元する事をお約束いたします。復興の時、特別法案を実地し、その土地の所有者の許可がなくても瓦礫の撤去などを行えるように……』
うむ。予定通りだ。戸籍も貰えたし、政府は俺の言いなりだ。まあ、専門家に任せるがね。ただ、国をより良くするする為に野心を捨てさせ、無心で働かせる。それだけで変わるのだ。だって、スペックはいいはずだし、ブーストが入るんだ。問題無い。
『軍艦島を始め、一部の島を寄付していただいた山神さんにお礼としてお渡しする事が決まりました』
こちらも要求通り。貰った島は直ぐに改造して食糧生産プラントと資源島にする。それと同時に与えられた尖閣諸島から中国を排除する。排除するのには武力なんて使わない。ただ、台風に襲われて消滅した所で、ハクア達に頼んで瞬時に要塞化を行い、次に来た後続の連中は容赦無く攻撃する。弱腰になる必要は無い。核ミサイルなんて撃ったら、そのままそっくり返してやる。経済制裁?
食料は豊富に作れるし、いざとなれば精霊樹の大陸から持ってこれる。資源なんてハクアが居れば作りたい放題だ。実際、貰った島を改造して石油プラントを作成して国内に格安で売り出した。ガソリンの値段下げだ。軍隊で襲ってこようとしたら、大嵐や海が荒れてもれなく沈んでいく。日本に協力的な国には逆に色々と援助していく予定だと表明する。
次第に日本は一部で神国として恐れられるようになった。大自然を味方に付けた国として。国内には数千体のロボットによる復興と整備により、瞬く間に道路が完成し、復興も完了していく。もちろん、大工の仕事も取っていないし、中小企業などに支援も行う。大工に関しては彼らにロボットを無料で貸出している感じだからなんの問題も無い。
そして、物資だが……中国の代わりにこっちが大量生産して配布してやるのだ。今まで中国がになってきた需要を一気にかっさらって膨大な利益を生んでいる。大量生産品は錬成する。海の幸や川の幸なんかもシズクが居れば問題無いし、日本列島に精霊達が加護を与えた為、豊富な食料や木材などの資源が直ぐに回復していく。本来、有り得ない自給自足が普通にできる国となった。
こうなれば、弱腰になる必要なんてない。科学技術に興味があるラクロア達ドワーフの半精霊を科学技術研究所に入れて、その技術を取り入れてもらう。その数ヶ月後には魔科学技術を使った最新鋭戦艦や対空防御システムを構築し、戦闘機も人型に変形する物へと変わっていく。こうなると、この国だけ軍事力も生産力も馬鹿にならない。ましてや住みやすくなっているのだから国民は国の為に頑張る。頑張れば頑張るほど返ってくるのだから尚更だ。
国内に余裕が生まれれば止めていた外への支援も再会する。先ずは親日国へだ。特に荒廃した大地を持つ場所は日本の指導に従い、人道的に政治を行い、自然を大事にする事を条件に特殊改造した種子を植えて自然を再生させていく。精霊達もこちらの世界へと多数移住させているので凄く成長が早い。