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18大工を手に入れよう

 





 子供達が来てから一週間で、彼らは半精霊化した身体を使いこなせるようになった。ちなみに割合はこんな感じだ。

 13歳から15歳:男5人、女3人

 9歳から12歳:男3人、女6人

 5歳から8歳:男3人、女2人

 3歳:女1人

 合計:男11人、女12人

 男は風の属性を持つ半精霊が殆どで、中には3人だけ風と光の属性を持っている。女の方は水属性の半精霊で、4人だけ光と水の属性を持っている。ここにリアラを追加するので、女は合計13人で光と水の属性持ちが5人だ。


「録に食べてなかったようだが、そっちは問題無いのか?」

「問題有りませんの。畑から取れる食材で料理を作り、振舞ってあげたら直ぐに回復できましたの」


 健康管理を含む教育などの事はシズクとキリルに任せていた。だが、それで問題無いようだ。子供達の意識なんて、既に寄生し融合した精霊と溶けているのだから、改変されている。意識はそのままに前の記憶もほぼ存在しない状態だろう。


「こちらに配置するのに問題無いか?」

「ええ、大丈夫ですの」


 上下水道の建築指示を出しながら、シズクに方向を聞く。この上下水道は結構適当だ。取りあえず、排泄物を循環する水で流して一箇所に集めて肥料作成装置と浄化装置で完璧に近い肥料にして森全体に配布する仕組みだ。水の発生源は神聖水樹のウッドゴーレムを配置しているので問題無い。ちゃんとした奴なんて素人で作れる訳ないからな。それと、ウッドゴーレムは汚れないようにちゃんと配置してある。


「実体がありますので、精霊樹と溶け込んだりするのは不可能ですが、単体としてみればそれなりですの。それに彼らにはキラーマンティス達とシャドウキャット達を相方として付けてますので、問題有りませんの」


 従魔と呼ばれるテイミングモンスターが存在する。なので、彼らがモンスターを連れていても問題無い。ちなみにテイミングモンスターだが、2種類存在するそうだ。普通にテイミングして連れ回すのと、魂の契約を行って自分の中に住まわせる方法だ。後者の方は契約できるモンスター数が1人1体がヒューマンの限界だと言われているそうだ。エルフは3、4体できるそうだが。ちなみに限界を超えた存在と魂の契約を行うと、魂が砕けたり、狂ったりするそうだ。だが、子供達は半精霊であり、相手も精霊なので問題無く契約でき、お互いに力を与え合う関係になっている。半精霊は相手に成長能力の強化や思考能力を与え、精霊からは身体能力の強化や特殊能力を与えて貰える。キラーマンティスからは風属性の効果上昇や斬撃強化などだ。シャドウキャット達は影操作などを与えてくれる。


「それに、予想以上の事が起こってますの」

「どうした?」

「進化しかけになる個体が増えていますの。キリルとクロネからのフィードバックが存在するとはいえ、彼女達はかなり優秀ですの」

「ふむ……雄雌の比率は高かったな」

「キラーマンティスはキリルの影響でほぼ雄が生まれませんの。シャドウキャットは性別が無いので契約者次第でどちらでもなれますの」

「クロネは?」

「クロネはフィギュアで性別を決定しますので、女の子ですの」


 そういう事か。しかし、精霊機械虫キリングドールマンティスと人型精霊獣ダークネスキャットが増えるのは嬉しいな。


「CPもうまうまだし、言う事無いな」

「うまうまですので、問題無いですの」


 彼らの狩りは現在来ていない冒険者の代わり地上である6階層から上層へと攻略してもらっている。もちろん、地図の作成もお願いしている。俺が作った地図を持たせて、合っているかなどの調査もだ。


「っと、お父様……お客様ですの」

「招かれざる方か? それとも招いた方か?」

「招いた方ですの」


 俺がいる精霊樹の前に真紅の魔法陣が複数展開される。そして、そこから水着の様な服の綺麗な女性達とジャケットやスーツ姿のイケメン男性達が現れた。その数、20人。全員が頭部に山羊のような角を持ち、悪魔の翼と尻尾を持っている。


「サキュバスのロミーナですわ」

「インキュバスのフレデリック」

「ダンジョンマスターのリクト」

「この地の水を統括している水の精霊、シズクですの」


 代表の女性と男性が出てきて、挨拶してくれたのでこちらも返す。お互いに握手して、正式な契約を行う。ちなみに女性も男性も様々なタイプの者達だった。大半が未熟な者達だそうだ。ただ、サキュバスやインキュバスだけあって、体型は全員モデル並だ。生まれたばかりでも大人の女性だったり、子供の状態だったりするそうで、姿は生まれてから1年以内なら好きに変えられるそうだ。


「わざわざ来てくれて助かる」

「こちらとしても、未熟な同胞を育てるいい機会だ。構わない」

「子供達をちゃんと育てないと、種族が滅んでしまいますもの」

「そうですの。だから、お父様も頑張りますの」

「わかってるよ」


 シズクの頭を撫でながら、サキュバスとインキュバス達を仕事場兼生活の場へと案内する。


「ただ、今はいいがちゃんと人と同じにしてくれよ。後、バレた場合は悪いがテイミングモンスター扱いで頼む」

「了解している」

「ええ、こちらも問題有りませんわ。お互い、殲滅されるのは困りますから」

「お父様、お客様方、到着しましたの。こちらが娼館予定の場所ですの。裏側に居住スペースとしての別館が存在し、本館の地下にはプレイ用の牢屋など特殊施設がございますの。別館の地下には本物の牢屋や調教部屋がございますので、後はお好きになさってくださいですの」

「わかった」

「楽しみですわ」

「取りあえず、人間が来るまでの食事だが……確保が遅れている。なので、魔力だけで大丈夫か?」

「こちらは問題無い。むしろ、そちらの方がありがたいな」

「そうね。生気も必要だけど、魔力は成長にはかかせないから、しばらくはそれで大丈夫よ。でも、遅れているって?」

「見付けるのは問題無かったのだが、距離が離れていて移動に問題が有った。なので、現在は馬車を使った移動を行っている」


 商会の馬車で移動して、回収してもらっている。夫が居る場合は男の方も寄生して商会で働いてもらう予定だ。


「人間は不便ね」

「まあ、我々はその間に生活に必要な物を整えさせて貰おう」

「じゃあ、そっちは任せ……あっ、水って大丈夫か?」

「……案内してくれ」

「わかった」


 外で遊ぶ為の事も考えて、庭として森も残して居る。そこに作った池は綺麗だ。そこにシズクとフレデリックと移動した。ロミーナと他のサキュバスやインキュバスは別館に入っていった。


「……駄目だ」

「やっぱり?」

「ああ、これは私達には毒だな」

「神聖水樹のだからな……シズク、どうにかできるか?」

「お任せですの。1人、管理用に配置しますの」


 池の水面に水で出来た女性体が現れた。


「この辺り……地上の水を調整しますの。神聖な力を変換し、その分栄養に変えて庭と畑に送りつけますの」


 シズクの指示に直ぐに湖面が変わった。今まで、神々しい光を放っていた水が光を失った。


「どうだ?」

「ふむ……」


 フレデリックは水面に指を入れて、舐めてみる。


「これなら問題無い」

「なら、トイレや下水には絶対に落ないようにしてくれ。修理は必ず半精霊を呼んでくれ」

「徹底させよう。下手したら火傷どころではなく、消滅しかねんからな」

「一応、水だけでも生活できるほど、栄養は豊富にしてありますの。果物ができる木もできましたし、外の食べ物も今から1週間くらい気を付けてくだされば大丈夫になりますの。あと、精霊樹の中で手に入る水は飲まないことですの」

「わかった。飲みたい時はここで彼女に渡そう」

「お願いしますの」

「それじゃあ、ここは解散だな。俺とシズクは今から大工を手に入れに出かけてくる。悪いが、要件はこの水の精霊に頼む。それなら、シズクに伝わるから」

「わかった。そうだ、ロミーナを連れていけ。奴を使って寄生と篭絡をすれば早い」

「そうだな。そうする」


 それから、街へと移動する。街は大分人が増えていた。それに伴い、建築ラッシュが行われている。


「どうしますの?」

「これは、予想以上だな」


 怪我人が俺が渡した魔法薬で回復したのもあるのだろう。強力過ぎたか……だが、相変わらず喧嘩しているようだ。ギルドと領主館の近くから復興が始まっていて、資材や人の取り合いが行われている。これは少しまずいかも知れない。


「シズク」

「なんですの?」

「今すぐ精霊の森にニャンコ達を放ち、子供達も半分投入しろ」

「お父様?」

「うちの木が奪われる可能性が高い」

「……確かにそうですの。ちょっと連絡しますの」


 シズクが眼を瞑って、その場に立ち止まる。なので、シズクをおんぶして移動する。


「私達はどうするのかしら?」

「予定通りに大工へと接触する。いや、その前に奴隷商でもあたってみるか」

「多分、いないと思うのだけどね」

「分かっている」


 取りあえず、奴隷商の店に向かったが、やはり居なかった。殆どの奴隷が買われているそうだ。居るのは売られた使え無い子供達だけだそうだ。女ですら仕事があるそうだ。ただ、高額商品の奴隷の女はちゃんと居るそうで、勧めてきた。なので、奴隷商を寄生させてその女と子供達をはした金で購入させてもらった。他の奴隷商の場所も教えて貰い、そちらも行く。

 しばらく時間が経ち、奴らから奴隷の首輪である服従の首輪と馬車、高級商品の女達と子供の奴隷達を頂いて、馬車に乗せる。


「あくどいわね」

「問題無いだろう」

「そうね。あと、戻ってるわよね、シズクちゃん」

「バレましたの。お父様の懸念通り、木材を斬り落として運び出そうとしていた奴らが居ましたので、警告ののち拒否しましたので始末致しました」

「ちゃんと証明書も見せたのか?」

「もちろんですの。それと、ちゃんと逃がしていませんの。あと、始末といっても全員、捕らえて、サキュバスとインキュバス達に好きにしろと引き渡してやったですの」

「大喜びだったでしょう」

「もちろん、大歓迎で引き取ってくれましたの。フレデリックがさっそく教育するそうで、お楽しみ中ですの。でも、早めにロミーナには帰って教えて欲しいそうですの」

「わかったわ」

「じゃあ、こっちもさっさと終わらせるか。奴隷商はこれで終わりだし、次に必要になるのは道具の作成能力を持つ奴らだが……待てよ。高級奴隷の中に居るかも知れんな。シズク、調べてくれ。その間に俺達は大工に接触だ」

「分かりましたの」


 シズクに多数の馬車を任せて、俺とロミーナで今も忙しそうに働いている大工に接触する。


「すいません、仕事の依頼をしたいのですが……」

「悪いが、見ての通り、どこも大忙しで無理だ。遠くの街からも援軍を呼んでいるくらいだしな」

「まだ仕事を請けていないのはいないと……」

「ああ。ここに来る前の奴らを捕まえられたら、話は別だろうがな」

「分かりました」


 取りあえず、離れてロミーナと一緒に歩く。


「どうするのよ?」

「このまま働いているのを引き抜いたらかなり文句が出るだろうし、大工はこれから必要だ。なら、言っていた通りにするだけだ」


 俺は指を咥えて、指笛を鳴らす。すると、路地裏から黒猫を連れた人が現れる。


「情報屋はわかるか?」

「もちろん」

「この街に向かっている大工の連中が来る通路は?」

「それなら、既に領主館の方からも調べてあります」

「そうか。なら、少数で来るのはどこだ?」

「ラクロアという少女が率いているレミニンス大工店というのがありますね」

「実力は?」

「数代続く大工店なので、技術はあります。先代が死んで継いだばかりですが、既に何軒か立てているようです。構成員はドワーフとヒューマンで、棟梁はドワーフです」

「じゃあ、そいつでいい。ルートを教えろ」

「分かりました」


 教えて貰ったルートをこちらから進む。食料の関係もあるので、ニャンコ達を50体ほどと精霊機械虫キリングドールマンティス10体、キリルを呼び寄せて護衛兼見張り兼倉庫にした。精霊機械虫キリングドールマンティスは護衛専門だがな。ちゃんと顔をローブで隠して、手から鎌が出ている状態だ。数日後、無事にレミニンス大工店という看板を付けた馬車を見つけた。


「キリル、道を封鎖しろ」

「kjeg」


 瞬時に展開した彼女達が道を封鎖する。前方から来ていたレミニンス大工店の馬車も停止し、護衛が武器を構える。


「おい、アンタら、どういうつもりだ!」


 そして、相手の馬車から赤い長めの髪の毛をストレートに流している碧の瞳の少女が出て来た。服装は薄着で、ドレスのようなワンピースだ。手にはハンマーを持っている。というか、護衛も居るが、それ以上に大工だろう大男達もハンマーや斧を持って出て来ている。連中の姿からして情報通り、ドワーフが多いようだ。


「戦うかどうかは置いておいて、レミニンス大工店のラクロアってのはお前か?」

「そうだ。アタシがラクロアだ!」


 俺が馬車から降りて、一番前に立つ。その横にシズクとキリルが控える。相手も堂々と出てきた。


「まず、俺はこの近くにある精霊の森を所有地にしているリクトという者だ」

「へぇー、それで?」

「こっちの要件は一つ。仕事を依頼したい。こちらも切羽詰っていてね。どこもかしこも大工は出払っていて、街を目指している連中を押さえるしかないと言われたので、悪いが強制的に止まってもらった」

「成程。もちろん、アタシ達に迷惑料込みで払ってくれるんだろうな?」

「依頼を請けてくれるなら、その分金は払ってやろう。期間は数ヶ月になるだろうが、精霊の森に村か街を作りたい」

「正気か? あそこの精霊樹は死にかけだろう」

「それを蘇らせるのが目的だったのだが……問題があってな」

「問題だと……?」

「誰も知らない間にダンジョン化していた。この意味が分かるだろう? そして、まだ誰も知らない」

「……OK。死にたくなかったら仕事を請けて、防衛の準備を手伝えって事か……だが、ちゃんと金はくれるんだろうな?」


 一瞬でこちらの言いたい事を理解したか。賢さはあるようだ。


「成功報酬は白金貨で5枚、前金として白金貨1枚だ」


 白金貨は1枚1億もの値段がする。つまり、6億で依頼していることになる。ギルドから巻き上げた金だが、別段問題は無い。


「充分な値段だ。だが、作った後、アタシ達の安全は?」

「身の安全は保証しよう。衣食住は保証できる。といっても寝る場所と最低限の食事以外はちゃんとお金を払ってもらうが。酒とか酒とか」

「そりゃ、アタシ達にとってそれは必要だな。だが、ちょっと相談させて貰いたい」

「わかった。好きにしてくれ」


 少し待ってやる。彼女達の会話は聞こえている。


「棟梁、どうしやすか?」

「請けるしかないと思うが、皆はどう思うんだ?」

「請けなきゃ確実に殺されやすね」

「ああ、囲まれている。周りからエルフが使う精霊術の気配がうようよしやがる」

「アタシも同意見だ。この感覚はエルフ共が使う精霊召喚で実体化された精霊と同じ気配だ。あの男の隣の女はエルフに似ているような気配がするが、あれは偽装だな。隣の別の奴もエルフじゃなく精霊そのものだと、思う」

「精霊樹を蘇らせるって言ってるのは本気でしょうや。なにせ、精霊を従えている奴が言うんですから」

「その後、訪れるのは精霊対国の戦争か……」

「おそらくそうなるだろう。あの精霊達は俺達にも憎悪の篭った視線を向けてきやがるが、ヒューマンの奴らには特にだ」

「となると……お前ら、精霊核を持ってる護衛の奴は直ぐに外すように通達しろ。嫌がるなら殺されても知らんと言ってやれ。アタシもヒューマン共の、この国のやった事は気に食わん。奴ら、精霊がどんな存在か本当に理解しているのかと言いたいくらいだ」

「というか、エルフの連中が戦争の準備をガチで始めてやがりますからね。ドラゴニュートまで巻き込んで」

「まあ、アタシとしてはアンタ達が最優先だ。悪いが、アタシの一存でこの仕事を請ける。その後、どうにかして降りたい奴は降りるといい」

「はっ、馬鹿なことを言うんじゃありやせん。全員、ついていきやすぜ」

「前棟梁からお嬢の事は任されていますしね」

「違いねえ」

「はっ、勝手にしろ馬鹿共が」


 どうやら、協力してくれるようだ。俺は隣のシズク達を見ると、なんとも言えない表情をしている。しかし、エルフが戦争準備をしているのか。考えれば当然だな。知ったら滅茶苦茶怒るのは当然だ。


「……お母様が、彼らも精霊化させるなら受け入れるとの事ですの。ハクアの子供達は土属性得た子が多いですから、彼らと融合させるのがベストかと思いますの。意識の方は、残しても問題無いかと思いますの」

「そうだな」


 それから少しすると、ラクロアが堂々と近づいて1メートルの所まで来た。


「その依頼を請けるぞ、ダンジョンクリエイター」

「「っ!?」」


 ラクロアが発した言葉に瞬時にキリルがラクロアの首に大鎌をあてる。俺はキリルの髪の毛と、シズクの手を止めて静止していた。


「思ったよりも賢いんだな」

「失礼だな、お前。それで、どうすんだ?」

「もちろん、受け入れる。逃がすことは出来ないけどな」

「お父様?」

「agghhr」

「大丈夫だ。それ、くれるんだろう?」

「ああ、親睦の証としてやるよ」


 数十個の精霊核が入った箱を渡してきた。


「前から集めていた奴もある」

「そうか、ありがたく貰おう。キリル、下がれ」


 命令すると大人しく下がった。警戒は続けている。というより、よく見ると周りに配置したニャンコ達も街道に現れて、完全に包囲している。


「命の保証はちゃんとしてくれ。アタシ達はアンタ達に仕事の完了後も協力するからよ」

「わかった。それと、一つ条件が追加された。お前達に精霊を合成して半精霊にする。そうすれば受け入れ……」

「まじで!?」

「うぉっ!?」


 ラクロアが行き成り接近して俺の首元の服を掴んで顔を近づけてきた。それに反応する2人をどうにか止める。何故なら、瞳が無茶苦茶輝いている。


「それって、アタシ達にも精霊の力が使えるんだよなっ!!」

「あっ、ああ……そうなる。最終的に精霊になるだろうが……」

「構わん! むしろしてくれ! いや、してください!! お前ら、喜べ、いけ好かないエルフ共に頼らずとも、鉱石作りたい放題だぞ!」


 後ろから歓声が巻き起こる。そういえば、ドワーフって鍛冶が大好きだったな。取りあえず、苦しいので抱き上げてやる。


「土の精霊、土の精霊を希望する!」

「わかった、わかったから……いい加減離せ」

「あっ、すまん。あ、あと護衛の奴らは冒険者として働かせてくれるなら構わないそうだ。半精霊も、強くなるなら構わないだと。ただ、嫌がる奴も居るから、そっちは任せたぞ」

「ああ」


 降ろしてやり、正式に契約を結びつつ寄生精霊を全員に寄生させる。嫌がった奴には解放条件として、この事を誰にも言わない事、言った場合は寄生させた精霊がお前達を乗っ取って支配するか、殺される事を教えて置いた。ただ、同時に仲良くするなら力を貸してくれるだろうとも言っておいた。実際に精霊核の代わりに気に入ったら力を貸してくれるだろう。なので、解放を望んだ連中を置いて、他の連中を連れて精霊の森に8日間かけて帰還した。









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