19可愛い少女達
本拠地であるダンジョンの方に帰宅後、取りあえず奴隷達は地上で過ごして貰う事にした。まずはレミニンス大工店のメンバーだけを連れて、最下層へと移動した。
「んじゃあ、先ずは合成からだな」
「おう!」
すでに準備が整えられている為、白蛇・大蛇が人数体存在する。かなりの大盤振る舞いになるが、まあ大丈夫だろう。
「じゃあ、棟梁。俺達から先に行かせてもらいやす」
「ああ、よろしくな」
「それでは、指示に従ってくださいですの」
シズクが面倒な作業を色々としてくれる。その間に俺はラクロアと待つのだが、そこにハーブティーを入れたリコリスがやって来た。
「……ラクロアですか?」
「ん? あっ、リコリスじゃん。こんな所で何してるんだ?」
「私は捕まって、その人の性奴隷……いえ、人として扱われているので、愛人ですね」
「そうか、また無茶やらかしやがったな。アタシは仕事でここに来た。ついでに半精霊とかいうのにしてもらって、ここで住む予定だ」
「そうですか。それは……賑やかになりそうです」
「ああ、楽しくなりそうだ!」
ラクロアはリコリスに抱きつく。リコリスはラクロアを受け止めて、そのまま抱き合った状態で少しした後、彼女を離した。美少女達の抱き合う姿は絵になるな。特にこの神秘的な空間で、光り輝く地底湖をバックにすると。
「知り合いなのか?」
「幼馴染つーか、姉妹みたいなもんだな。アタシがリコリスに教えたし」
「そうですね。家も隣で一緒に育てられました。ラクロアの両親は殆ど村に居ませんでしたので、私の両親が病弱だった私の遊び相手として預かっていたのです」
「成程」
「しかし、あのリコリスが愛人か……まてよ、そっちの方がいいか。よし、そうしよう。なあ、アタシも愛人にしてくれ!」
「おい」
近づいて来たラクロアが俺に抱きつきながら、キラキラした瞳で上目遣いにお願いしてきた。だが、一体どういうつもりなんだ?
「どういう事だ?」
「簡単だぜ。アタシが旦那様の愛人になれば、その分だけ確実にアタシ達の安全が保証される。つまり、安心安全が買えるって事だ。どうせ、ここに住む事になるならそっちの方が色々と得だしな」
「身体を売る事になるのだが、それはいいのか?」
「構わないぜ。リコリスも居るなら尚更だ」
「あの、ラクロアはこう言ったら聞きませんから諦めてください。それに、私もその方が嬉しいですし、ご主人様も好きな姉妹丼とかが出来て嬉しいのですよね? 胸は無いですけど、2人で頑張ります」
「おい、まさか……いや、なんでもない」
確かにDCルームにそれ系統のゲームと本が隠してあったはずだ。どうやら、発掘されてしまったようだ。
「わかった。それでいい」
「よーし、これで後の問題はリコリスの心臓だな。師匠の力作だから大丈夫だとは思うんだが、どうだ?」
「大丈夫です。安定しています」
「そうか」
「ラクロア、そういえば精霊核と精霊について知っていたみたいだが、なんでだ?」
「ああ、聞かれてたのか。まあ、それは簡単だぜ。アタシ達にエルフから協力要請が来たからな。主に武器関係を大量に注文してきやがったら、流石に理由無しじゃ協力できねえ。なんで、聞いたらこの国の奴らが馬鹿やったらしいじゃねえか。んで、アタシ達は自分達で見極める為にこっちにやって来たってこった。必要と有れば裏工作もできるしな。それと、リコリスもこの国に居るって連絡来てたから、ついでだったし」
情報源がエルフだったのか。だから、精霊核を集めているんだな。
「それと、ドワーフの中に愚か者の集団が居たらしいからな。今回の件にドワーフの技術も使われている。だからこそ、届けられた精霊核でリコリスの心臓の替わりを作れたんだからな」
「ドワーフには精霊核を武器や防具に使う技術が伝えられています。もちろん、精霊が望んでなる精霊核を作った武具の為ですけど」
「そっか」
「お父様、残りはそこのドワーフだけですわ」
「わかった。それじゃあ、ラクロアも行ってこい」
「ああ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
リコリスと見送った後、リコリスがこちらに近づいて来た。
「武具を作る件、お受けします。私とラクロア達を大切にしてくれる事が条件ですが、どうですか?」
「もちろん問題無い。それで頼む」
「はい。確かに承りました」
少しすると、儀式が終わったのか、こちらに走って飛びついてくるラクロアをキャッチする。というか、無茶苦茶重い。圧縮された筋肉のせいだろう。まあ、柔らかいもちもち肌なんだが。
「よ~し、早速仕事の話をしよーぜ」
「ああ、わかった。シズクは上の連中を運んで、適当な半精霊に変えてやれ」
「畏まりましたの。あと、報告ですが、クロネが帰宅していて集めた女性20名+7人の子供を半精霊化して娼館へと送り込んだそうですの。子供は両親と離れる事を拒否しましたので、纏めて送ってやりましたの。その子達もちゃんと調教して娼婦などにするそうですの」
「わかった。だが、子供に関しては自由意思にするように」
「了解ですの。ちなみにクロネは不届き者共の狩りに出て居ますの」
侵入者を排除しているようだ。あちらは問題無いだろう。取りあえず、俺はラクロア達を移動するように頼み、DCルームから学生時代に先輩から譲り受けた建築関係の本を持って、地上に移動した。
「それじゃあ、頼む」
「ああ、木材は其の辺から調達していいんだよな?」
「囲いの外なら構わない。一応、これが計画書だ。先ずは聞いてくれ」
外でテーブルを出して、村というか、街の設計図を見せる。簡単な物だが、効率のよい街にする予定だ。その為に地下の下水道に付いて説明し、その有用性と水道管の設置を教えた。
「すごい発想と技術じゃねえか……これは確かに便利だぜ! だが、他の街では水道管はこのままじゃ使えないな」
「まあな」
こっちの提案している物は浄化装置と神聖水樹のウッドゴーレムに加えて、水の精霊が必要なのだ。水を各家庭に送り届ける仕事を水の精霊が行ってくれるから、水の精霊が居ない他では、代わりに構造の改造に加えてマジックアイテムなどを用意しないといけず、コストがかかりすぎるのだ。
「あと、家とかは好きにしてくれ。一応、こんなのがある」
「わかった。じゃあ、後は任せてくれ。この洋風でいいんだな?」
「ああ。出来れば宿屋だけでは人が溢れているから、早急に住居から作って欲しい」
「あいよ。といっても、先ずは仮設から作った方がいいな。お前ら、まずは住める場所を作るぞ!」
「「「はいよ!」」」
それから、忙しそうに働いていくラクロアを見送ったあと、俺も狩りに出た。
夜になると、シズクの作った美味しいご飯をリコリスとラクロアと共に食べる。シズクは人数が多くて非常に忙しそうだ。そして、お風呂に入って、無茶苦茶綺麗になったラクロアがバスタオル1枚の姿で寝室に入って来る。
「それじゃ、楽しもっか。アタシは初めてだから、お手やわらかにね」
人差し指で唇を押さえながら、小悪魔のような笑顔を見せるラクロア。普段の男勝りみたいな乱暴な感じと違って、かなり女の子っぽい。というか、ここの風呂の効能が凄まじい。「風呂に入る前のラクロアと比べると、入った後のラクロアの綺麗さは8割とか9割も上がっているのだ。なんていうか、一気に2段階飛ばしてきた感じだ。
「ああ。リコリス、手伝ってくれ」
「はい」
「よろしくー」
この日はベッドでラクロアをメインに、リコリスと共に夢のシチュエーションである姉妹丼を楽しませて貰った。
「あっ、どうせならリコリス、お姉ちゃんって呼んで」
「分かりました。姉さん」
微妙に違うが、彼女達はシチュエーションをより盛り上げてくれた。だが、この時、ハッスルして幸せだったのだが、本当の戦いは次の日の朝だった。
「ねえ、お父様……シズク、もう我慢できませんの。いっぱいお仕事頑張りましたの」
「にゃあ。会えないの我慢して、私も頑張った」
「ちょ、待て……」
「「待たない(ですの)」」
「あー、アタシ達はどうする?」
「姉さん、仕事がありますので先に行きましょう」
「ちょっ!?」
「朝ご飯はおにぎりが食卓の上にありますので、持っていくですの」
「「はい(うん)」」
「待っ、んぶっ!?」
俺の意見は言わせて貰えず、押さえつけられて2人の娘に襲われた。
「ふふふ、1人増やしておいて、シズク達に手を出さないなんて、許しませんの」
「にゃあ。絶対駄目。断固拒否」
「なんでそこまで……」
「お母様の影響か、生まれた時からお父様が好きですの。それに、力が増えますの」
「にゃあ。子供、生んで精霊増やす。パパの子供、欲しい。駄目?」
こんな事を不安そうな表情で拒否されたら嫌だなと、涙を溜めながら言われたら、男なら逆に自分から求めだすのは当然だろう。据え膳食わぬは男の恥という言葉もある。まあ、本当に血が繋がってる訳でもないしな。たぶん。少なくとも、種族は違うし、大丈夫だろう。ちなみに2人に解放されたのは次の日だった。